おつむは物を描きたがる
好奇心と張り合うといつも痛い目に遭う
飽きたら終いのおれさまの詩
ごくごく普通の町の中
ヒトもチャリも通る場所
バイクもクルマも通るのに
ネコもシャクシも見とるのに
がたーんごとーんと揺れながら
民家の前を抜けていく
威風堂々抜けていく
白昼に一両型の路電の姿
立ち寄ったネコパフェカフェの窓から見下ろして
なぜそこ走るの我が物顔でと
つぶやいた…
絵面が滑稽で萌えてまうわ
車両が描いた綺麗なカーブが
眼前の景色と共におれさまの目を奪いよった!
ズザザザザ──ンと引き裂いた二本の銀閃が
瞬く間に地面に浮かび来る!
誰が言ったか知らないが「ピンチの時がチャンスの時!」
おれさまの愛する町が突如、斬撃の轍にざわめき立った
通りのこちらと向こう側
分断されたネコパフェカフェ求めて
横断途中のヒトのうねりも飲み込んだ
バスもバフも停留所も改札口も
カフェのレジも飛びそうだ
そいつはおれさまが戴くんだ必死にしがみついた
他の物みんなみんな轍の異界が飲み込んだ
遠くの景色も遠くの空も
きっと多くの町も国も世界も消えた
この世界の片隅に取り残されたのは
おれさまとネコと
おれさまとパフェと
ねこさまとおれカフェと
パフェねこさまと
カフェおれさまだけになった──!!
うまい珈琲ともふり放題たべ放題
もふ世界でムフフ暮らし…
遂におれさまも
R18デビュー ひゅーひゅー
もう普通の町では無い
ヒトもチャリも通らない
バイクもクルマも通らない
ネコもシャクシもおれさまにひざまづく…あぁ
ああぁ…
がたーんごとーんと揺れながら
下りの路電がやって来た
すべてが巻き戻って
よっ!
一巻の終わり
有難うございます。