博識?キキョウさん
『なぁレオ、スライム捕まえるの手伝ってくれない?』
「…肩に赤いのが乗ってる様に見えるけど?」
『いや青いのが6匹欲しいんだ。生きたままで。成功報酬1匹10ダラーでど…』
「やります!ペットならケージか水槽も要るよ?」
『その辺込みで付き合ってくれ。グラトニーブラッドスライム排除依頼成功の賞金50万ダラー有るから。』
「グラトニーブラッド?そんなのどうしたんだよ師匠?」
『今レオが抱いてる。クリム、ご挨拶!』
伸ばした体の一部振りながら“おっす”って体で書いてる…
「器用なブラッドスライムだな…」
『大きくなったらリョクの宇宙バージョンでも飲み込めるぜ?』
“クリム、ヒュージサイズになってくれ。”
ボヨンと直径3メートルの球になるクリム。
「これミヤビ様に見せたらチビるぞ…」
『レオは大丈夫だったのか?』
「正直ヤバかった…本当にグラトニーなんだこいつ…」
「なんじゃぁそれはぁ~?」
“クリム、最小になってくれ”
ヒュッと小さくなるクリム。大丈夫、ミヤビ様の足元に水溜まりはできてない。
「先にトイレ済ませておいて正解でしたねお姫様。」
「キキョウ姉ちゃん、こいつグラトニーらしいから注意してな。」
こんにちはと体で書きつつ伸ばした体を降るクリム、お前男と女区別してるな?
「ええ、オゴウさんが昨日グラトニーブラッドスライムを排除したと今朝のめざましニュースでやってましたのでそうだろうなと。」
『え?そんなのまで言われんの?ってかパイロットかギルマスが情報売ったかかな?』
やれやれと言う顔でレオが説明する。
「師匠のギルドカードが情報売ったんだよ。依頼を受け付けた、ターゲットに接敵した、討伐ならバトル終了、ギルドでの依頼完了、それらがタイムレコーダーに記録されて拡散されるんだ。今回バトル終了が無いから排除で出たんだろう。」
『それは何級から?』
「G級からSSS級まで、冒険者ギルドに登録している人間はギルド職員でも皇族皇帝でも赤ちゃんホームレスでもって師匠ギルドカードの使い方読んで無いな?」
『便利な身分証明付きキャッシュカードだなとしか…』
「それはそれでどうなんじゃ?」
『んじゃリョクやクリムも?』
あ…クリムが見習い使い魔カード差し出してる…
(先輩、クリムは次元収納使えますね。たぶん切り離した体を入れてます。)
リョクからクリムのカード受け取ると…
名前:クリム
仕事:オゴウの使い魔
種族:グラトニーブラッドスライム
年齢:5歳
強さ:LV5
称号:山喰らい
特技:酸攻撃、アルカリ攻撃、毒攻撃、酸防御、アルカリ防御、窒息攻撃、のしかかり、姿写し
『書いてないぞ?』
(そんなこと書くか!クリムがどこからともなくカード出したでしょうが!)
『ああ、そっちか…ってクリムレベル5なのな。』
カードを返しつつそう言うと…
「スライムはレベルで進化します。ノーマルからヒュージが10、ヒュージからキングが20、カイザーが30、グレーターが40。つまりこの子は5年で100レベルをクリアしています」
“ぼく今の大きさで5年なんだけど?ゴハン食べたらレベル上がるし。”
違うらしい。
『キキョウさん、クリムに聞いたら年齢はその大きさに進化してかららしいよ?あと食事の度にレベル上がるんだそうな。』
「は?クリムちゃんに聞いた?」
神通力 テレパシー!
“こうやって意思疎通してます、あの…キキョウさん?聞こえます?”
「腹話術ですね?」
「キキョウ姉ちゃん何言ってんだ?」
「彼氏の居ないストレスが高じたんじゃのう…基地の横にいい精神科が在るぞよ?」
あ…無言でこめかみグリグリやられとる。
“まぁまぁその辺で…これは精神に語りかけてますからキキョウさんにしか聞こえてません。範囲広げると神託になります。”
「ああ、たまにオゴウさんがやってたあれですか。」
「え?ドボコンの時はみんな聞こえてたじゃん。」
『あの時は拡声を併用してたからな。詳しくは秘密だ。』
「話しても誰も真似できないと思うがのう…」
「おそらく音声だけで人を殺める術が有るのかと。」
『キキョウさん…マツシト陛下夫妻帰ってきてからアホになってない?』
「わりと。」
…本人認めたでおい…
「今、薄幸の皇女からお転婆メイドへ!」
「発酵した皇女の時もあまり変わらんかったがのう。」
「いやいやミヤビ様の暴走止めてたのが今は先導してるし…」
グリグリ2回目…君ら学習能力無いんかい?
『で、スライム捕りに行くのに乗り物借りていいのかな?』
「軍で兵員輸送ビークル貸してもらえるよ?」
『レオ、俺こっちの免許持ってないぞ?』
「全部自動運転だよ?凶悪なモンスター、オウルベアとかグラトニースライムとかドラゴン出たって警報出たら近付くのに運転しなきゃならないけど。」
『んじゃホームセンター行くか。』
「ノーマンとネフコとニコリとツライアルが有りますが?」
『ペット用品充実してる所で。』
「ノーマンお薦め、ペットプラザ在るし。」
『レオに従おう、その辺全然分からんからな。』
「レオは普段からホームセンター巡って遊んどるのじゃ。」
「パチンコの強化に情報収集は必要なんだ。」
『それ以前に強化すんな!小型拳銃並の威力有るだろアレ…』
「貫通力が今一つ。」
『弾は何?』
「たまに鉛主に小石、あと木の実も。」
『そんなんで貫通力云々言うな!ホームセンターならベアリングの玉売ってるだろうからそれ使ってみ?』
「トライサブの時は小石使った。」
『それはそれで正解だな。強力過ぎるが非殺傷武器としては及第点か…』
「オゴウ様、兵員輸送車借りて来ました。オープントップは空いてませんでしたが…」
『ありがとうございますキキョウさん。』
2分後、アメリカの高機動多用途装輪車両(ハンヴィーM998)に酷似した兵員輸送車が我々の前に停まった…
『…これですか?』
「はい、こちらです。」
これホームセンター行くのには少し派手過ぎるんじゃないかな…
「この型個人所有してるのも居るから大丈夫だよ。」
{リョクさん意外と役立たず。}
戦闘要員がペット飼育に役立つはずもなく…
{戦闘要員やったんか?}
別にメタネタ要員で出したんじゃないぞ?
{一連の行動や発言でエロ要員かと。}
という意見について如何ですか?
(池田さんギルティーで。)
{あああ何でここに?}
口止めされてたからな。




