地上へは転移魔方陣で
そろそろゴールデンウィークも終わりですね…
どこにも行けなかったぁ~!
{やかましい!}
『で、どうするヒュードロボさん。一緒に行くかい?』
「いやいやオレはここまでだよ。」
『んじゃせめてボス部屋の向こうまで頑張れ。そしたら2位にはなれる。』
「全員リタイアか…」
『それじゃまた会おうぜ。』
《ヒュードロボここでリタイア宣言!O-号はまだ進みます!》
「O-号!ドロップ品忘れてる!」
あわてて取りに戻りましたよええ…
魔石51個と杖1本両手剣4本槍1本にローブとネックレスと指輪…
で、6階キラーマシンの階層に…
{あるじ!敵!}
ロケットパーンチ…あれ?
《O-号選手、マシン系はドロップ出さんよ?》
『んじゃ何台かボディーハックします。』
5台乗っ取って挟み撃ち。いきなり後ろの同型機に攻撃されてキラーマシン達は混乱している!
連射ブラスター最大出力!
ドンドンドンドンドン!ドンドンドンドンドン!
{♪かっでぃすすりらー!すりーらーないつ!}
『JUN、遊ぶな!踊るな!歌うな!』
<♪じゃすとぅてるゆーわんげいん、ふーずべーど。>
『おや?あんたも転移者だね?』
<この帝国を支配するのだ!>
『宇宙猿人ゴリか!だいたい3人ほど帝国に転移者居るだろ?』
<自己改造を重ね誰よりも強くなった!お前も子分にしてやろう。>
『ほいっ!』べきっ!
『まぁ脆い!最強を名乗るならこういうとこをだなぁ…』
ダダダダダダダダダ!
『喋ってる間に撃つな!常識無いんか!』
ごいん!
『だいたい蟹型してて最強名乗るとは何事か?蟹なんぞ星座カースト最下位の分際で…』
{あるじ 分解終わった。博士のレプリカコンピューターだった。}
《おやO-号選手、その小型ロボは?》
{ペット違う。外部探査ユニットのJUN、Judge of Unknown Negotiatar(不明を判定する交渉人)、おっさんの付属品。}
《うんめちゃめちゃかわいいなぁ。》
『カラミ辺境伯のところで解析し次第売り出すみたいですよ?そっちはペットロボみたいですが…あれ?もしかしたらこれ反則ですか?』
《宇宙軍仲良しカルテットチームも小型ロボ使ってたんでセーフですよ。本体が進んだ所までが記録で力尽きる前に小型ロボが走り抜けても記録にはなりません。また小型ロボに攻撃させるのは反則になりません。》
それ聞いて尻尾からライフル出すJUN…わざとかお前は。
階層跨いでキラーマシンは連れて行けないようだ。手を振ってるキラーマシンに別れを告げる。
7階…リザードマン、サハギン階。見た目は釣り堀だな…
水中からちょっかい出しに来たサハギンを肩の上のJUNが狙撃してる。攻めて来るだけサハギンの方がアホタレのようだ。ドロップは三叉の槍…銛?と魔石3匹分。
8階…虫階。蜂も蟻も寄り付いても来ないので無視。スライム連れて来てたら食わせるのに…
9階…砂漠階。ブラッディスコーピオンが元気でよろしい。
蠍10匹のドロップは魔石10個と毒針5つ…何に使うんだろう?それとでっかいミミズ一匹魔石1個。
10階…飽きてきたんでボス撃破後に帰ろう
10階ボスはミノタウロス。斧を振り回してる…
「ぐも~!」
『うるさい!』
チョップで片角を飛ばすと涎垂らしながら突進してきた。
『わ~怒ってる怒ってる。』
《O-号選手緊張感が全く有りません。首を固めて…ブレーンバスターだ!》
『しまった!こいつ4の字逆関節でかけられない!』
《お~っとO-号選手フェイバリットホールドを妨害されたか~?》
《なんでプロレス中継になっとんやろね?》
《それではとジャイアントスイングで投げ飛ばした!》
まだふらつきながら立とうとするミノタウロス。一度雄叫びを上げ…そのまま前のめりに倒れた。
《カンカンカンカンカン!勝負有り!O-号選手新記録!10階ボスを下したぁ~!》
《あんたどっからゴング持って来たんや?》
ドロップはミノタウロスの魔石、牛肉20キロ、ミノタウロスの斧。更に宝箱に入ってイエローダイヤ、魔封じの指輪、ヒヒイロカネのチェストプレート、何かの魔剣が出てきた。
《さぁO-号選手、この先はどうします?》
『この先は来年の楽しみでリタイアします。おいJUN太、帰るぞ?』
あれ?何か指輪持って来た?
“副賞の転移の指輪だよ。いろいろお疲れ様。”
ありがとうデミウルゴス様。ところで6階のは?
“あれ僕の作品じゃないよ?部品にダンジョンコア使われてたみたいで吸い寄せられたっぽい。”
また博士にでも相談してみます。では。
光を増した魔方陣に飛び込むと…どこここ?建物の中だけど…
「ここは帝国冒険者ギルドカラミ領マンキ星帰らずの迷宮支部です。本日は10階層完走おめでとうございます。」
ああドロップ品ですね。ここに出せば良いですか?
「ギルドマスターの部屋にどうぞ、そちらでドロップ品の鑑定を致します。」
『こんちはー』
「おお!初の10階ボス踏破のヒーローのご帰還ですな。わしがギルドマスターのグランです。」
『わぁ~!すいません、ドワーフさんに会ったの初めてなんで。小合克己です。えっと、ギルドカード持ってたら迷宮にまた入れるとか聞いたんですが…』
「では登録ですな?ついでに鑑定もしましょう。こちらの水晶に手を付けてくだされ。」
あれ?何も起きない?
「オゴウさんそっちの手は飛ぶんでは?」
『あ!そうだった!』
右手を付けると鑑定用紙が吐き出されて…止まらんな?
『壊れました?』
「いやきちんと印刷されとりますぞ?膨大なスキルが有るようじゃなぁ…こっちもしばらくかかりますぞ?」
「師匠~表彰式やるから来いって…何これ?」
『鑑定してもらったら用紙が止まらないんだよ…』
「とりあえず表彰式だよ!後で来ます!」
《搭乗タイプ部品。3位!帝国大学ダンジョン同好会!坑道ランナー号!記録、一階広間中央!
2位!帝国化学工業迷宮愛好会!ボンバーマシン!記録。一階広間出口!》
これドロンボーがバンゲリングベイならバンゲリング三部作揃ってたんだな…
《優勝!宇宙軍仲良しカルテット!モグランナー号!一階踏破!》
記録がしょぼい割には大きな拍手が送られていた。
《なお、今回は全員が自滅によるリタイアです!》
更に歓声が大きくなる…あんたら自滅が見たかっただけだな?
{6階のは博士の?}
試作精神定着コンピューターの劣化コピーの一台だな。
{JUNが分解してたけど死んだ?}
あああれコンピューター部分抜いてただけで成仏させてないぞ?
{そのあと喋ってないけど?}
スピーカーとか付いてて喋ってもうるさいから分解しただけでまだ中に宇宙猿人ゴリ居るよ?共和国に帰ったらO・HA・NA・SHIするつもりで。
{何でローマ字?}
KA・WA・I・GA・RIと同系統のTA・I・WAだから。
{つまり拷問か。}
霊魂に人権はない!
{おいこら!}




