最高機密は五劫の擦り切れ
退院一作目です
運転手の小合克己です。今日は家族一同で首都星第一コロニーの提督府に向かってます。
《まさか私も来られるとは思わなかったわ~。》
もちろんマザー本体ではなくELFがマザーの精神ごと来ているのだ。
{このユニット結構凄いよな~。ウチらと離れても軍用電波で繋がってるし。}
その辺りは携帯電話の話したら博士がノリノリで付けたんだけどね?俺は悪くない。
《ターゲット発見!って言ってる。砲撃開始!あらあら狙われてるわよ?》
「カツミくん!慣性力キャンセラー強化したから我々に遠慮なくアクロバット飛行できるよ。」
UFOは機体を立てて重力波を避ける。
「そんなのも有るんですね。」
「元々レスキューチェイサーだから患者運ぶ用に付いてるんだ。」
{敵機体判明!帝国型スタートレーラー!攻撃する?}
「誰に喧嘩を売ったか教えてやろう!パルスレーザーガトリングでエンジン狙っておくれ?」
この世界のパルスレーザーは出力が低く主に岩塊やスペースデブリ破壊用である。どこぞの変態博士が弄らない限りは。
「なんか貶された気がするんだけど?」
パルスレーザーがエンジンに吸い込まれ停止する
「単発で撃たなくてもいいのに…」
「今敵に手の内見せなくてもいいでしょ?」
{もしもしポリス?こちらコースケベ個人所有チェイサー改。
攻撃を受けたんで返り討ちにしたった。ビーコン設置するんで取りに来て。}
《あらあらギャラクシーポリス?》
{いいやミリタリーポリス!}
さて行こうか…
{トレーラーより入電!なにゆえの攻撃か?}
「返信、軍法裁判を待てスパイ。」
あ…トレーラーが爆発した。物騒だなぁ…
{暴走族が突っ込んで来たで?}
ああこのUFO鹵獲したいのか…パルスレーザーガトリング全方向一斉射撃!
{ポリス?なんか増えたんやけど放っといていい?ウチら提督府に呼ばれてるんよ…うんエンジン全部壊してあるし、コースケベが襲われた被害者やから軍に問い合わせてもろたら…はい、んじゃお願いしますぅ。お父ちゃん、おっさん終わったで?}
んじゃ行くか!
{あ、さっきのコロニー右}
お約束に忠実な奴…
「博士昨日の件だけで狙われてるんじゃなかったのか?」
{ああ見えて天才の名前を欲しいままにしてる上にナイトヮ元帥の甥っ子やから…}
技術の有る貴族の放蕩息子みたいな物か…
「その甥っ子が叔父さんに会うの嫌がってますが?」
《元帥女よ?会う毎に嫁はまだか子供見せろと言われてるから…》
「きっちりELFの映像も付けたのに何が不満なんだ叔母ちゃん…」
「提督府に近付く度に独り言多くなるの止めてもらえます?」
{あ、そこの門から入って?コースケベ所有レスキューチェイサー入場します。}
(ようこそ提督府へレスキューチェイサー。乗員は1名で間違いありませんか?)
{はい、プロフェッサーコースケベ独りです。}
「実は4人居るんだけどね?」
《プロフェッサー!我々は乗員に含まれませんよ?》
「含んでも3人だよ?俺あしゅら男爵みたいな物だし」
「また失敗しおって~!」
「{お許し下さいDr.ヘル~。}」
《「「{あははははは}」」》
{ほな宿舎行きまひょ}
…俺専用のユニットも作るかなぁ…ほとんどJUNに入るから要らんと言えば要らんけど…
宿舎の扉を開けると老婆が居た。
「コースちゃん!良くやったわ!」
「おおお叔母上もご壮健そうでななな何より。」
お?
「あんた何であたしの前でガチガチになるのよ?」
「嫁とか子供とか言われたくないからでしょう。」
「あら?ねずみさん詳しいのね?」
「元帥の事は博士から聞いております。優しい親戚なんだけど嫁子供言うのが苦手なんだそうで。」
ちなみにネズミじゃなく銀ギツネですが。
「そう…あなたねオゴウカツミくん?」
「はぁ…?何がですか?」
「♪ズビズバー パパパヤー」
「やめてケレ! やめてケレ! やめてケ~レゲバゲバ」
「なるほど…第4深度もクリアしてるのか…」
老人と子供のポルカってそうなのか…凄いね左卜全。
「何の意味を見出したか知りませんが合言葉以上の物にはならないでしょう?」
「そうだけどね…ぶっちゃけこのパスワードで隠してある物が有るんだ。間違えれば埋まるから… 最終深度さえ判れば…」
「何でしょう?」
「寿限無!」
「寿限無、寿限無 五劫の擦り切れ 海砂利水魚の 水行末 雲来末 風来末 食う寝る処に住む処 藪ら柑子の藪柑子 ポパイポパイ ポパイのシューリンガン シューリンガンのグーリンダイ グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助」
《なんかあっさり解けた気がしますが?》
「こんな小さな頭なのにねぇ。」
本当に素直に言うと思ったのか見ず知らずの人間に?
{1ヶ所わざと違う文字を羅列してます。壁に耳あり障子に目ありとも言いますから。あとウチには二人分入ってますよ。}
「アハハハハ!何時から気付いた?」
博士が叔母上って言ったのが別人の合図だったんだよな。
《本人外に1個小隊連れて来てますが?》
「あとあんたはもう動けない!」
俺に注目させといてその隙にELFがテグスで縛り上げてる。あっさり解けたと言ったのは縛り上げ完了の合図だ。俺達がコンピューターだったからこそできた連係プレイだった。
「博士~本物の元帥に入ってもらって下さ~い。」
「コースちゃん!凄いわ!」
元帥にキスされる博士…あと30年若ければ様になってたかも。
「しかし敵も馬鹿よね~。コースちゃん生粋の女性恐怖症なのにねぇ。」
あれ演技じゃなく素だったのか。叔母さんなら本人叔母上なら偽物って決めてた手間要らなかったな…
「私はノリコ一筋ですから!」
「小学校の時に亡くなった娘に一途になってもねぇ…」
え?
「ノリコ・クヮルス!あたしのダンナの連れ子でこの子の婚約者だよ。」
「博士のロリコンはその頃から…」
「いやこっち5年ノリコ3年だからそんなに言うほどのものでは…」
{もしもしポリスメン?目の前に犯罪者が!}
あ…11歳と9歳か…んでもあの時代1つ学年違ってもすげー年下に見えるんだよな…
「ところで狐さん、寿限無バラして良かったのかしら?」
「全く関係ない言葉じゃ信憑性出ませんしそのまま怪しい人間にも言いません。一部分変更が相手困らせるのに一番手軽なのは諜報戦の基本です。」
「銀ギツネさん凄いのねぇ…」
「これをネズミと間違えなかったのは元帥が初めてです。」
「あらあらネズミにそんな立派な尻尾は無いでしょ?」
いや後ろでネズミじゃなかったのかとか言ってる人が…
「当然この子たちもあなたの手に依るものなのよね?コースちゃんだと鉄板貼り付けるもの。」
「ロボットの醍醐味は金属の重量感でしょう?」
人間の共する時点で人形に近い方がいいんだけどな…
「ところで寿限無は私に教えて貰えないのかしら?」
「すいませんが誰が味方で誰が敵かわからない状態ですし、さっきのもマイクで拾われて流出した可能性も有ります。どっかで崖崩れが起きればかなり頭に近い人物が側に居るでしょう。あなたにもブローチと襟の裏とカフスボタンから不明な電波が出てますし。」
「優秀ね、オゴウさん。」
「それはカヅコちゃんが感知したんですけどね。」
「あなたは勇者なの?」
寿限無…うろ覚えだったんでググったらなんか歌が出てきました…そのカップリングが「狭心症」…
{寿限夢やろそれは!}
狭心症で入院してた身としてはCD探そうかと…
{心臓病の歌でもないぞ?}
そう言えば敬老の日が1週間遅くなったりしてるんですね…昔は9月15日でした。
{もう18年前なんやけど?}
あ~!お前地獄の釜の蓋開いてる時に帰らんかったんかい!
{バスに遅れたんや!タクシー高いし…}
バスで行き来してたのか…キュウリの馬とか茄子の牛とか…
{お尻割れるわあんなもん!ところでファンタジーな単語が出てきたな?}
それについては異世界法典の説明と共に今書いてます
{早よ書けたわけ!}