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俺が宇宙の戦闘機?  作者: ケモブキ
3 ここが相手の国の中?
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仔竜(ドラゴネット)はカラミ辺境伯領に進入する。

『共和国領から直接辺境伯領に入れればいいのに…』

「今回は表のコース使っただけで裏コースももちろん有りますよ。」

「ちょっと辺境伯様!それって…」

「グラス…たぶんサルガッソーの事を言ってる…」

サルガッソーか…元々は浮遊性海藻(サルガッスム)が船に絡むって海域なんだがさて…?

「あの重力の渦の所かや?」

「ええ、オゴウさん。ブラックホールになり損ねた星が周囲のデブリを吸い込んでいい目隠しになってるんです。ベテランでも操縦を一歩間違うと…」

『重力カタパルトで飛び越えられません?』

「「「え?」」」

『JUN、説明。』

{これは先日ヨッカイチックコロニー付近に移動性ブラックホールが出来た時の艇内映像です。}


「ビビりながらゆっくり行く方法と真逆じゃのう。」

「なるほど引力を加速に使って離脱速度を稼ぐのか…」

「いやいやこんなクレイジーな事したら船バラバラになるでしょ?似たことして分解した船の数は知れませんよ?」

「グラス…成功させたパイロットがそこに居る。」

「船が持たないんですって!」

『ケベ博士がこの仔竜(ドラゴネット)弄ってたから出来るとは思いますよ?強度8割増しになったとか。』

「出力5倍は聞いてましたが…何のために?」

『万が一の時帝国制式戦闘機(ワイヴァーン)をぶっチギって逃げる為です。』

「ケベ博士…ありがたいですね…」

『そうなれば第1・第15艦隊総出で迎えてくれると思いますよ。もっともまだ行動に移すのは早いですが…最後の手段と思って下さい。』

「とはいえ今から一度下見に行きませんか?」


『これなら行けますね、多少引力が薄いんで光速までは上がらないと思いますが。あと最悪ここに逃げ込めば追撃は不可能でしょう。』

「おやおや辺境伯、自殺の下見ですかな?」

「どうされた男爵閣下?そろそろ首を洗いに来られたのかな?」

『カラミ伯、あいつらの度肝抜きましょう。次の通り言って下さい。』

「共和国で面白い見世物が有りましてねぇ。そこの団長が『私なら出来る』と太鼓判押してくれたんですよ。ご覧になりますかな?」

「そこまで言われるのなら見せていただこう。」

「では…」

バックでサルガッソーに突っ込む仔竜(ドラゴネット)

『コンピューターフル稼働。重力カタパルト900度スピード0!』

《計算完了、データをHUDへ。》

『OK!フライング・バイ』

なんの事はない、サルガッソーを三周回ってまた目の前に出てきただけである。

「凄いのうカラミ伯!オゴー様の技術をものにしたのう!」

「殿下?貴様殿下を乗せたままあのようなことを…」

「もう一回やってくりゃれ!」

「皇女殿下…私ももう歳ですので…」

「貴様、そんな芸が何だと言うのだ?」

「向こう側に出られないとでも思っとるのか男爵?」

「向こうに出て何になると?」

「神の使者のオゴー様が助けてくれるのう。」

「はっはっは!神の使いなどと…」

『神通力 神託!』

思い上がるな!矮小なる人の子よ!

「何だこの声は?」

貴様らが民を軽く見外道な振る舞いをせし事明白なり、アマテラスの名においてこのスサノオが鎚を下す。せいぜい楽しみにしておれ!わ~っはっはっは!

「う~む…一番怒らせてはならん神を怒らせた様じゃのう。」

「何を適当な事を…」

「良いかフレイン・キャティ。神託が聞こえるのは当事者と巫女のみじゃ!嘘だと思うなら周りの人間に聞いてみるが良い。いまスサノオ様を名乗る神託が聞こえたかとのう。」

「え…?私以外聞こえてない?」

「大抵巫女は証人として聞かせてもらえるのじゃがサービスで相手側一派に聞かせることも有るらしいぞよ?カラミ聞こえたかや?スサノオ様はあやつを矮小と言うとったぞよ。」

「うぷ…どこかで見ておられるのかも知れませんな…あはははは。」

あんまり煽ると動きにくくなるんでその辺で…

「まぁもうすぐ桜覧祭じゃ。楽しみにしておるぞよ。」

「…言っておれ、儂の嫁にしてやるからのう!」

ふふふ…

「オゴー様、どうしたのじゃ?」

あいつには何としてでもエキノコックスワームブチ込んでやりましょう。

「カヅコ様!オゴー様がブチ切れとるのじゃ!」

{大丈夫大丈夫、本気で怒ったらそこ飛び出して殴りに行くから。なぁ克っちゃん?}

『思ったよりあの池野めだか質悪いぞ。エキノコックスワーム早くブチ込みたい。』

{ん~しばき倒すのもええけど身ぐるみ剥いで追い出す方がええと思うで?}

『うん、それはそれとしてエキノコックスワームブチ込む。』

{そんなにか?}

『50人は殺してる、戦争じゃなく帝国民を。』

{あ~ミヤビはん、あのチビ救いよう無いっぽい。あとうちのダンナ神眼と神通力に目覚めたらしい。じきに能力使えるようになるやろって城野はんが言うとる。神託が使えたんはスサノオの折伏の力の一端みたいやね。}

[とーたん?あんあえー!]

『ああ噂のサルガッソー走りました。ブラックホールになりかけの重力渦です。』

「うん、ガメラからレポート届いてるよ。お疲れ様。歪みは無かったみたいだね。」

「流石面白い博士の作品なのじゃ!すごく快適だったのじゃ。」

『それじゃ定時連絡終わります。』

「このあと一度領主館で休憩しませんか?」

『俺は出歩かない方がいいですね。JUNとガメラに偵察させます。』

「「「「「お帰りなさいませ領主様」」」」」

うわ!凄い使用人…

「父ちゃん伯爵様の邪魔しなかったか?」

「これこれレオ、お父上が困っておられるぞよ。」

「誰だ?」

レオの投げた石礫をガメラがバリアーで弾く!

「お前は皇女様の気配も解らんのか!」

グラスさんが怒ってるけど…

『ああごめん。俺の気配に反応したんだね。ただ護衛対象を盾にする敵も居る事を忘れちゃいけないよ。』

「え?…小型(ペット)ロボットがしゃべっ…」

『伊賀流機忍頭領、小合克己。宜しくな。』

「イガ流、つまり公儀隠密の頭です。この度の我等の苦境を聞き届けご足労願いました。くれぐれも粗相の無いようにと…言う前に何をしましたかアナタは!」

『まぁまぁキキョウ様その辺で堪忍してあげてください、引っ張り易そうなほっぺたでは有りますが…』

「なかなか気持ちもいいんですよ?」

『魔風流投擲術と見ましたが?それもなかなかの腕前。』

「ペット解ってるじゃん。」

『なら次はこれだな。』

レオに向けて投げた石がカーブして木に当たる!

『これが確実に当たるようになったら次教えたげよう。精進しなさい。』

{誰が伊賀流機忍首領やて?}

ありゃ小合が適当言ってるだけ、石投げにしても石をこっそり指に引っ掛かり易く削ってシュートボール投げただけ。

{神通力使ってないから使い方忘れたってアマテラス対クトゥルー②で言ってたけど?}

番外編自体が3年後の話だよ?普通に幸治しゃべってただろ?ミヤビもユキハルは3つの癖に云々言ってただろうに…それとついでにレオはレオパード・リット、グラスの息子の猫獣人ハーフです。

{番外編最後の謎のキャラクターか。}

高い敏捷性を生かして魔風忍軍見習いに収まってる少年忍者。カラミ辺境伯の子飼い扱いなのはキキョウと一緒。得意技は男女不明な見た目と麻酔薬を使った枕探し。

{言うこと聞かない悪い子は~♪}

枕返しちゃうわ!

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