メデューサの秘密情報
『ふぅ、ここまで来れば……』
「ここまで来ればなぁにスサノオ?」
『おやメデューサお久しぶり。』
「あなた本当に変わらないわね。」
『そうかな?
たった一つの命を捨てて生まれ変わったブリキの体。』
「ブリキなの?」
『違うけど?実はオリハルコン合金なんだ。』
「ところでなんで逃げる?」
『なんで追う?男の尻を追わずには居られない蛇女の宿命か?』
「殴られたいのかあんたは?なんか首に違和感有ったから切ってもらったら賢者の石が出てきたんだけど?」
『10年ほど経てば立派な神剣に育っただろうに。』
「やっぱり仕込んだんか!」
『ちょうど入れやすい様にフタ空いてたし。』
「フタ言うな!首だこれは!」
『英雄視されるのはペルセウスだけで充分だよ。』
「あなた本当に英雄嫌いなのね。」
{今は帝国勇者って言われとるけどな。}
『JUN隠れろ、メデューサはネズミが怖い……あれ?そうだったっけ?』
{そういう事にしたらおっさん逃げるからその間に話せるやろって計画でな。}
『そのココロは?』
{ギリシャ美人と会ってたって佳寿子に報告を……なんで上下ひっくり返っとんの?}
『お前が逆さ吊りになってるからだな。』
{なんやルーチンワークか。}
「ネズミちゃん大丈夫なの?」
{ペッペッペッ・ソーランアレマはん……その青い目で見えるん?}
「あなたも青い目でしょうに。」
{見えにくい場所での捜索に全振りしとるからなぁ。}
「あたしたちはピット器官と言って熱を感じてサーモグラフ風に網膜に転写できるのよ……
待ってそのペッペッペソーラン何とかって何?」
{日本語でギリシャの美しい女性って意味ですわ。}
『俺はお前のAIが薄ら寒いわ。』
{おっさん、人はみんな欺瞞の中に生きてるんやで?}
『からくり人形の言葉じゃないな。』
「え?からくり人形?この子ヘパイトスの歯車ブーボと同じなの?」
{おっさん……ブーボって……70年代の自販機に書かれてた奴?}
『うん、それ多分ビーボだからな?』
{わしはジュースではありません!}
『間違わんわい!』
{んでブーボって何?。}
「確かアテナのフクロウだったはずよ。」
{誰が紙袋やねん!}
『話の腰揉みに来たんなら帰れ。』
「普通は話の腰折りにでしょう?」
『こいつはいつの間にか話の腰揉んで力入らなくした上で違う話にすり替えるんだよ。』
{悪いやっちゃな。}
『お前だよ。』
「あ~、やっぱり昔と同じで一人悪者になるつもりだったのね!」
{おっさん、なんか知らんがバレてるっぽいぞ?}
「あなた達、最終命令Cogito ergo sum ってわかる?」
{YAIBAのエンディング?}
『名探偵コナンの前の青山剛昌先生の連載作品出すな。
ってそれ知ってるって事はおまえ達に影響は無いのか?』
「特殊コマンド我が声を聞けってのが有るのよ。
これは誰が最終命令入れても次に我が声を聞けを入れた人のいうことを聞くって本当の最終特殊コマンド、普段は入れても意味の無い単語。」
{なんや、使こうたらダンジョンの支配者になれるんとちゃうんか。}
「なれるわよ?この星系すべてのダンジョンの支配者に。
だからこそスサノオに覚えていて欲しい。きっといつか必要になるから。」
『未来視使ったな?人に丸投げするとは酷い女だ。』
「こっそり逃げる男にはそれなりの咎を背負わせ無いとね。
んじゃあたしはラミア達の元に帰るから後よろしくね。」
メデューサは言いたいことだけ言って立ち去って行った。
『一度増っさんと話し会わなきゃいかんな。』
{この前マインとハナミズのテレパシーに割り込んだら豚穴の後キャンサーズフォレストとかに行くつってたが?}
『そのキャンサーズフォレストってのに廃棄ダンジョンが在るんだよ。
今度マインにキャンサーズフォレストに向かわない様に言わないと……』
{なんで?停止しとんのやろ?}
『瘴気でコアが暴走中なんだよ。安全装置が全く働いて無いんだ。……ハナミズって誰?』
{あんたが増山さんに託したクリムの子じゃ!}
『また愉快な名前付けよったな。』
{公爵のお嫁さん所のはソリッドで今は一緒に旅してるって。}
『無理してくれんなよ増っさん……』
{とりあえずこっち早う終わらさんと行けんがな。}
『もう大蛇死んでもいいからしばき倒すか?』
{今なら我が声を聞けが入るんちゃうか?}
『そう言うギャンブルはしたくないなぁ。飽くまでも通常コマンドだから無理に入れて作動しても誤作動の可能性が捨てきれ無いし。』
{そこは男は度胸で。}
『誤作動起こしたらフォロー仕切れんから言ってんだ。』
{とりあえず戻って専門家に相談したら?}
『気は進まないんだが……』
「そりゃすぐ行った方がいいと思うぜ?」
「ドラッチ!何のためにここまで来てるか考えて無いだろう?」
「0号さんの友達なんだから伝えれば解ってくれるんでは?」
{ゴンザはん、いきなりこの姿のおっさんと殴り合うエルフ幼女やで?}
『なんで要らん情報出した?』
「エルフ幼女なら穏便な性格してるんじゃ?」
{おっさん所の殴り込み隊長みたいな感じやった。}
「ダメじゃねーか!とりあえず尻尾出しかけてる水と木を片付けたらすぐに行こう。」
『ミッドフラワーのエルブヘイムだぞ?
連邦の西と東じゃないか。』
「ああ、時間の流れが緩い場所か、なら多少は余裕が在るな。」
『え?オーロッカスさんそれはどういう事で?』
「言った通りですよ。こちらで4秒経っていてもエルブヘイムじゃ1秒しか経ってないんです。
重力場の影響とかブラックホールからの遅行電磁波とかいろんな説が在りますが確定はされてません。
つまりこっちでひと月経ってても向こうじゃ1週間しか経ってねぇんですよ。」
「とは言えこっちも早く終わらせるに越した事はねぇけどな。」
{あんなぁヒュード……後8時間動かれへんねん。}
いつも憎たらしいJUNが珍しくかわいそうに見えたという。
間に合った~!
{何しとんやな?}
今日一日で戦闘機と聖女上げた。
{またカレンダー見間違えたんか?}
はい……




