怪物達のパレード
『2階で死霊系が出るのおかしいだろ?』
「ドボコンならコボルトステージだからな
って言うか今階層と出現モンスター一致してねぇぞ。」
「このピストルライト便利だね。」
「ゴンザ、それ博士謹製のアストラルクラッシャーだからな?」
「さすがに非常識な博士の武器は非常識だな……」
「ワイリー、それ普通に懐中電灯として使ってた奴が居るんだ……」
〈豪快なのが居るもんだね。〉
「そこでしれっとしてるあんたの友達だけどな。」
〈JUNちゃんか?〉
{おっさんじゃ!}
『元々ネクロコンピューター作る途中で偶然発見した霊体破壊線を適当な光源に繋げただけの代物だよ?
光源消しても破壊線は自動発射されてるからそっち方面に懐中電灯向けただけで消滅して行くんだ。
細かく言うと0.2秒の照射が必要でランプ点けないと0.5秒要るんだ……聞いて無いな?』
{おっさんこれ面白い!}
『アンドロイド組は当たったらどうなるかわからないんで注意すること。』
「6人中5人が該当者なんですけど?」
{さっきからおっさんに当ててるけど大丈夫じゃな。}
『何をしとるかクソネズミ!』
{体おかしくない?}
「わ~!JUNこっちに向けるな!」
{ゴンザはんとオーロッカスはんには当てないように努力しとる。}
「ワイリーは唯一当てても大丈夫だ!」
『あ~もう真面目にやってくれ!
神域解放、聖域!』
解放された光の庭園がアンデッドを吸い込み磨り潰して行く。
{わしも!食欲解放、残酷焼き!}
地面に煉獄の豪火を召喚しアンデッドを焼いて行くのでは有るが……
「こらJUN!アレのどこが食欲解放で浜辺の天国なんだ!」
{惑星アマテラスのトバドルフィンアイランドで売ってたんや。
貝を網の上で焼いて食うのが。
んであのグールやゾンビが焼かれて口開けるのが残酷焼きにそっくり。}
「こいつ凄ぇもんに喩えたな。」
『この旅終わったらまたアマテラス行くからワーナー兄弟頼むよ。』
「ん?慰安旅行って奴か?」
「ドラッチ……元々0号さんアマテラスにダンジョンできたから手伝いにお前呼んだんだろうが?」
「そういえばそんな事聞いた気がする……
じゃなくて、なんでJUNが魔法使ってんだよ?」
{おっさんに使えるのになんでわしが使えんと思うとったん?}
『臭いキツいからもうこれ使うなよ?』
{肉の焼ける香ばしい匂いになんでヘドロや排泄物の臭いが混ざってるんや?
焼き肉のタレに漬けたら消えるかな?}
『JUN太……新鮮な肉と腐った肉ならどっちがいい匂いすると思う?』
{腐った肉わざわざ焼くアホ居らんやろ?}
『なんで腐った死体焼いてるんだ?』
{今回の敗因はそこか!}
『ヒュード……もうこいつやだ。』
「娘の悪戯には責任持て親父。」
「二人共遊ぶのもいいけどもうちょい真面目にできませんか?」
「ってかJUNちゃん、これ燃やしちまうとドロップ取れないぜ?」
{あ!確かに。
オーロッカスはん教えてくれてありがとう。}
「いや……0号さんに教えてもらわなかったかい?」
『俺の言うこと聞かないんだよこいつ。』
{常日頃からわしのブラジャーおっさんのパンツと一緒に洗うなと……}
『ブラジャーしとんのかお前は?』
{なんでそんなもん着てると思うた?}
「本気で聞いてると頭おかしくなりそうだ……」
{ヒュード?一遍お試しで狂ってみいひん?
気に入ったら本格的に狂ってもええし。}
「元に戻れるんだろうな?」
{城野はん治せる?}
〈僕に振るなよ!〉
{わからないそうです。}
「0号、本当にこいつ神の眷族か?」
『高天原に悪魔の概念無いから超常の力持ってたらみんな神様。』
{おっさん特にあちこちで行き場無くなった五月蝿なす悪しき神も連れて来て面倒見とったから多いと思うで。
あの狭い国に八百万の神が居るんやし。}
〈そのおかげで高天原に敵対する悪魔や邪神は居なかったのは大きいだろうね。〉
「ところであのサンクチュアリで召喚してるのどこなんだ?」
『あれ伊勢神宮の内宮。基本的に外国の神殿なんかは喚べないっぽい。』
「惑星アマテラスのか?」
『いや地球の。何だかんだ言っても自分と結びついた聖域ってあそこくらいしか無いからね。』
{佳寿子に鈿女と言わんとお多福とかおかめつったら怒りよったぞ?}
『確かにおかめもお多福もウズメの別名とされるが……お前違う意味で言っただろ?
っと、門が閉まったな。
ハイ浄化終了。』
{次は地竜やねんな。}
『ミノタウロスとかトロル辺りは磨り潰されたんだろうな。
でも3階で地竜って……』
「最奥地どんなのが居るんだろうな。」
『毒ガス発生して生きて行けないから逃げて来ただけだったりしてな。』
「いやいやマジで有り得るぞ?
瘴気噴き出してスタンピード起こったダンジョンも在るからな。」
『そこよりなんで細かくスタンピードが起こるの解ってたんだろうな?
帝国ってスタンピードどれ位前から解るんだ?』
「1階のゴブリンが……あれ?」
「ゴブリンが入口から出て来たの見てから0号さん攻撃命令出したよね?」
『その前にゴーレムの大きさどうこう言ってたし更に頼まれたのは前日。
予知能力者でも居ない限り不可能だよな。』
{おっさん!
ネズミに解るように言うてくれ。}
「オレたちに来て欲しくないのが連邦議会上層部に居るんだろうな。」
{泥塗れのグレートマジンガーと鉄人がチラノサウルスどつきながら雑談しとるってシュールやな。}
『地竜と言え地竜と!
体高15メートルのティラノが居るか!』
〈ブレストバーンかサンダーブレイクが欲しい。〉
{月読叔父ちゃんとしてはなんか魔法無いのん?
雷撃とか適当に合わせたらそれっぽく見えるで?}
〈神通力、夜雷衝破!〉
{それで声だけサンダーブレイクと!}
〈サンダーブレイク!
おおできたできた!〉
{あんた月が導く異世界道中ではええキャラなんやけどな……
こっちじゃ心からオタクかいや……}
『メタ話してんじゃねぇ!
さっきの魔法使えよ!』
{魔力切れじゃ!}
JUN太……要らんことしかしてないな
{あれ元々そういう奴やったし。}
喋らない頃は可愛かったんだが……
{今でも見た目だけは可愛いやろ?}
行動がムチャクチャ過ぎるわ!




