小競り合いと身内
雛祭りですね
……全く関係ないもの書いてますが……
「機動炊き出しメカ ダイドコロン2世出動よ~!」
『今回は普通のキッチンカーなんだね。』
「チッチッチ、甘いぜオゴウちゃん。
こいつは力尽くでスラムの中に侵入して周りの人に料理を振る舞う特殊戦闘車両なのよ。
まずはドワルスキー号が血路を開いてボヤッキー号が炊事場を設置、アターシャ号が食事スペースを設置して材料とコックをワーナー号が運んで来るって寸法よ~。」
『ああヒュードのコンテナってロボットになるだけじゃないのか……』
「更にワーナー号と同じ形のカオー号が冷蔵倉庫として随伴するわよ。
そして5台が合体して食卓王ロボに……」
『アターシャさん、なんでこんなメカにGOサイン出したんです?』
「ボヤ~。誰が合体ロボ作れって言ったのさァ?」
「惑星炊具1号じゃ味気ないでしょ?
まぁ1回騙されたと思って使ってちょうだいな。」
結論を言うとボヤッキーが自慢するに足るメカであった。
アターシャの乗るクーペが展開して屋根を作り、ボヤッキーのトレーラーが炊事場に、ドワルスキーのトレーラーが椅子やテーブルに分離して街角のテラスが出来上がっていく……
「おうおうてめぇら何処で店拡げてんだ?」
『俺たちは帝国軍炊き出し部隊だ。
その辺りに栄養バランスを崩した子供たちが多いと聞いて炊き出しに来た。』
「てめぇ舐めてやがんのか!」
「セミヨンは居ないのか?」
「てめぇもなんだぁ?」
「ワシは特殊警察警部のジョニー・ガタスキーって者だ。
その方は帝国勇者オーゴ・カッツミー様と言う。
無礼を働くと死ぬぞ!」
「オーゴってーと50人程生き返らせたってペテン師か?」
『お前もペテンにかかってみるか?
瞬閃舞首!
か~ら~の~蘇生』
「今何処から光線剣出したんです?」
『今のは右手中指ですよ。
あと肘と膝からも出るし。』
「なんか首がぬるっとしてるな?」
「あんたたち今首刎ねられたのよ?
気付かなかった?ねぇねぇ。」
「あ?そんなはずねぇだろうが?」
「だったら燃えちゃえ。
ファイアーブレット!」
『ボヤッキーさん、焼き切れた手はエリクサーで生やさなきゃダメですよ?
こら逃げるな!アースニードル!』
「ま~イケズ!ヒール使ってやる気無いのね?」
「一応戦闘中に何やってるでまんねん?」
「カオーさん……あなた達は何者なんですか?」
「あ、ジョニーさん先輩たちの戦闘初めて見たんですね。
みんな極一般的な冒険者兼軍人です……
っと。ウインドバッシュ!」
「あんたたち本当に血の気が多いねェ……
アイスバインド!
こんな風に血を流さない様にさァ……」
『アターシャさん、それ放置したら死にますよ?』
「こら!自分達だけ楽しむんじゃねぇ!」
「ヒュードちゃん!仕込みは終わったのね?」
「JUNがボルシチだピロシキだと五月蝿かったけどな。
雷撃!」
「あ……それなんとかコンピューターが自滅した技……」
{やっぱヒュードならやれると思ったわ。}
「オレは子供たちの守護神になりたいからな。
あまり派手な呪文は使いたくねぇ。」
『雷って火以上に派手だと思うんだが?』
「あとゴーストやアンデッドにも効くからいいぞ。」
『俺の話は聞いてない訳やね?』
「兄さん!ゴミ縛るの手伝ってよ!」
「ワイリーに言ってくれ!
俺はみんなのゴハン作るんで汚れたくねぇ!」
{看板はこうで。}
地獄王の無料炊き出し 具だくさん血液スープとゾンビの心臓
いっぱい食べて元気になろう!
「あ~……JUN、宣伝下手だろお前……」
{昔宝塚ファミリーランドのゲゲゲの鬼太郎夏祭りで見た記憶が……}
『遊園地のお化け屋敷と一緒にするな!
食いに来た人も食欲無くすわ!』
「あのう……」
『はいはい いらっしゃいませ。』
「いえ……その、無料と言うのは本当でしょうか?」
「本当ですよお婆ちゃん、1ラーブルでも請求した場合このクレムリオス治安警察警部ジョニー・ガタスキーが排除いたします。」
「では早速みんなに……」
『少々お待ちください、ヒュード!』
「解ってるよ。
お婆ちゃん、試しに食べてから行ってくれ。赤カブの具沢山シチューと揚げ饅頭だ。
喉に詰まるといけねぇからゆっくりな?」
「待ちなバ……」
何か言おうとしたギャングはジョニーのレーザー光線式ポリスマグナムで沈黙した。
「ジョニー、ダンジョン潜らねぇか?
おめぇの腕ならダンジョン王を目指せるぜ?」
{ヒュードはいつから丹下段平になったんじゃ?}
「こいつも縛っときます?」
『うん、食べに来た人襲われても気分悪いからね。』
「本当に美味しい……子供たち連れて来ても?」
「当然だよお婆ちゃん、怪我人や病人が居たらそこの金のゴーレムに言えば治してくれるぜ。」
『俺は救急箱かよ?』
「お前以外治癒魔法使えないからな。」
『そう言えばそうだ。俺なんでラッタくん連れて来なかったんだろう?』
「ラッタ……?それは連邦宇宙軍のですか?」
{小っこいけど腕のええ宇宙飛行士やねん。
今は新生宇宙軍で戦闘班サブリーダーやってるわ。}
「なら違いますね……あの子は戦闘機に脳を吸われて……」
{空間投影!お婆ちゃん、この人かな?}
「ええ、生きて居ればそうなっているかと……ううっ。」
『ちょっと待ってね?アターシャさん、超空間通信できるかな?』
「ボヤ~!どうなのォ~?」
「アンドロメダマからならいけましゅよ~。」
『アンドロメダマ超空間通信!
もしもし~ヘン中尉?俺小合、ラッタくん居る~?』
「ラッタ~!提督から通信~!」
「ハイ、ラッタで……なんだ艦長か。」
「マイスなのかい?」
「え?お祖母ちゃん?なんで?クレムリオスだろそこ?」
『来てもらえますね?』
「でも孤児院の子供たちを放っては……」
『当然来てもらいます。
うちのアヴェンジャーは子供も多いし古着で良ければ提供できますよ。
成長したら残っても連邦に帰っても大丈夫です。
その前に食べさせてあげてください。』
{あ?退院してきとる。}
塩気の無い食事で我慢できるか!
{糖尿が何を……塩気?}
今回は心臓病の方だったの。
{それでも単車で行く根性が……}
医者にも怒られたわい!




