ドギーも遊びたい
「位置把握の為に発信機付いてるの忘れてました。」
{えらく素直に言いましたな?}
「真っ向からドラゴン殴り倒す人と相手の雷を攻撃に使う妖精に逆らう気にはなりません。
何ならポリスマグナムも渡しますよ?」
『それは後で見せてください。
レーザーガンに改造してうちの戦闘隊に渡したいので。』
戦闘隊?彼はどう言う立ち位置なんだ?
おそらく人を握り潰す程度は朝飯前だろうし……
もしその力が人民に向いた時本官は人民を守れるだろうか?
『こらJUN、勝手なナレーション入れるな。
モンスターハウスは消えたか?』
{中に推定ゴブリンが10匹……狩っとく?}
ちょっと形状が異なりました。
『JUN、あれはオーガと言うんだ。』
{あまり違い無いやろ?クサいし。}
『オークなら食えたのにな。』
「あんたら魔物を食うのか?」
{魔物を食べて大迷宮“黄金城”の踏破を目指せ、冒険者たち!}
『何それ?』
{ダンジョン飯のCM、初めてライオス達が動いたんやで。}
『あれアニメになったのか?』
{外人にはエルフのマルシルが人気やそうな。
この前アマテラスに教えてもろた。}
『何を異世界で充実したヲタ活しとるんだお前らは!』
「何の話かさっぱりわからない……
と言うかオーガとやら相手にしながらよくそんな会話できますね?」
{銭形はんも器用に避けてまんな?攻撃すりゃええのに。}
「いいんですか?じゃあ……」
バンバンバンバンバン!ポリスマグナム連射。
「弾なくなりました!」
『眉間に一発……大した腕前ですね。
んじゃこっちはパルスレーザー!』
{あ!横着して十字組まんかった!}
『おのれも攻撃せんかい。』
尻尾からショットガンを出して撃つ……だが効果は無いようだ。
『あ~、効いとらんね~。』
{ま~面の皮厚いんやなあいつら。}
「なんでレーザーで全滅させず1匹残したんですか?」
『あ!そうか、ダンジョンじゃなかったんだ。』
ガイン!棍棒で殴られる小合。
『やっぱり弱いなこいつら。』
棍棒を握り潰してパンチで胸板を貫く。
そのまま霧に……ならない。
『これダンジョン化が元に戻ったな。』
{手ぇきちゃないからさわんな!}
「あんた方緊張感無いのか?」
{銭形はんも充分……}
「ジョニーですが?」
“艦長どこですか?”
『ドギーさんごめん、中がダンジョン化しててちょっと時間かかってる。
あとモンスタープラント潰したら表出るから、それと1人同行者有るからね?』
“表は特警が集まってますよ。
では信号お待ちします。”
{おっさんプラントそこ。}
『ロケットパ~ンチ!これで再生は不能だろう。』
{山田のおろしの頭が1個こっちに来とったんやな。}
『誰やねん?
と言うかジョニーさんどうします?
帰ってもいいし我々と来ても良いですが……大々的にやります?
こっそり行きます?』
「こっそり行きます。」
{服に『未確認人物追跡中』って書いたメモ入れてたな。}
「旅に出ます捜さないでくださいとは書けないし。」
{その言葉は見つかったらすぐ捜しに来るで?}
「え?」
『こいつがさっきやったんですよ。
ドギー隊長、こっち終わった。レーザービーコン出す。』
“レーザービーコン確認、中庭に着陸します。”
『ありがとう、わざわざごめんね?』
“そう思うなら勝手に単独戦闘しに行かないでください。
ハッチ開けます。”
不意に空間が上下に開く。
突如無機質な部屋が目の前に現れたかのように。
「え?……どうなってんのこれ?」
{早よ乗れ銭形!置いてくで!}
『乗ってから説明する!
隊長ハッチ閉鎖!上昇開始!』
「アイサー、上昇開始!」
『完全迷彩解除!』
「迷彩解除します!」
クレムリオスの地上数十メートルをゆっくりと飛ぶ円盤機。
「そろそろ空軍が出張って来ますよ?」
「お客人、この人それ待ってるんですよ。」
{何が出るかな?何が出るかな?}
だが期待は大きく裏切られた。
「複葉機多数接近中!」
「ああっ!……最新戦闘機が……」
『あれが戦闘機?』
「最新のアンドロポフAn-4です!」
「艦長!」
『……はいはい、閃光レーザーでな。
さぁ踊れ!』
ガガガガガ!敵の銃撃!
「19.8ミリ機銃です、当たったらかなりのダメージに……」
「なりませんよ?超音速どころか光速で飛来する岩隗受けても平気なんですこれは。」
「でも雷でバリア壊れてたし……」
「艦長、手抜きしました?」
『JUNが遊んでました。』
「JUNちゃん!あんたまた……」
{ドギーはん、1機突っ込んで来るで?}
「シャトルループ!わざと当たったでしょう?」
{バレたか。}
「え?……完全に遊んでたんですかあれ?」
{今もドギーはん遊んでるやん。}
『隊長、気済んだ?』
「やっぱり艦長とでないと面白くないですな。」
{それでメイリアはんに怒られてたん忘れた?}
『鬼が居ない間の男なんてこんなもんだ。』
「あんた方は遊び半分で連邦政府の癌を潰したんですか?」
『元々共和国の科学者が死んだ恋人蘇らせようとして作ったコンピューターだったんだよ。
帝国に奪われて複製された3台の内の1台、真に狂ったコンピューターだったんだ。
……連邦政府の癌って?』
「あれは20年ほど前に帝国のトライサブ男爵家から寄贈されました。
最初はまともだったんですがある日貴族院の政治家達が狂いまして……連邦を纏めるにはこの電子頭脳に頼るしかないと貴族院全員一致で当時のラシアン皇国を中心に連邦を樹立、民衆を苦しめる連邦政府が誕生し周りの国を飲み込んで行きました。」
『そういう事でしたか……』
{厭戦気分が世間覆ってた時に貴族院が退位勧告したん違うん?
そうなら地球のソビエト樹立と一緒やで?}
「いや……正にその通りです。
これにより我々はズヴェルト連邦を名乗る事になりました。」
『全部コピーかあの蛇は!』
{金髪の皇帝とか赤毛の参謀は?}
出るかいそんなもん。
{夜自室に帰った金髪の皇帝をベッドの中で待つ赤毛の参謀……}
自分が30年前に描いてた同人誌だろそれ。
しかも18禁のやおいと呼ばれる……
{あれストーリー構成あんたやったな。}
完全無視してエロ本にしてたよな?




