学生救出
“「何故マトン先生がそんな所に居る!」”
「大きな声では言えないがラメンティションの集団農場から逃がしてもらったのだよ。」
“「ご家族の……」”
「シープもゴートも無事だ。
ってバッファ君か?ベル君はどうしたんだね?」
“「……妹は陸軍に……」”
「こっちの艦で聞く。
プラムボーイ様、お願いします。」
『はいは~い。
UFO発進する!』
「今から円盤型小型機が君たちを迎えに行く。
メタルゴーレムが乗ってるが攻撃するんじゃない。
我々を救ってくれるのだから。」
『お~い、どこだ~?
マトン議員から言われて来たぞ~!』
「そのまま階段を上がって下さい!ミサイル攻撃でひとり機材棚の下敷きに……」
{おっさんこっちや!
生体反応低下中、急げ!}
『JUN太先に行ってエキノコックスワーム打ち込め!
あちこち崩れて時間がかかる!
今からネズミっぽいミニゴーレムが先行する!
そいつが応急処置するから待ってろ!』
{お~い!
まだ生きとるかぁ~?}
「こっちだ!
って……伝説の魔獣ブラウン・ジェンキン?
リックに近付ける訳には行かない!」
{わしは宇宙空母アヴェンジャーの小間使いやってる小合克己の外部探査ユニットじゃ。
なんならマトンはんにでもフィレはんにでも聞いてくれ……さっきの通信機コレやな?
ヘンは~ん、マトンはんそこに居る~?}
“「JUNちゃん?
どうしたんですか?」”
{ひとり倒れてきた機材に挟まって死にかけとる!
おっさん瓦礫撤去しながらやからすぐ来られへんねん!
わしが無害やと証明して!}
“「その子は私達をH3Lコルホーズから逃がしてくれたミニゴーレムだ。
プラムボーイ様の相棒の一人なんで早く怪我人診せるんだ。」”
{んで怪我人は?}
「あんたの足の下に……」
{金色のロボット来たら怪我人この下に居るつってな?
お~いまだ生きとるかぁ~?}
JUNが機材の中に潜って行った直後、扉が破壊される。
『救援だ!
怪我人は何処に居る?』
「その機材棚の下に!
今ネズミちゃんが潜って行った!」
『JUN太!様子は?』
{ワーム入れたが反応悪い!}
『地面に居ろ!棚起こす!』
「いやこの棚3トンも……」
ミシミシ言いながら起き上がって行く棚。
『JUN太!足の先で棚切れないか?』
{崩れたら脚千切れる!
引っ張り出してくれ!
亀と忍者居ったら楽なんやけどな……}
『あいつらは帝国奥様連合に貸し出しとるからなぁ……』
「あ!
このゴーレム帝国の洞窟ロボットコンテストでミノタウロスにバックドロップ決めた怪力ゴーレムだ!」
{ええから早よ引っ張り出せ。
このおっさんが居ったら死ねへんから。}
「出た!
しかし死にかけてる……」
『躰よ然るべき形状に戻れ!高位治癒!』
{血が足りてへん!
早よ戻らんと!}
『UFOにエリクサーが有る。
みんな付いてこい!
瓦礫はある程度動かしてある。』
{おっさん……お姫様抱っこしとるがその人男やで?}
『そんなもん気にしとる場合か!
JUN先行、UFOのシート倒してベッドにしといてくれ。』
{何する気じゃ?}
『治療以外の何するんじゃ!
言いたい事言わんと動かんのかお前は……』
{満足したから行ってくる。}
「あれどういう理屈で動いてるんですか?」
『共和国の悪魔が作ったから細かくはそっちで聞いて欲しい。
ところでみんなは学生さん?』
「カズアフ国立大学ライコヌールキャンパス政治学部3回生のオクス・バッファです。」
「同ゴーレム工学部2回生ダンキ・ホースです……失礼ですがドボコン勝者のオーゴさんですよね?」
『はい、オゴウカツミです。
母艦にはドボコン2位のヒュードロボも居ますよ。』
「同じくゴーレム工学部2回生パイン・ヘッジホッグっす。」
「同教育学部1回生モルム・マイスです。
ボノ先輩はあたしを庇って……」
『察するにこの子がロケットの専門家かな?』
「はい、ロケット工学部3回生ボノ・マーモス。
燃焼式ロケットで僕らをここまで運んでくれました。
虫が残っていると思ったのですが……」
『あんなの使う気だったのか……アレの元パイロット20人ほど居るから艦に着いたら聞いてみなよ。
っとこれだ。』
{お帰り。
緊急医療キット用意できてるで。
血液型判らんから代用血液やけど。}
『上出来、輸血頼む。
代用血液にエリクサー30cc配合してくれ。
さてオクスくん、君らの乗ってきた宇宙船持って行こう。』
「そこの三角ポッドです。」
『ああ切り離し式か。
トラクタービーム照射、離床し帰艦する!』
{マトンはんお待たせ!
宇宙青年団救助したで。}
“「なんですかなそれは?」”
「マトン先生、僕たちです。」
「オゴウさんは今操縦中でこちらはボノが倒れた機材棚で重症、オゴウさんの魔法で命は助かってます。」
「こちらはボノ先輩、バッファ先輩、ダンキ、僕、モルムくんの5名です。」
“「社会現象研究会のみんなでしたか。」”
『ヒュードとドロンボー呼んでください。
バッファくんの妹さん救出作戦を立てます。』
{運転中に通信に割り込むな!}
『攻撃来ないからいいやん?』
{おっさん、惑星表面からミサイル攻撃来とる。
いや……あれ虫の巣に向かっとるな。}
『こっちに来たところで対地攻撃用レーザーで無力化できる。
心配するな。』
{一発逸れたんが来とるで?}
『パルスレーザーで迎撃!』
{爆破、おっさんあのミサイル弱い!}
『あれお前のジャンプ弾でも落とせるぞ?』
{そこまで弱ないやろ?}
「信管に衝撃与えたら自爆しますよ?」
{マジでっか?}
『地球より大分文明レベルが低い。
遅発信管や近接信管は無いと思って間違いないだろう。
近接信管はコンピューターシステムが必要だし遅発信管は虫使ってる分には無意味だろう?
ただし一般的な連邦の話で帝国や共和国、ここは別だ。』
そうこう話してる小合とJUNの目の前にアヴェンジャーのビーコンが浮かび上がった。
今日は2時間前でした。
{まえはひと月ふた月先に書いてたのに……}
そりゃ案が無くなって来てるからな。
{映画観てこい。}
了解、すみっコぐらし!
{そうでなくて……}




