瓢箪から駒
{リョクはんは先生になりたかったんか?}
(免許は取れたんだけど働き先が無くてね。
まさか小学生の数があたし達の頃の半分以下になってるとは思わないわよ。)
{なんだそりゃ?}
(あたし達の頃は1学年10~12クラスだったのよ。
人数も40名以上、つまり1学年400名からの子供達が居た訳よ。
それがあたし達が就職する時は35人教室が5~6……今じゃもっと減ってるんでしょうね。)
{おっさんの時は40人4クラスだったと思うが?}
(先輩は恐怖の丙午生まれだもの。
あの年だけは生徒数が激減したのよ。
そんな時と同じ様な人数でしかもでもしか先生って言って教師にでもなろうか、教師にしかなれないってしらけたのが多かったわよ。)
{ゆーひが丘のそーり大臣みたいなのは?}
(いないいないそんなの。
そんなのが居たらあたしも教師やってたわよ。)
{島田陽子の役か?}
(それ「われら青春」でしょ?)
{タンチョウヅル。}
(思いっきり「われら青春」だっての!)
{うる星やつらのラム役の平野文が女生徒やった?}
(それは「飛び出せ青春」!
村野武範が先生だった方よ。)
{あれ穂積ぺぺなんで両方出てたん?}
(留年して3年生3回目って設定らしいわ。)
{高校2回も留年できたっけ?}
(ドラマだからじゃない?)
{後にレッドバロンのSSIでミサイルポッド付のバイクに乗ってた。}
(あんた妙に詳しいわね。
当時あたしでさえほとんど覚えてないのに。)
{おっさんの記憶をリンクさせてるから。
おっさんの記憶にある、またはちらっと見た覚えがあるものはクリーンアップして追体験できる。}
(結構便利な機能ねぇ……)
{なんでリョクはんの高校時代のパンチラもクリアな映像でこの通り……}
(それは別にわざわざ思い出さなくてもいい。
と言うかわざわざ再生するな!)
{高校生が推定シロクマのバックプリントパンツ穿くな。}
(それは白いワンコです!)
{え?犬が熊になってるとはリョクはん驚異の尻。}
(そのうち破壊しよう。)
{いつでも来なさい。}
(能動的に生物攻撃できないはずよねぇ?)
{わしアシモフサーキット付いてないから人を欺す事も魔物を殺す事もできる。
そのためにわしは未来永劫良心と悪の心の戦いに苦しめられるだろう……}
(JUN……あんたそれキカイダーの最終回でしょう?)
{ふっふっふ、なるほど必要以上の濃さじゃな。}
(ふふふ……そのままあんたに返すわよJUN。)
「なんかものすごく仲がいい様に見えますが……」
『フィレさん……我々の頭痛のネタが2つになりました……』
{んじゃ新キャラクターのリョク先生作るか。}
(美人のドラゴンでよろしく。)
{ドラゴンは強いから裸で。}
(待てコラ!)
{オリジナルに忖度した素晴らしいデザインなのに。}
(その辺は無視していいから。)
{ガメラパターンで子供達の味方って形も良いかも。}
(そういうのを求めているのよ!)
{5人の子供達に3つづつリンゴと5こづつイチゴを食べさせたいとマスター・ヒュードが考えた。}
(リンゴ15個とイチゴ25粒ね)
{ただし女神アマテラスが2人前づつ供物に出して欲しいそうだ。
全部で何人前、リンゴ何個とイチゴ幾つ持って帰ればいいですか。
みたいな問題をね。}
(子供達が5足すアマテラスが2で7人前。
リンゴが三七21個でイチゴが五七35個か。)
{そう言う感じで掛け算に慣らしたいんやけど。}
(早急に九九シートが必要ね。)
{任せた!}
(あんたも作るのよ!)
{ガリ版摺りにするかフルカラーコピーにするか……}
(最初はシート見ながらなんでフルカラーコピーの方がいいでしょう。
んじゃさっさと作るわよ。)
『最初にプレーンなの作っておいて男児用と女児用はそれにイラスト描けば良いんじゃ無いか?
後1つの段覚えたら段の前にシール貼って行くとか。』
(その案貰った!)
『ただ大人達にも教えて欲しいのとまだまだ生徒は増えると思うんで頑張ってくれ。』
{おっさん校長先生かよ?}
『え?校長はフィレさんで教頭はマトンさんだぞ?』
{ああおっさんは狂頭先生か。}
『理事長と言え理事長と。
フィレさん、こんな感じでどうでしょう?』
「マトン!お前プラムボーイ学校の教頭だからな?」
「え?
待てなんで民主主義の話してる間にそうなった?」
<いや、これはチャンスかも知れませんよ?
子供の頃から民主主義を教え込むと同時に親にもそれをカチ込めば社会主義の問題点や封建制の危うさを理解できるはずです。>
『すっげー大規模になるぞ?
大丈夫か?』
<方法の一つはJUNちゃんが示しただろう?>
{わし何かやりましたかな?}
<カリキュラムマシーンだよ!
あれを放送電波に載せて連邦中にバラ撒けば小中学校の代わりになる。
そこからの高等教育は例えば試験受けさせて首都なりで学ばせればいい!
どうでしょうラムさん?>
「まず連邦政府潰したら教育省の設立ですのう。」
{な~な~おっさん、なんで学校教育にカリキュラムマシーン関係あるん?}
『カリキュラムマシーンを中心として学校制度を構築するらしいんだ。
面白い事を考えるよな。』
{無謀って言わんか?}
<もちろん学校ができるまでだよ。
更に特例としてどうしても学校に通えない子供達は引き続きカリキュラムマシーンでの勉強でも中学卒業と見做すってのもいいな。>
{遊び半分で始めただけやのに……}
「それが良いんじゃよ。
この作戦のメインブレイン達も参加しておるじゃろう?
飾らないあれらのキャラクター達が一種のプロパガンダとしても作用するはずなんじゃ。」
{プロパガンダ……アカを倒せとか描いた覚えあれへんけど?}
『描くなよお前は!
そうでなくてこんなの放送してる時点で帝国も共和国もあなた達と変わらないって宣伝になると言ってるんだよ。』
{そこまで考えて作って無いぞ?}
(先輩、この子どう言ったら理解するのよ?)
{理解はしとるがなんで褒められてるかわからない。}
{あれ瓢箪から独楽や無かったのね。}
ん?織田信長の故事にあるだろう?
殿様が集まって集会やった時に何かの競い合いになって他の殿様が刀やら甲冑やら出したとき信長は瓢箪出した。
で、信長の部下が勝った時殿に恥をかかせられないと瓢箪を所望したんだ。
すると信長はその瓢箪を叩き割って
「見ろ、瓢箪から駒が出たぞ」と馬を与えたそうな。
{ああ、そんじゃ駒で有ってるのね。}




