作戦失敗?……ギリギリ成功
{あれに接続したらいいんやな。}
う~む……この環境だとネズミにコンセント齧られる可能性も有るな……そのまま基板引き出してソケット部分に半田付けしよう。
JUN太、後ろの板外すぞ。
{めっち面倒くさい。}
俺がやるから見とれ!
……これやらんでもそのうち埃で火ィ噴くぞ。
まぁ設置はしとくか。
{おっさん、火ィ噴きそうな場所にプラスチック爆弾付けとこう。}
なんだかんだ持って来とるのう。
……よし、ミニコン設置完了。プラ爆も……OK。
さてずらかるぞ。
{でっかいネズミが入口に居る。}
レイガンで脚潰せるか?
{ヘッドショットせんの?}
調べられた時脚ならなんかで火傷したで済む。
{了解!撃つ。}
パシューン!
むいー!むいー!むいー!
{おっさん警報鳴ったぞ!}
入口脇に走れ!人が入ってきた時こっそり出よう!
警備員が入ってきた。
しめた!ドン・カッツが居る!
ドンのスラックスの内側に飛び込むJUN。
暴れて走り回るネズミを蹴り殺す警備員。
「ここは何の部屋ですか?」
「はっ!農業計画が本部より送られて参ります。」
「まずネズミの駆除が急務ですね。
大変だと思いますが頑張って下さい。」
{ドンはんただいま。
こちらの計画は終了、最後だけ失敗した。}
ドンは1度だけ咳払いをして……
「では政治犯マトン・ラムとその家族のお引き渡しを。」
「先ほどフィレ大将に申した通り私の一存では……」
「そうですか、では私もお暇致します。
秘密作戦行動中の宇宙軍に協力を拒むコルホーズがどうなるか見物ですな。
では。」
「お待ちください!秘密作戦行動とは何です?」
「あちこちの惑星に居る反逆者をあぶり出しこれを殲滅する。
我が連邦を盤石な物として確立する為の秘密作戦でしたが所長が信じないのなら仕方有りません。
精々パルチザンと思われません様に。」
「は?」
「あなたはもう連邦政府の要請を袖にした反逆者ですと言ったんですよ。
私の忠誠まで疑われますんで失礼しますね。」
「お待ちくださいドン・カッツ中尉、今連れて参ります。」
{こちらJUN。
ノワールはん何してまっか?}
「こちらノワール、作戦失敗。
直ちに撤退を乞う。」
{詳しくは帰ってからやけどドンはんが成功させた。
フィレはん置いてドンはん見に来た体でお迎え頼む。}
あ……奥さんと子供が入ってきた。
「私たちをまだ苦しめるんですか?」
「んっふっふ、奥さん、あなた達ご家族は揃って神の世界に招待されるのですよ。」
連れて来られたマトン・ラムが叫ぶ。
「ドン!貴様何を口走っているんだ!」
「おやおや。
これからは家族がバラバラになることは無いと言うのに……」
「ドン中尉!何をしている!」
「ノワール少佐……天使が囁いたんですよ。尻尾の太いのが。」
「はぁ……君は時間消費にもっと気をつけた方が良い。」
「兄が喧嘩して1分で出て行くなんて計算できません。
プラムの精もお困りですよ。
ではマトン・ラム一家は連れて行きます。
そうそう、コンピューターで報告しておいてもらったら日誌は特記事項無しでいいそうですよ?では。」
ノワールが面白い位要らんこと言うなバカって顔してるなぁ。
「ここまででいい、我らのホースフライは凶暴なのでな。」
「お疲れ様です!」
「ああ、ご苦労。
ではマトン・ラム、後ろに乗れ。
暴れるんじゃないぞ?」
「奥方とお子さんはこっちへ。」
「私達も虫の餌ですか……」
「この虫は人を食いません。早く乗って!」
マトン一家を乗せて飛び上がるMI1号2号。
「さぁ、もう大丈夫でしょう。
ノワール少佐~、マトン先生どうですか~?」
“え?なんだこれは?食人虫ではない?”
{これはメカニックインセクト、機械虫ですわ。
共和国の悪魔って呼ばれてる酔っ払いの作品でおます。}
「あら?こちらの妖精さんは?」
{外部調査ユニットのJUNでおます。
ドンはんが言いましたやろ?ご家族揃って神の世界に招待される、もう家族がバラバラになることは無いって。
聞いてまへんでした?}
「家族揃って一緒に処刑してやるって意味かと……」
{あ!フィレはんハッチ開けて~!
マトンはんご一家ご到着やで~!}
「マトン・ラム~!」
「フィレ・カッツ~!この野郎元気だったかよ?」
「いやそれより3年前に助けに行けなくてすまなかった。
拷問されたりしなかったか?」
「いやそれより何だよこの船?」
「偽装甲虫母艦だ。まぁ元々の鳥型輸送船に張りぼて付けただけなんだがな。」
「着いたわよ~!パイロット以外はギャングチューブでアヴェンジャーに移乗してね~!
オゴウちゃんこの偽装どうするの?」
『畳んで置いてても仕方ないからパージ後破壊する?』
{さぁ皆さん自分の家のつもりで乗っとくれやす。}
「これは……帝国の軍艦か?」
『いいえ、新生連邦宇宙軍の主力予定艦ですよ。』
「……あなたは?」
『共和国准将、小合克己と申します。』
「私は政治学者をやっておりましたマトン・ラムと申します。
これが妻のシープと息子のゴートです。」
『すいません、今料理人がクルーの家族を迎えに行っておりますので歓迎の小規模パーティーまでしばらくお待ちください。
JUN太!俺の脳味噌返せ。』
{ホホホ捕まえてご覧なさい!
あれ?引力が横に働いてる?}
『尻尾掴んどるだけじゃ!』
そしてアンドロメダマ号から連絡が入る。
「パージ完了したわよ。」
『ではコルホーズに察知できる場所で破壊。
アンドロメダマ号が追いかけて撃ち落とした様にお願いします。』
「はいは~い、惑星に逃げようとしたメカブトンを破壊する感じで行くわね。」
結果、引力圏に甲虫母艦を引き摺り落として破壊した様に見えたのだった。
「んじゃ帰還するわね~!」
『お疲れ様~!後はバニィの家族待ちっと』
「こちらドギー、ビーコンお願いします。」
『よし!みんな帰ってきた!』
{ドンがいきなり似合わんこと言うとったが?}
あれ小合の指示でJUN太が言う様に言わせてただけ。
ドンの友人でも居ればすぐバレてた。
{結構な綱渡りしとんのな。}
実際アヴェンジャー潰すプロットもあるぞ?
{仕舞っとけそれは!}




