JUN太の戦闘機
『航宙図を。』
床のモニターに宇宙地図が表示される。
『博士?なんでこんな所にモニター埋め込んだ?』
ケ「理由はいろいろ在るが一番の理由は……」
『その理由は?』
ケ「カッコいいからd……」
すぱぁん!ノリコの張り扇がケベの頭を捉える。
《たまには真面目に開発しなさい》
『まぁ……取り敢えずこちらからこう飛んで行きました。』
フ「フム……プラムボーイ様、ホームランかも知れませんぞ?そちらには繁殖施設しか在りませんのじゃ。」
『うわ……丸焼きにしたい名称……』
J{食うんか?}
『食うか!……また脱走して来とるし……』
J{佳寿子やアシッドの行動パターンなぞ解析済みじゃ。}
佳{生憎おのれの行動パターンも解析済みじゃ。}
J{おかしい……ダミーを置いてきたのに。}
佳{綿埃をダミーに使うな!}
J{でもわし見た目綿埃やで?}
『それは着ぐるみの所為だ!』
J{しかし着ぐるみ脱ぐと七つ道具持って歩けんし。}
佳{そうかそうか。}
J{しまった!お父っつぁんHELP ME PLEASE!}
『しばらくそっちで遊んどれ。』
J{うん、そうする。}
再びJUNが佳寿子に拉致されて……
『話の腰折ってすいません。』
フ「え……と、どこまで進みましたかな?」
『ゴキが巣に向かってるらしいと。』
フ「おお、そうです。現在繁殖施設は1ヶ所のみ、他ではあの邪虫共が育ちませんでしたでのう。なんでそのうち攻撃したい拠点の一つじゃった。」
『取り敢えず首都開放を優先して下さい。虫の巣は新生連邦宇宙軍で行けるハズです。博士、ミリタリークレスタ改造状況は?』
ケ「まだ来てないのに無理言うな。便が遅れてるんだ。」
『最悪レスキューチェイサーに火炎放射機で行けるかな?』
ケ「装甲のスーパーキチンが強いからね。拡散レーザーで焼き切った方が早いかも知れない。バルカンユニットの代わりに搭載できるのは作って有る。」
『キチン質を分解するなら唾液に含まれるキチナーゼ使えないの?』
ケ「えっ?」
『キチン質分解酵素を唾液から抽出して培養ってできない物なの?』
ケ「ふっふっふ……1週間くれ!作ってみせる!」
《あれをやる気にさせるとは……》
『いやいやああいう天才肌は思考が閉塞すると腐るからたまに変化球放ってやるといいんだよ。』
J{困った筆頭科学者じゃな。}
『また脱走してきたんか?』
{佳寿子とアシッドとマイ縛って転がして来た。}
『ああ博士が行ったから救出されるだろう。』
{助けに行かないとは悪魔か?}
《JUN、あんたは他人の事言えないわよ?》
{ノリコ、博士の縛り方はこの前教えたやろ?縄で亀の甲羅を作るんや。}
『おのれは緊張感削ぎに来とるんか?』
{わしの戦闘機作ってくれ。ベースラジコンでいいから。}
『それこそ博士に言え。』
{博士やと無駄にワープ機関とか付けん?}
『その前に何したいんじゃ?』
{増山に見せびらかす。}
『却下じゃアホタレ!』
{あとはキスカに紛れて幼虫撃破してくるとか?}
『1機じゃどうにもならん。』
{そこで量産型JUN太ちゃんが……}
『お前のAI複製も無理じゃ。小型リモートコントロール機に依る攻撃は考えんでもないが戦果が計算できん。』
{昔ドイツのゴリアテ戦車が……}
『ありゃ自走する地雷みたいなもんで失敗兵器だぞ?』
{何か考えて来る。}
フ「結構勇猛果敢ですなぁ。」
『調査ユニットだから大人しくしてて欲しいんですがね……』
フ「首都奪取作戦、どうします?」
『こうなると早い方が良さそうですね……アヴェンジャーはどうなってますか?』
「艤装交換にあと2日です!」
『全面交換は不要です。古い艤装部分をいくつか壊しておきましょう。逃げた時に我々に攻撃を受けた体で偽装お願いします。作戦開始は3日後です!』
ここに共和国と帝国による連邦開放作戦が発動する。過去に前例のない特殊儀礼艦1隻、退役中古艦1隻による連邦潰しの幕は切って落とされた。
J{と言う割には暇じゃのう。}
『お前はな。技師なんかアヴェンジャーにキスカボール付けるのに大忙しじゃ。』
J{アヴェンジャーに艦載機は?}
『レスキューチェイサー5機で宇宙軍クルーの家族なんとかしてもらうしかない。アンドロメダマは要人保護に回ってもらうからな。』
ケ「スーパーキチン破壊酵素完成したぞ。」
『え?もう?』
ケ「アヴェンジャー発進までに間に合った!」
『いやそれその後の宇宙軍基地蹂躙作戦で要るんであって今回は……』
ケ「まぁ取り敢えず積んでおこう。」
J{そんな大天才にお願いが有るんですが……}
ケ「何?モノによるけど相談には乗るぞ。」
J{わしが操縦できる宇宙戦闘機とか作って欲しいなと……}
ケ「今更何を言っとる。レスキューチェイサーに装備されてるだろう?」
『え?何時から?』
ケ「スレイ少佐とやりあった時JUNがコスモスクーターで手伝ってたじゃない?あれ見てああ要るなと……」
J{何で言わんかったん?}
ケ「言ったと思って忘れてた。ちょっと行こうか?」
高速流星から飛び出す毎度お馴染みUFO……
ケ「そこの壁開くから入って?」
J{滑り台になってる……あ、席が。}
ケ「操縦方法判るね?じゃ発進。」
Pow……宇宙空間に飛び出すスカイ1……
『なんでUFOからスカイ1が出る?敵機やないか!』
ケ「私達が黙ってればわからない。」
『あ……確信犯だこれ。』
ケ「パルスレーザー2門とバルカンミサイルも付いてるぞ。ミサイルはペンシルだけど追跡付きだ。帰ってくる時はコンソールの緑ボタンで自動合体する。」
J{博士ありがとー!これでおっさんのミスフォローできる。}
ケ「大気圏突入は無理だけど大気圏下でも飛べるから有効利用してくれ。滑走路は5m有れば大丈夫だよ。」
『無茶すんなよお前は……』
{一応時間内か……}
間に合ったら文句言うな
{聖女終わったのになんで追われてるんじゃ?}




