増山との邂逅
今回は拙書「おいらが聖女」と同じ話で主人公の見方による変化しか無いため一見同一に見えます。
悪しからずご了承くださいませ。
「なんだこの結界は?」
ク[結界じゃなくてぼくの体だよ?]
「ふむ……貴様はスライムか?なら焼かれないうちに退いていろ。」
ク[焼けるならどうぞ?反撃するけど。]
「せっかくそこまで育ったのに……邪神の波動!」
ク[残念賞!んじゃこっちの番ね?聖域解放!]
「……なかなかやるではないか。」
ク[やっぱりごすじんみたいには無理だなぁ。んじゃ六芒星魔封陣]
「当たらなければ痛くもないわ!」
ク[思った通りに移動してくれてありがとう。]
「何?それはどういう……」
『退けどけドケ避け~!』
どごっ!超音速でサムライソードに突っ込まれた魔族は衝撃をモロに受け落下していく。
ク[あいつ普通に物理で殴れば良かったのか……]
『違う違う、魔法を防御してるところに物理のインパクト与えたからだよ。火が来ると思って構えてたら水で押し流された様なもんだ。』
ア“スサノオ~、あの魂妾にくりゃれ?”
『いいけど食うの?』
ア“食うか!おでんに渡して転生査問にかけるんじゃ。あんな腐り切った魂が欲しい世界も有るでのう。どっちにしてもこの世界の輪廻には戻せんからのう。”
ク[アマテラス様、あいつまだ生きてるよ?]
ア“愚弟渾身の轢き逃げアタックを受けてかえ?”
『勝手に必殺技っぽくすんな。んじゃクリムの収納にでも入れておいてもらえないかな?ん?』
懐かしい気配が地表から感じられた、増山だ!
小『ごめん、うちの連れに攻撃してたから退けつったら単車の前に飛び出して来たんだが……あんたらの連れか?』
増『いや、敵だ。それよりそこのドームの辺りに馬車無かったかな?』
小『ああ悪い、クリム、防御解除!』
増『変わらねえなぁ小合克己。』
小『お前もな、増山修一。』
オート着陸モードのサムライソードから飛び降りる小合、小合に向かい駆け出す増山。
『『アチョオオオオォォ!』』
増山の蹴りを小合の脛が、小合の突きを増山の肘がそれぞれガードしている。それはすぐに抱擁に変わり……
小『本当に増さんだな!会いたかったぞぉ!』
増『おいらもだ克っしゃん!見た目は変わっちまったがな。』
小『そりゃお互い様だぜ。今日はオバハン連れに来たんで仲間連れて来てねぇんだわ。あとその身長なら今作ってるお猿の外装だけCBXに改造した方がいいか?』
増『そりゃ任せるよ。そろそろ単車の禁断症状が出だしてな……克っしゃんもだろ?わざわざカタナに似せてよ。』
克『いやこれケベ博士が作ったんだ。帝国にも共和国にもバイクはおろか自転車も無いんだぜ?』
増『っか~!地獄だなぁここ……あ!克っしゃんちょっと来てくれ。』
克『おいよ!クリム、そいつ拘束して来てくれ。JUN、おいで。』
増『みんな!もう安全だぞ!出といでよ!』
グ「おおっ!メタルゴーレム?」
克『俺は太陽の使者屑鉄28号と言う者です。』
ア“スサノオ!その適当な自己紹介はやめい!ネタ判ってるのタヂカラオとJUNだけじゃ!”
{ビルの街にガオー?}
増『いや、悪魔が街を狙ってるの方だろ?』
ア“必要以上に理解してたのう。”
克『正解は、光るあの目が呼びかける。』
増『おいらもお前も生まれてもせんわ!』
グ「なんか意味解らんが濃い話してねぇ?」
克『褐色巨乳のお姐ちゃん正解です。』
ミ「あの……祈りたいんですけど。」
増『佳寿ちゃんはコンパクトになったな?』
{わしは佳寿ではなくユニットのJUNと言います。なんでも元はバトルゴッデスとか……}
増『ああ言われりゃそうだな。忍者型の……』
克『そいつ携帯なんだよ。電気有るならタコ作るぞ?』
増『マリアセレストか?頼むわ!っとここだ。克しゃん、首輪と腕輪の封印外せるか?』
克『魔法回路に食い込んでるなぁ……作った奴かなり魔族の魔法に詳しい奴だな。』
増『多分さっき克っしゃんが落とした奴だが……蘇らせるか?』
克『いい、いい。ってあいつ死んでねーぞ?なんか神の審判受けるらしいけど……っと、仮想バイパス付けて……と、お姐ちゃん、光でも闇でも水精製でも何でもいいから魔法使ってみて?』
テ「では……光あれ!」
克『よし!軽い魔法で拘束具に過剰魔力を導き自壊させるのは成功した!』
{器用な遊び方しとるなおっさん。}
増『え?克っしゃん遊んでたのか?』
克『まぁ先に実験できなかったけど傷付けずに魔道具潰すのはこの方法が一番手軽なんだ。』
リ「帝国勇者様……この方法だと隸属の首輪も?」
克『うん、ディクリウスさんの洗脳解いたのもこれのアレンジだよ?何なら教えようか?』
オ「いや……彼女は強欲の一面も有りますので……」
克『オスカー司祭さんだっけ?あなたも覚えて下さいね?大抵拘束の魔道具は装着者の魔力を使っています。この起動魔力は驚くほど少ない、ここに術者の魔力を込めてショートさせるんです。もちろんその魔力回路をオーバーカレント状態にすることで刃物が飛び出したり装着者の魔力回路を焼くなんてトラップも在るんでまずは鑑定してからにしてくださいね。で、貴族様祈るってのは?』
ミ「実は斯々然々で……」
克『OK、祈りが終わったらその婚約者さんの所に送りましょう。馬車は増さん持って行ってやってくれ。』
増『あ、おいらもカタナ乗りたい。』
克『送って行ってる間こっちの守りが手薄にならん?だいたい一遍帰って来るぞ?』
増『んじゃ待ってるか……』
“妾も待っとるでの。”
克『んでどっち方面なんだ?』
増『祈り終わったら本人に聞いてくれ。』
その時、ドラゴンダンジョンに灯りが点る
増『祈り終わったみたいだな。』
克『そんじゃちっと行ってくる。クリムとJUN置いてっていいか?』
ク[ごすじん、ぼくの子を貴族様に。それとマスヤマさんにも。]
克『ありがとうクリム。貴族様、あなたの婚約者の所までお送りします。場所を教えて下さい。それとこれはオリハルコンスライムの子供になります。空間収納と同族へのテレパシー通信ができますのでどうか可愛がって下さいね。増さんにもこれ。』
増『あ!ヌンチャクありがとうな。何回も助けられたぜ。』
克『いいってそんなもん、じゃ行きますか貴族様。』
間に合った……
{30分前か……まぁ仕方ない、さっきまでやまぐちブックストア書いてたしな。}
頭の中ショゴスが彷徨いて仕方なかったわ……
{自業自得じゃ!}




