民衆解放計画
「オペレーション人類解放ですか?」
『ええ、まずカッツさんの名簿の人々から解放して行きましょう。』
「地上に降りる際にあの宇宙艇では目立ち過ぎませんか?」
『え~と……カッツさんやノワールさんの戦闘機見ておられませんか?』
「ああ……何故か全くコントロール不能な虻が居ましたな……もっともあのミサイル撃たれた後は全てコントロール不能になりましたが……あれ?と言うことはドンとノワール少佐はいまだに脳を……」
『あれは機械です、脳を吸いません。』
「え?」
『カッツさん、ノワールさん、来てもらえますか?フィレさんにMI機の説明お願いします。』
「姫とドン、すまないが教えて欲しい。」
「実物見ながらの方が良いでしょう。准将、許可を。」
『どーぞ。じっくり見てもらってください。』
「って軍事機密の塊じゃないんですか?」
『博士、どうなのよ?』
「MI機は枯れた技術しか使ってないし乗ってもらっても構わないよ?だいたい連邦の皆さんに乗ってもらうための機体なんだから基本的な物だけで組んだんだよ。」
『との事なんでごゆっくり~。』
「あはははは、これは勝てんわ!プラムボーイ様にも共和国の悪魔にもな。」
「兄さん、どうした?」
「わたしは君たちがまだ脳を吸われているんじゃないかと言った。あわよくば推進装置を見るつもりでな。だがそれに対しての返答は『どーぞごゆっくり。』……いかに枯れた技術、古い推進装置であっても敵国宇宙軍幹部に言う言葉じゃない。つまり彼らはこの技術が盗まれてもどうとでもなる事を示したんだ。連邦に勝目は無い、それを思い知ったら馬鹿馬鹿しくなってな。」
「ではまだ帝国共和国連合を裏切るつもりですか?」
「姫、あのプラムボーイ様がわたし一人裏切って勝てる相手だと思うかね?この戦争、プラムボーイ側の勝ちだよ。相手が大物過ぎる。このドラゴンにデモンを退治してもらえたら……」
「兄さん……元々この艦は何のために来たのか知ってるのか?」
「いや……、連邦による領土侵犯と皇帝は言ってたが……」
「本当は我が義理の妹の保護です。」
「義理の妹?……まさか?」
「はい、ミラリオス・アルトラパン・メイプルリーファー。災厄の竜を体内に宿した忌み子……その保護です。」
「あんな者保護できるはずが無いぞ?」
「兄さん、プラムボーイならできますよ。オリハルコンの巨大スライムを見ましたか?その後この艦に巻き付いた緑星竜は?プラムボーイはそんなのを部下にしてるんだよ?」
「う~む……さすがにそこまで行くと信じられないと言うか……」
「フィレ・カッツ宇宙軍司令、あなたが欲しがった赤いメタルスライムを覚えていますか?あれは神鋼ベビースライム。私の目の前で神鉄スライムから進化しました。」
「何と言うか……本当にプラムボーイだったんだな。で、君たちは見張りもなく普通に艦内を歩いてるけど……」
「司令もでしょう?あの人は我々を捕虜と思って無いみたいですよ……っと、ここが格納庫です。MI機はこちらに。」
「何と言う精巧さだ……これが機械だと?」
「機械ですよ。このように……」
ガコッ! メンテナンスハッチを開けて中を見せるノワール。
「ふむ……命令機構が不調な様に意見を具申するか。」
「あの……准将、フィレ司令から意見が有るそうなんですが。」
『は~い、何でしょう?』
「触覚部分に機能部品は入ってますか?」
「その部分はそちらの虫に合わせたダミーです。」
「では博士、この触覚を焼かれた様に偽装していただけませんか?そうすれば命令機能が不全で母艦からの命令が通じてない様に見えます。」
『了解しました。他に気になる箇所は有りませんか?』
「いえ、ここだけです。」
「判りました、すぐパルスレーザーがかすった様に偽装します。」
「って博士もオゴウちゃんもそんなにホイホイ信じて大丈夫?」
『基本攻撃はキスカボール主体だし1発で何で見破られたかが疑問だったんだよね。ボヤッキーさんもそうでしょ?』
「顔面崩れ落ちてプラズマ火球吐く様にしようか?」
「あ!それアンドロメダマに欲しいでまんねん。」
「スカぁ!そんなことしたらガイコッツ剥き出しになるじゃないかぁ!」
『ガイコッツ自体は安全だけど装甲が減るのは怖いね……』
「ガイコッツが脱出カプセルである以上剥き出しはちょっと……ね」
「ならガイコッツの周りを装甲で囲めばどうでしょう?」
「あらカオーちゃんいいアイディアねぇ。」
『カオーくんが凄くのびのびとしてるなぁ。』
「このチームが居心地が良いからですよ。」
「皆さ~ん、サンドイッチ作って来ました~。」
『エマールちゃんも元気になって……おっさんは嬉しいよ。』
「おじさまと先輩方が居なかったらあたしはまだベッドの上ですから……」
「んま~!エマールちゃん健気でいい子ねぇ。」
「ボヤ……抱き付こうとするんじゃない!」
『それより……クーデター派をどう抱き込むかなんだよね……』
「あたしたちが先行しようかぁ?」
『それも考えたけど安全に脱出できるかどうか……』
「わいらは不死身でまんねん。」
「ならオレも付いて行こうか?」
『いやヒュードにはあまり危険な真似はしてほしく無いんだが……』
「オレが軍人じゃないからか?」
「やっと3兄弟揃ったからでまんねん。」
「でもオレそっちの彼と別人の気がしないんだよな。」
『いや……ヒュードはうちの馬鹿姉のスポークスマンとして……』
“誰が馬鹿姉じゃ愚弟が!”
『これ押さえてて欲しい。』
「しかし何でも独りでしようとするんじゃないよぉ?」
『あなた方は頼りになりすぎるからね……もうちょっと不確定要素が少なきゃ頼むんだけど。』
「そんなに不確定要素が有るのかいィ?」
『まずは誰が敵で誰が味方か判らないからね……』
「それこそ今更でまんねん。」
「あたしたち向けのステージじゃないかァ!」
間に合っ……
{遅刻じゃアホンダラ!}
ギリギリ0時丁度に書き上がって……
{今20分や!}
申し訳ございません……




