模擬宇宙戦
『うん……好きに飛べとは言ったけどね……』
別に模擬戦をしろとは言ってないんだが……しかもコピーUFOオリジナルより動き良いじゃない。
「30%ほど出力上げたからかなぁ?」
『やっぱりやってたか……』
「ゆくゆくは宇宙最速のレスキューチェイサーを……」
『暴走族みたいな事言い出した?』
“「艦長殿!一手ご指導お願いします!」”
ノワールさん血の気多いのね……
『よし!んじゃパルスレーザー当たったらケーキか酒を全員に付けよう。』
“「え?そんな危険な……」”
『総員模擬戦モード!これで大丈夫だよカッツさん。ってか普通にパルスレーザーで撃ち合いするあんた方が怖いわ!』
“「あ、そう言うの有るんですね。」”
『只今より小合克己は諸君の敵である!見事この首を取って見せよ!なんつってな。全員でかかっておいで。』
スピードに勝る虫型が2機対抗機動で突っ込んで来る……
UFOはシャトルループからのパルスレーザー射出、羽根に赤い被弾マークが付く。
『羽根が千切れたダメージが入ったら機能停止するから。まだ行けるだろう?』
次はコピーUFO5機編隊によるドッグファイトだ。ギリギリまで引き付けてパルスレーザー!2機のキャノピーが赤く染まる。
『コックピット撃ち抜かれるとアウトだからね?カッツさん素直に突っ込み過ぎ!』
カッツの虫型は羽根を真っ赤に染めて機能停止した。
ノワール機プラスコピーUFO3機が小合と対峙する……その時横から……
“「准将~!狡いですよ~!私も交ぜてください~!」”
『いやスレイ少佐入ったら俺達の勝ちほぼ確定ですよ?』
“「だからこっちに入ります。」”
『数の不利な方を虐めるな!』
“「みんな!敵は一機だ!まぐれ当たりでも当たれば勝てる!全機パルスレーザーで弾幕を張るんだ!」”
『一番嫌な戦い方するし……』
その時、スレイの視界の隅に機能停止したカッツ機が見えた。
“「いかん!准将はデブリを使う!カッツ機に近付けさせるな!楔型陣形を取りつつ接近せよ!」”
『いつも使うかそんな手を。』
小合はデブリと逆方向にショートジャンプ。楔の側面にパルスレーザーを浴びせる。コピーUFO2機とノワール機を撃破。
『さて、これで2対1、少佐覚悟できた?』
“「慌てなくていい。次は後背を突いて来るはずだ!」”
『いいえ?と言うか全部口に出してどうする?』
下方向からの狙撃でコピーUFOを機能停止させる。
『踊ろうぜ少佐!』
2機のUFOはまるでダンスするように軌道を絡めさせる。慣性力キャンセラーは遠の昔に仕事を放棄している……
“「ははっ!准将、首にGが掛かりますな。」”
『良くこんな状況で精密操縦できるねぇ……』
2条の稲妻は寄るとレーザーの応酬、離れると相手を撹乱しようと一見メチャクチャな軌道で飛んでいる。
バレルロールをキャンセルしシャトルループに繋げたり錐もみからの水平機動等、既にセオリーは消失している。
「ヤバいな……長引くと准将が有利だ。」
『ヤバいな……長引くと少佐の負担が大きくなる。』
“「准将!そろそろ終わりにしましょう。」”
『そうだな、早く帰ってスター・ウォーズでも観よう。』
2機は距離を取り合い……互いに相手に向かってフル加速する。
そして交差する刹那、スレイがレーザーを浴びせる……が小合はロールで回避、遠ざかるスレイの背後に
ロースピードヨーヨーで付き、パルスレーザーをコックピットに射出!コックピットキャノピーが赤く染まりスレイ機は機能を停止した。
“「あ~!やっぱり准将に勝てない~!」”
『撃墜数で勝った奴が何を言う。』
“「あれも私はデスブロッサム使って2機ですよ?准将は使わないで2機差でしょ?」”
『俺のはそんなの付いて無いからね。付いてたら使ってるさ。』
“「は?付いて……無い?」”
『うん。あれトップガンの機体にしか付けちゃいけないらしくてね。んじゃ機能復活させるよ?』
赤い被弾マークが小さくなって消え、デブリと化していた機体が復活する。
“「何で……准将その辺のトップガンより強いのに?」”
『俺は機械だからね……反射神経も命中精度も上げられると思う人が多いんだろう。』
“「え……そんなしょうもない理由で?帝国じゃ認められているのに?」”
『残念ながら共和国じゃ頭の柔らかい奴が少数派なんだろう。それだけの話だよ?』
“「いやそれだけの話ってそれ共和国のエゴじゃ……それに准将元々人間でしょうに……」”
『その「元人間」部分が大きいんだと思うよ?古来人間が怪物に変わる話は多いしね。』
“「怪物って……」”
『共和国じゃ見付かって無いけど俺はたぶん普通の人から見たらゾンビかスケルトンの類だと思うよ?』
“「そう言えばあれって実在するんですか?」”
『迷宮だと普通にうろうろしてるよ?連邦にも居ると思うけど……カッツさんどうなの?』
“「おりますよ?魔族の尖兵とか言われておりますね。」”
『あれは空気中のマナで死体が動いてるだけなんだけどな。』
などと暢気に帰ってきた一行はメイリアからの説教を受ける事になった……
「全く連邦の皆さんも艦長も何を考えているんですか!」
『習熟飛行訓練は模擬戦が最適なので……』
「副艦長!それは間違いないです。」
「少佐……諌めに行くと言って出ていったあなたが何故艦長と一騎打ちしてたんです?」
『不思議ですね。』
「ホイホイ挑戦に乗る艦長に発言権は有りません!」
「カツミくん、こうなるとメイリアは長いぞ……」
「叔父さん……一緒に座りますか?」
「メイリア、その辺でいいだろう?艦長には艦長の考えが有ってやってるんだろうし。」
「儀礼艦のクルーがやることではないと思いますが?」
「この艦は元々惑星破壊艦だよ?だからこそ戦闘班が幹部に位置している。ただ人員を割けなかった共和国宇宙軍の尻拭いを艦長がしてくれてるんだ。感謝こそすれ非難することじゃないと思うけどね。」
『元帥……』
ごめんなさい!書き上げて寝てしまってました。
{6時間半遅れるか?しかも今あとがき書いてるし……}




