対昆虫
“『本気で連邦切り崩す事になった。これは俺のエゴである。そんなものに付いて行けるかって人も居るだろう。幸いこの領地を皇帝直領にできた。戦わない人は降りてくれて構わない。すぐにでも第1艦隊が迎えに来るだろう。安全な場所で願わくば俺達の勝利を祈って欲しい。』”
『録音で自分の声聞くと死にたくなるな。』
「シャトルに乗り込む乗員……居ません！」
“垂直方向より連邦宇宙軍襲来！戦闘機隊発進せよ。”
『UFOで出ます！後はメイリアさん頼む！』
「あ……あなたのは改造救急車でしょうが！」
「彼はポテンシャル80%も出して無いよ？」
{お父ちゃん！そんなん克っちゃんに渡したんか？}
「スレイ・メルト少佐も加速は悪いが扱い易いと愛用してるよ？ほら2機出た。」
“「艦長、落とす数競いませんか？」”
“『オッケー、艦に到達したらペナルティーね？』”
このやり取りを聞いてメインブリッジは賭場になった。
前哨戦は一機ずつパルスレーザーで落として行く。二人共まだ本気ではない。
スレイ少佐が敢えて囲まれている、敵のビームを掻い潜りわざわざ中央に出る。
「デスブロッサム！行けぇ！」
UFOがメチャクチャな回転を初め……虫が爆発四散していく……
「やっぱり雑魚には聞くのね。」
『スレイ少佐、酔って無い？大丈夫？』
「あはは～艦長なんで2機居るんですか？」
『博士！少佐目ェ回してる！』
“「ちょっと限界越えた機動だったかな？」”
『わざと解っててやったな？』
“「ん～、UFO1号機には2号機コントロール機能が有るよ？次キャプチャービーム来たら2号機生け贄にしてごらん？」”
『こう？』
“「そこで2号機パルスレーザー発射！」”
キャプチャービームがレールになり虻型母艦は爆発する。
『あれ？あいつ固かったのに？』
“「内部からの攻撃だよ。キャプチャービームの時は口開けるからパルスレーザーで内臓焼いたんだ。名付けて(ホルモン焼きファイア)！」”
「人をミサイル代わりに使わないでください！」
『ってか好物の名前付けるな！あ～、撃墜数は少佐が5つ上か……』
「デスブロッサムまで使って5しか違わないとは……」
『ほい、3面目来たよ。』
「波状攻撃さえ慣れたらルーティーンワークですねぇ。」
とか言いつつ全てを各個撃破していく2機の円盤。だが最後に残ったのは甲虫型母艦であった。
『少佐ぁ～、あれどうしよう？』
「パルスレーザー弾きますからねぇ……いっそミサイルファランクスで……」
『効かないと思うよ？まぁ二人で波状攻撃してみようか？』
小合の1号機の後に少佐の2号機が1秒遅れでミサイルを解放……しかし目立った傷は入らない。
『少佐、あれ戦艦だと思う？』
「羽の裏から蝿出してたから母艦でしょ？」
『ならこっちも母艦使わなきゃ失礼かな？高速流星！艦首デュアルタキオンキャノンにエネルギー充填！』
“「急に言うな！」”
『大丈夫、足は殺してある。』
“「そうでなくてクルーは戦闘機戦見るのに最寄りのキャビンに集まってるんです！」”
『あ～、怪我しないように持ち場に戻ってもらって？』
“「緊張感の無い戦闘だな０号？」”
『戦闘機形態で突っ込もうかとも思ったがあいつスーパーキチン装甲だ。ゴキブリの外殻に突っ込みたくねーよ。』
“「カツミくん、海老の尻尾とか蟹の殻だと思えば……」”
『博士、佳寿子どんな顔してる？』
“「ゴキブリ踏んだ様な顔してる。」”
『だから嫌なんだよ！ノリちゃんにそんな顔で見られたらどうする？』
“「興奮する。」”
『チクショウあの科学者はもうダメだ！』
“「お待たせ、エネルギー充填100%！」”
『少佐！高速流星後方にジャンプ！メイリアさん！撃て！』
アオォーーーーン！
シーサーの雄叫びと共に発射されたデュアルタキオンキャノンは射線上のデブリや虫の死骸を蒸発させつつ甲虫に到達、その身体を溶かし尽くした上で蒸発させたのである。
『メイリアさん……これ危ないから封印しましょう。』
“「うちの叔父封印してクダサイ……」”
『あの人が死ぬ所想像できないんですけど？』
馬鹿な話をしつつ帰投すると撃墜数が貼られていた……
艦長63機 スレイ少佐65機
スレイ少佐勝利！
『で、敵パイロットは回収してくれた？』
「10名しか……」
『うんまぁ……甲虫型母艦はもろとも蒸発させたしねぇ……』
「いえ、人員は1艦隊そんなものですよ。そして脳を吸い尽くされた者は昆虫族の苗床にされます。甲虫母艦は吸い尽くされた者しか乗っておりません。」
『結果セーフか……ところで3艦隊位来てなかった？』
「1艦隊は虫が124匹と母艦3、甲虫母艦1です。それを3つに分けて攻撃します。」
『んじゃパイロット達戻すか……ノワールさんも手伝ってくれます？』
「もちろん！」
『って全員麻薬患者みたいだな……ノワールさん、区域治癒大頼めますか？』
「はい、傷付き……」
『待った待った！しゃがんでやってみてください。』
「あ！そうですね。傷付き捨てられた者達よ、今一度自由を守る為立ち上がらん。区域治癒大！」
「ん？」「あれ？」「俺どうなった？」……
『みんな、ある程度戻ったね？これからこの薬を飲んでいただきます。不味いけどそれで元気になるんで我慢して吐かないで飲んでくださいね。』
「え～と……あんた誰ですか？」
「我々を救いに来てくれたプラムボーイだ！」
「ノワール少佐……それはいくら何でも……」
「オゴウさん！マインちゃんが「とーたんがあぶない！」って……」
『シェーナさん、まだマインと遊んでたのか……マインもママと遊んできな？』
[ん、とーたんぶじれあんしんした。]
ざわっ……
「おい！あのスライム……」「ああ、しゃべった……」
「とーたん？アニャキしらない？」
『オサム、ケーキは食ったか？』
「うん！」
「今度はゴブリンだぜ？」「んじゃ少佐の言ってる事は本当か？」
『いや俺小合克己って言うんだが……』
「帝国英雄？トライサブの馬鹿息子監獄送りにした？」
『ありゃうちの緑星竜にちょっかいかけたのが悪い……へ？』
「プラムボーイ様、お助けください。」
ノワールはニコニコ笑って小合を見ていた。
{プラムボーイってもしかして……}
桃太郎だけど？
{そんなに有名なんか？}
連邦ではな。あと最初にノワールがプラムボーイ好きだつったのはディクリウスだぞ？当然帝国や共和国の人間は知らない。
