交戦
『では連邦に向かってください。』
{取り繕えたと思うなよ?}
「高速流星抜錨!X軸方面に発進!」
『え?メイリアさん、連邦って上に有るの?』
「何を基準にしてるか解りかねますが現在の本艦の水平面基準だと垂直方向ですね。」
艦首がじわじわと進行方向に向いて行き……30秒後に完全に艦首と進行方向が一致する。
{次は~トライサブ領~トライサブ領~!}
『車掌さん、停車時間は?』
{デクはんを妹さんに会わせるまでノンストップやで鉄郎。}
『バリバリ関西弁のメーテルは要らん。』
<どちらかと言うと漂流幹線000の平田静子先生だよね。>
『でもあのヒロインたちは胸が有るんだよね……』
パパン!
{誰が胸なしやねん!}
<冤罪だよ!言ったの小合さんなのに!>
『ちなみに平田先生っていつも酒飲んでる見た目メーテル。』
{あんなんか?}
佳寿子の指す方を見るとケベ博士が出来上がっていた……
『あのおっさんもいつの間に……』
「わたしにゴンザレスさんの改造計画話してから飲んでましたよ?」
『なら安心だ。ゴンザレスさん、あなたはきっと博士の最高傑作になるでしょう。』
「はぁ……博士を信頼してるんですね。」
『酒にだらしないけど宇宙一の頭脳ですよ。』
「0号、オレはどうだろう?」
『ヒュードは既に帝国一のダンジョンエクスプローラーじゃないか。』
「いや、亡霊への変形って……」
「博士の言うファントムは亡霊じゃ無いぞ?こんな飛行機だ。」
イメージを空間投影してやると……
「え?オレこんなカッコいい飛行機になるの?」
『ああ、ちょっとレトロっぽいがいい機体だろう?』
ムイー ムイー ムイー
艦長!メインブリッジにお越しください。
『早う行け艦長!』
「……お前だろ0号?」
『そうでした……』
メインブリッジに小合が到着すると艦隊が待ち構えていたようだ。
「こちらはトライサブ艦隊、そこの帝国艦に告げる。通行料を支払え。」
『こちら特務儀礼艦高速流星、皇帝にむかいなんと言う無礼か。早急に通路を開けなければ貴君らの血で彩られた航路を進む事になる。グラヴィティファランクスにエネルギー充填!』
「敵対行為とみなす!主砲発射!」
『グラヴィティファランクス発射!』
飛び出したグラヴィティファランクスの砲弾は敵主砲のエネルギーを吸収し、肥大化しながら艦隊に進み……一発で敵艦隊の3割を蒸発させた。
『良く生き残った。次はブラックホール破壊砲を撃つ。耐えられると思う者は残るがいい。ニュートリノビームにエネルギー充填!』
<小合さん!拡散ニュートリノビームにしてください!>
『了解、拡散ニュートリノビーム発射用意!』
うごおおおおぉぉん!シーサーが吼える!
『拡散ニュートリノビーム発射!』
マイナスの重力波がシーサーの目から拡散される。敵艦隊はシーサーが紅い涙を流したと思ったかも知れない……だが語れるものはもうこの宙域に居なかった。
『あ、やっぱり普通の爆発で爆縮しないのね。』
<あれはブラックホールのコア撃ち抜いたから因果地平が残ってる状態だったからねぇ……>
「……なぁワイリー、オレたちとんでもない艦に乗ってないか?」
「あの艦隊相手に無傷って……」
「兄さん……これ多分単艦でどこの惑星国家でも落とせるよ……」
『損傷を報告せよ!』
「サイクロトロン加熱!他異常なし!」
「電磁加速機異常なし!」
「ニュートリノレール異常なし!」
「シーサーアイレンズ破損!新品に交換します!」
『それは攻撃が無理だったのかな?』
「いえ、経年劣化の様です。」
『お疲れ様、状況終了です。戦闘態勢解除してください。』
「酒が飲める酒が飲める酒が飲めるぞ~♪」
『博士早々に飲んでたのに……』
「ああ!この艦0号の性格に一致してるんだ。」
「0号さんの性格?」
「真っ向から殴り倒す。仲間にゃ甘いが敵には冷徹。」
『いやいや、今回はこっちの言い分ごり押ししたからちょっと反省してるけど?』
「いいんだよ。最初の攻撃で逃げたの追撃しなかったのは優しさだろう?」
『甘さとも言われるけどね。』
「いやいや、帝国英雄の片鱗を見せ付けたんだよ。」
“ヒュードロボ、この戦い方は正しいのかや?”
「ああ女神様、殲滅戦なら満点ですよ。」
『先に撤退勧告出したかったけどね。』
「この場合1兵卒が逃げたくても艦長がバカなら無理ですんで考え過ぎない方が良いですよ。」
『スレイさん……バカな艦長に思う所が?』
「わたし第7艦隊出身ですので。」
『ええ?ワシュラの所ですか?』
「なんでバカな艦長嫌いなんですよ。」
{おっさん!しっかりせんとスレイ少佐に撃墜されるぞ!}
『それはそれで男のロマンだなぁ。』
「ってJUNちゃん意外に口悪いんだね。」
『野良ユニットですので。』
{今度動力パイプに塩詰めたろ。}
『すんなバカタレ。』
「あの……パイロットさん、0号を落とさないでくださいね?」
「ヒュードロボさん、彼を落とすのはわたしじゃ無理ですよ。馬力1/4の民間機で戦闘機を手玉に取るんですから。ただ……」
「何です?」
「いや、思った以上に奥さんに弱いなと。」
「それははい、0号は帝国に居たとき魔物の暴走に遭ったんですが無傷で街を護ったと聞いています。それが奥さんには……」
『スタンピードはクリムに食ってもらったから。』
「そう言えば帰らずの洞窟でスライムつついて遊んでた時はあのオリハルコンのスライム居なかったよな?」
『ああ、クリムはカラミ領に居たグラトニーブラッドスライムだったんだよ。スタンピードの時にオリハルコンの欠片やったらああなった。』
“デミグラスの奴も知らん進化みたいでクリムの子をもらっておったわ。特殊進化らしいのう。”
『普通に会話に入ってくるなこの女神……』
「そう言えば皇女ミヤビ様がアマテラス様の巫女だってドボコンで聞きましたよ。」
『帝国と共和国が仲良くなれば正式に惑星アマテラスに呼ばれるよ?もう資格検査はクリアしてるからね。』
「0号がどんどん手の届かない所に行きやがる……」
『いや俺じゃなくてミヤビ様だぞ?』
おおお~あと2分~!
{なんでいつもギリギリに……}
やま書書いてたから……
{自業自得じゃアホウ!}




