トバ湾巡り
『ゴキに弱い女神は置いておいて……』
“ミヤビ~愚弟が酷いのじゃ~。”
「アマテラス様、オゴー様の星には“追放ざまぁ”というお伽話が有ると聞いて居るのじゃ、もしかすると高天原を追放されたことを根に持って……」
『は~い、アホは放っといて明日はヒスパニックパーク行きですが今日はこれからトバ湾巡りしようと思いま~す。』
「准将、わたくしも行って良いですか?」
『はぁ、特に反対は有りませんが?』
「どなたかにイセ観光大使をしてもらおうかと。」
『全員で観光大使団ってのは不可能ですか?宇宙軍特務部隊で受けますが?』
突如首長の後ろの男性が声を上げた。
「願っても無いことです!あ、申し遅れました、私、シゲト・イトイと言う広報プランナーです。」
どうも今から同行して写真を撮りたいらしい。
『昨日ならパチンコ大会とか有ったんですけどね。』
「それも使わせて戴きます。当然撮って有りますよ。」
「あら?あなたカジノのカメラマンじゃなかったのね?」
「私はイセ観光協会の人間ですので元々広報に載せるつもりで撮影してました。元帥閣下のガッツポーズも項垂れるコース博士も写ってますよ。」
おお……なかなかの敏腕。
「後はお子様がたの楽しんでる絵と皆さんが仲良く遊びに来てる絵が撮れれば。」
『わかりました!それじゃ行きましょう。』
「以降広報権限で施設利用費が割り引かれます!」
おお!サクヤ女史太っ腹!
それじゃトバにGO!
駐機塲にインペリアルガルーダとUFOを停めてトバマリンターミナルへ。船は竜宮丸と呼ばれる200トン1000馬力の大型船が貸し切りになった
船に備え付けられたウラシマタロベーやオトヒメの像に子供達が興奮して走り回ってたが……あのオトヒメ像見覚えが……
“この顔はサクヤじゃのう。”
それだ!首長こんなとこで自己主張してるよ……
トバマリンターミナルを出港してトリプルアイランドを抜け約15分でドルフィンアイランドへ。
イルカ達がジャンプでお出迎えしてくれる。子供達そこに並んで!
並んだ子供達の上をイルカがジャンプ!タイミングを合わせてシャッターを切るイトイプランナー。はしゃいでイルカに餌をやるキキョウとエマール。カワウソを見に行く子供達……あいつらソーラーエネルギーででも動いてるのか?
ドルフィンアイランドを出港、ベンザイテンアイランドとスモールベンザイテンアイランドの間を抜けてトリプルアイランドを越えマキモトパールアイランドへ
30分足らずの航海である。ここは共和国で初めて真珠の養殖に成功したマキモト・コーキチ氏の功績を称えると共に真珠の取り出し、加工も見学できるようになっており女性陣の目の色が変わる。のはいいのだが非売品を欲しがるんじゃない!タケシト陛下はフコ様にねだられた300万イェンのネックレスを3本買ってた……ミコ様と辺境伯の奥さんへのお土産だそうな。
グラスさんはマヌルさんに10万イェンのネックレスを
、子供達は5000イェンのブローチを買ってた。ゴブリナの純子とオサムはピアスか。キキョウとエマールが1万イェンのペンダント、アターシャとソアラ、アシッドが5万イェンのネックレスだった。
で……やっぱり買うのかあんたらも……
佳寿子とノリコがお揃いのネックレス持ってキャピキャピしてる……
『博士……全部パチンコで使ってませんよね?』
「うん……問題は私よりあっちなんだよ……」
ノマドとメイリアが婚約指輪を作ろうとしていた……
『ちょっと待て!ノマドさん実験中に真珠無くしたら宇宙の藻屑になること解ってるか?』
面白いくらい顔色変えるんじゃない。
「オオオオゴウさん!どどどどうしたら……」
『落ち着け天才科学者。指輪に拘らずに一粒ペンダントなんかでいいでしょう?手だと何かの拍子に無理な力入って壊れても胸だと無理な力入ったら人間が死ぬし。』
「なるほど婚約首輪と言うことか。」
『博士、それは隠しテーマです。別名隷属の首輪。』
ぱぱん!
{ダンナ連中ろくな事言わんな……}
《しかしアシモフサーキット切ると楽ねぇカヅコちゃん。》
……鋼鉄の小姑軍団め……
{なんぞ言うたか?}
《しかしもっともよメイリア。今回は普通にネックレスにしておいて指輪は別に貰うって策も有るわ。》
策なのかそれは?
「いやいや女性陣のいい顔が撮れました。」
『このあとはトバ水族館ですかね。』
<あれまだ在るの?ここの橋渡って山側だよね?>
「いいえ勇者様、100年ほど前にウォーターフロントに移設しました。」
<んじゃサクヤさん、85本足のタコはどうなりました?>
「今も標本にして展示してありますよ。勇者様お詳しいんですね。」
<昔異世界の国からこんにちはのPRで来たんですよ。>
「中に当時の写真有るはずですよ。」
「はい、資料室は私が作りましたから。」
イトイさん超有能か?
「あと、勇者様も准将もご存知無いと思いますが外宇宙移民船ぶらじる丸と言うのが水族館の向こうに係留されてました。全長145メーターの宇宙船です。」
『もしかして発展途上国に屑鉄名義で売ったらクルーズ用に改造されて元気で働いてるとか?』
「は?……いえまさかそんな……」
『売ったんならはやまりましたねぇ……おそらく欲しかったのは屑鉄ではなくエンジンのノウハウでしょう。まぁ今の形式じゃなければ気にすることは無いですよ。』
{克ちゃんまさか……}
『覚えてたか?鳥羽ぶらじる丸の顛末だ。』
{世界の救命具のコーナーで豚の膀胱使った浮き袋が有ってウチがこのくらいの大きさが欲しいったらそりゃしっこ溜める袋だから俺のは小さくないと……}
『その辺りは忘れてください……』
<小合さん……もしかして……>
『ええ、たぶんこの世界地球の歴史をなぞってます。』
“そうじゃよ?この歴史の流れはパターンアルファ394と言うより成功が望まれる歴史パターンじゃ。他所で言うで無いぞ?”
<何を持って成功としますか?>
“我らの様な精神生命体への進化じゃ”
『あんた寄生生物だったのか?』
“何かと勘違いしておらんか?おぬしらもミヤビも進化前の蛹じゃぞ?”
『俺たちがガス人間になると?』
“やっぱり映画か何かと勘違いしとるじゃろ?”
{なんか最後にアマテラスが爆弾落としたが?}
あああの場はアマテラス、克己、佳寿子、城野しか居ないからな。他の連中からは今隔離されとるよ。
{人類進化って……}
最終進化は精神生命体だけど進化自体はガンダムのニュータイプみたいなものと思ってくれ。なお、オーディン達は特に仲間を増やそうとしているのではなく後輩達の革新を見守ってるイメージです。自分の巫女は別だけどね。




