収納と転移しか使えない魔女は、愛しい婚約者様の為なら何でもヤリます
長編で続ける自信がなかったので、今回は一場面のみ取り出した、短編形式でお送りします。
中途半端で申し訳ありません。
ちょっと下ネタもありますので、苦手な方はバック推奨。中途半端な短編が、許せない方もバックを。
「収納」 敵陣を眺めながら魔力を込めてそう呟くと、敵軍の武器防具等の無機物が、全て私の収納庫へと仕舞われた。 次に唱えるは、「転移」 二十万からなる敵軍は、いきなり全て上空約三十メートル地点へと転移され、なすすべなく落ちていく。
流石に、いくら鍛えられた兵士達でもいきなり真っ裸になり、眼福眼福、さらに上空三十メートル地点へといきなり飛ばされては、碌な対策も取れずに地面に打ち付けられるだけであった。
この世界の鍛えられた兵士達が、これだけで死ぬとは限らないけれど、それなりのダメージは与えられただろうし、一緒に飛ばされた馬たちは全滅だ。一部、無傷の兵士も居るが彼らがいくら精鋭だとしても、全裸で眼ぷ、げふんげふん、武器も馬も無ければそれほどの脅威にはならないだろう。もちろん、〝収納” によって彼等の装飾品も全て奪ってある。能力を底上げしていたであろうそれらが無ければ、そこまでの脅威でもないはずだ。後は、自軍の兵士達に頑張ってもらえばいいだろう。
こちらの軍が一万しかいないといっても、騎馬隊も居るし魔法師団も居るのだ。いざとなったらもう一度、私が彼等を転移させて、こちらの有利な状況を作り直せばいいだけだ。
「ハクリ様、後はお任せしますね」 私がそう話し掛けると、軍師であり、愛しい婚約者のハクリ様は何とも言い難い微苦笑を浮かべながら、「ああ、これだけ敵軍に痛手を与えてくれれば、後は我々に任せてくれて、何の問題もないだろうよ」 と答えてくれた。
まあ、それはそうでしょう。これだけ私が手を貸して、更にこれ以上の手助けを要求すれば、私がどんな事を言い出すか、彼ならば良く分かっているでしょう。何せ私の、婚約者様ですし。
「あ、そうそう。彼等の装備はどこに出せばいいかしら? 適当にスペースを開けてくれれば、そこに出すわよ」 私がそう尋ねると、彼は 「では、あちらに出してもらおうか。マリア」 彼の指し示す方へと視線を向けると、そこには少し広めの空き地があった。
全てを出すには、少々狭いのではないかと思いながら、まあ積み上げればいいかと深くは考えずに、そこへと私は、全ての収奪物を出したのだった。
もちろん、小山の様に積みあがったそれらは、下手に動かせば雪崩れの様に崩れていくであろう。頑張ってね。ふふっ、ちゃんと量を確認をしない貴方が悪いのよ、ハクリ様。言ってくれれば、城へ戻るまで私が預かっていてあげたのに。魔力にはまだまだ十分な余裕があるのだから。まあ、危なくなればまた、私が〝収納” してあげましょう。
そのように、こちらでコントのようなやり取りをしている一方、戦場では圧倒的な虐殺が続いていた。それはそうだ、全裸(眼ぷ)対全装備。装飾品のない、威力が数十分の一にまで下がった敵魔法師団による支援及び攻撃魔法と、全装備の、威力も充分引き上げられたこちらの魔法師団の支援及び攻撃。
結果は、火を見るよりも明らかだ。一方的な蹂躙劇を眺めながら、私は、戦の後で愛しい婚約者様に、どのようなご褒美をおねだりするか、思考をややピンク寄りに傾けながら、妄想に耽るのだった。
全裸の敵兵の股間を眺めながら。
お読みいただきありがとうございます。
収納魔法って最強かもしれないと思い立ち、今回のお話が生まれました。もしかしたら、似たような作品があるかもと恐る恐る投稿しました。ない事を祈っております。(なら調べろという突っ込みはなしの方向で)
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