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第五話 魔法少女の使命

 後日、美奈子さんは再び登校した。

 新しい環境に慣れなくて、ちょっと鬱になりなかけていたとのことだ、

 ゴンが言うからには、彼女にブラウンを生み出した自覚はないそうだ。

 ブラウンは浄化したから、個性を失わずにすんだ、と。

 何にしても、私にはよく分からない。

 カガヤケルっていうのもそうだけど、そもそも個性とは何だろう?

 そんな抽象的なものから怪物が産まれるのか。

 しかも、失ったからといって、死ぬわけでもない。

 確かに、それによって皆が不登校になったりしたら、それはそれで問題だけど。

「おっはよーっ!!あれ、若菜っち、また制服じゃん。もー、私服でこいって言ったのに!」

「魔法少女部の下僕としての自覚に欠けるわね」

 また遅刻ギリギリで教室に入ってきた水江と真白を見て、大きなため息をついた。

 クラスの生徒達は、委員長とあの二人、いつから仲良くなったの?といった顔でこちらを見ている。

 二人は何故、魔法少女になったのか?

 昨日、二人に聞いてみたが、

「んーと、面白そうだから?」

「私達が選ばれし者だからよ」

 マトモな答えを期待した私がバカでした。

「若菜っち、今日の放課後、あの子を見張るからね」

 水江が私に耳打ちする。

 あの子って、美奈子さんのこと?

「それって、もう解決したんじゃないの?」

「まだ何かあるみたいよ……ゴンの指示だけどね」


 放課後。

 下校する美奈子さんを三人で尾行することになった。

 彼女は何故か校舎裏へと足を向けた。

「まるで何かに取りつかれているみたいね……」

 私にもそう思える。

 それにしても……。

「二人は、なんでいつもこんなことやってんの?」

 ゴンに言われて、戦うだけならまだしも。

 ブラウンとやらが出てくる度に、面識のない人を助けなければいけないのか?向こうはこっちの事情なんて知らないし、話しても信じてはくれないだろう。

「まー、あえて言うなら、使命ってやつかな?」 

「私達が人々の個性を守る。悪くないって思わない?」

 私の中で、ちょっとだけこの二人の評価が上がった。


 美奈子さんは、校舎裏の焼却炉まで来ていた。

 周囲に人影はない。

 嫌な予感がする。

 

 

 

 

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