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第三話 魔法少女部にようこそ!

「さて、どこから話していいものかしらね……」

 学校に戻ってきた私は、いつの間にか先に来ていた真白、水江に驚愕しながらも、とある空き教室に連れてこられた。

「まず、あの化け物みたいなのはなんなの?」

「そいつはオレから説明するぜ」

 突然、教室に何かが飛んできた。

「え?虫?いや、ぬいぐるみ!?」

 どちらでもなかった。

 それは、見たこともない、愛らしい外見の生物だった。

 全身黄色くて、翼と尻尾が生えている。小さいドラゴンのような風貌。

「こ、この生き物は……?」

 今日はあり得ないものを目にしすぎて、脳がパンクしそうだ。

「オレのことは、ゴンって呼んでくれればいいぜ」

「ま、最初は驚くのも無理もないわね」

「とりあえずそのまま聞くんだぜ」

 ゴンは、人間のようにコホンと咳をして、私に向き合った。

「あいつはブラウン。この世界で最も醜い色、ドラブ・ダーク・ブラウンで全身を覆っていることから俺たちが勝手にそう呼んでいる。オレと同じで並行世界の一つから来たんだぜ。まず、あいつは生物ではない。人間の個性から無理やりに作り出した思念体みたいなもんだ。あれを放っておくと人々の個性が奪われちまうんだぜ。だからおまえ達に協力を……」

「ちょーーっと待って、待って!」

 私は思わず話をぶった切る。

「ブラウン?並行世界?思念体?個性を奪う?ばっかじゃないの?つくならもっとマシなウソつきなさいよ!」

 頭が混乱して、軽くヒステリックになってしまった。

「……予想通りのリアクションね」

「かかっ、アタシ達もあんなかんじだったっけ?」

 真白と水江が茶化すが、ゴンはこちらを見据えたまま、表情を変えない。

「だいたいお前、一部始終見てたんだぜ?」

「確かに見てたけど……いきなりそんな話されたって、信じられるわけ……」

「とにかくっ!」

 水江が机を叩く。と同時に真白が前に出た。

「簡潔にまとめるわ。私たちは生徒を狙って現れるブラウンを浄化するために、ゴンに力を借り、魔法少女エクスコーデに変身して戦っているの。委員長も協力してもらえないかしら?」

 どこから突っ込んでいいのか分からない話故に、私は少しだけ考えるのをやめた。

「まぁ、私のできることなら……」

「決まりね」

「決まりい!」

 二人は私の肩に手を置き、

「「ようこそ!魔法少女へ!」」

「……は?」

 私の眼鏡が、ガクッとずり落ちた。


 

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