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第二話 これって、現実?

「じゃ~んっ!!ビックリした?」

「……とりあえず、じっとしていて頂戴」

 今、何が起こったのだろう。

 いきなり、真白と水江の服装が変わった。

 まるで、そう。アニメの魔法少女のように。

 そういえば、なぜかさっきから魔法少女のアニメ主題歌のような曲が垂れ流しになっている。水江のスマホから。

 これは、お芝居?アマチュアの映画撮影?

 それよりも気になるのはあれだ。

 あの不気味なモヤは何だろう。

 明らかに自然現象ではなく、生物でもない。だが獣のような体を成している。禍々しい雰囲気しか伝わってこない。

「グオォォーーッ!!」

 咆哮と共に、二人に襲いかかるモヤの怪物。

「この程度のブラウンなら、瞬殺っしょ!」

 そう言うと水江は、振りかぶってチェーンを投げつけた。

 チェーンが……伸びた……?

 それだけではない。伸びたチェーンは、意思を持っているかのように、くるくると怪物を包囲し、締め上げた。

「じゃ、仕上げね……」

 今度は真白がハサミを指にかける。

 そのままひゅんひゅんと回すと、ハサミは少しずつ大きくなって、やがてカバンくらいのサイズまで膨れ上がった。

 それを枝切りハサミのように構え、怪物目掛け飛び込むと、

 挟むのではなく、突き刺し、切り裂いた。

 怪物の形をしたモヤは、液体のように地面に広がる。

 私は目の前で起こる信じられない光景を、何故か胸を高鳴らせながら傍観していた。

「……ゴン、後はお願い」

 真白が誰かに語り掛けた……ように見えた。

「よしっと……。あ、事情は後で説明するからさ、もっかい学校きてよ」

「まず、さっさとこの場を離れることね……その子は大丈夫だから。ほら、早く」

「あぁ……うん……分かった」

 すっかり現実感を喪失した私は、言われるがままにその場を後にした。スクーターに跨がり、ぼぉっとした頭で学校に向かった。

 あれは……幻覚だったのかな……?

 

 

 

 

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