恋路
夜中の校舎に二人の男女。
「愛してるよ。」
男が女の腰に手をまわす。
「私も。愛してる。」
女は男の首に抱きつく。
二人の唇が重なる。
互いに互いを求め始める。
最中、男が言う。
「舌、出して。」
女の思考はとろけだし、男に言われるがままになる。
男はその舌に乱暴にしゃぶりつく。
「んふっはふっはっはう…」
女は舌を吸い出されながら、自分の顔がだらしなくなるのを感じる。
ガチッ
突然、男の歯が女の舌根を強めに噛む。
「ひはっ!」
直後、
ブチブチブチブチブチブチッッ!
「はあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」
筋肉と神経が強引に千切られる音。女はそれを認識する間もなく仰向けに倒れる。
体は痙攣し、終わりのない激痛が意識を失わせて戻すを繰り返させる。
ピュルルピュルピュルピュー…
「ゴキュ…ゴボォッガホォッ…ゴクッオボォッ…」
舌根からの鮮血が止めどなく喉に押し寄せ、自分の血で窒息しそうになる。
その様子を眺める男。
口に残った女の舌を飴玉のように転がす。
「ひははひま~ふ。」
そう言って男は女の舌を奥歯で潰しながら、少しずつ前歯で噛みきって味わう。
「美味し~な~。やっぱ滑舌の良い子は歯ごたえがあって好きだな~。」
男は顔が真っ赤な女に合掌する。
「ご馳走さまでした。君は2番目位に美味しかったよ。ありがとね、愛してたよ。」
感想を述べ終わった男は踵を返し、教室を後にする。
激痛の荒波の中、女の子の意識はもう擦りきられていた。
「へふふぇえ…」
ガラガラガラ…パタン
最後に見えたのは、愛した人の笑顔だった。