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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。

真っ白なミライの私たち

掲載日:2017/03/12

閲覧ありがとうございます!

 三月十四日。

 今日はホワイトデーでもあって、私の小学校の卒業式でもある。

 卒業証書を机にのせて、私はふと、教室を見回した。

 誰もいない教室。教室の外からは、わずかに人の話し声が聞こえてくる。窓の外にはまだ雪が積もっていて、それに反射して入ってきた日光が少し眩しい。


「あれ、洋子(ようこ)帰らないの?」

「……うん。お母さん、待ってるの。急いで仕事終わらせて、校門で写真撮りたいから学校で待っててって、言われたから」

「そっかぁー……」


 教室に入ってきたのは、幼馴染みの絢矢(あやや)。今日も無垢な顔で、私に接してくる。もうすぐで中学生だというのに、いつまでも子どもっぽい幼馴染み。


「……そうだ。今日ホワイトデーでしょ? こないだのバレンタインのお返し持ってきたんだー。ほいっ!」


 そう言って渡してきたのは、よく見かける薄い箱のホワイトチョコレート。


「あ、ありがとう……って、ずっと持ってたの?」

「うん」

「絶対溶けてる」

「……あ」


 いつまでも考えが幼い。


「でも……うん、ありがとう」

「どういたしましてー」


 底無しに笑顔の明るい幼馴染み。

 ……そんな彼女が、私は嫌いじゃない。


「ね、ねぇ、あの……さ……洋子(ようこ)。ちょっと、大事な話があるんだけど……」

「急にかしこまって……なに?」


 幼馴染みのほっぺたが赤みを帯びていることに、私は気づかないフリをした。


「あのさ……その……卒業式ってさ、なんか……特別な感じ、するよね……?」

「……うん」

「……普段言えないことも、言えたり……」

「……うん」

「その……。私、洋子(ようこ)のことが、好き! ずっと好きだったの! んっ」

「んむっ」


 突然の告白だったけど、驚いてはいない。

 だって、私も……。


 しばし繋がっていたお互いの唇が離れて、細い吊り橋が架かり、落ちる。

 そして、絢矢(あやや)は言った。


「……次は、もっとオトナになって、会いに行くよ」


 イベントの名前も、外の景色も、私達の未来も、まだまだ真っ白だけれど。

 いつか、この白を二人で纏って……。

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