表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/16

徒然チャット5

『Frommバナナは友だち:来月バカンスに行く。アメリカくん、一緒にどうだ』

『Fromm友だちできました:本当に一緒でいいのかい? うれしいよ』

『Frommピッツァ食べたい:日にちは決まってるの? こっちも合わせる。まあ俺は一人でホステルを転々とする予定だけど』

『Frommお洒落は正義:こっちも似たようなものかな。可愛い女の子がいたら行動も変わるしね』

『Frommピッツァ食べたい:日本のカップル専用ホテルは興味あるな。安いわりに色々面白いって聞いたことがあるぞ!』

『Frommお洒落は正義:前に一度使ったことがあるよ。安いのに温泉やカラオケまであった!』

『Frommバナナは友だち:お前たちは本当にそういう場所が好きそうだな』

『Frommお洒落は正義:男だからな。そういうお前こそどうなんだ?』

『Frommバナナは友だち:コメントは差し控えさせてもらう。ここには彼女もくるんだぞ』

 そんなログを見てしまったばかりに、返そうか返すまいか真剣に悩む。

 実は少し前から読んでいましたとは言い難い内容だわ。

 アメリカの彼にはいつの間にか友だちが出来たようだし、良かったと言えば良かった。でも入りにくいな。今日はやめておこうかな。

『Fromm友だちできました:彼女は本当にcuteだ』

『Frommピッツァ食べたい:小さいくせに胸はあるよね。日本人ってみんなああなのかな? 今から日本に行くのが楽しみだよ』

 あ。下ネタっぽくなってきてないか。

『Frommお洒落は正義:全員ではないけど、一緒にいて楽しい民族だね。でも仕事中とそうでない時の差があって、おにーさんはちょっと怖いかな。特に夜は』

 なぜ夜限定?

『Frommバナナは友だち:確かに、日本人は酒が入ると雰囲気変わるな。彼女は少々無防備になったし、他の日本人は別人に見えた』

 え、そうだっけ!?

『Frommピッツァ食べたい:俺の時はむしろ嫌味が増えてたぞ』

 それはあんたのせいだよ。

『Fromm友だちできました:酒を飲まなくても彼女は十分優しいし可愛い』

 やばい、ピュア天使がここにいる!!

『Frommお洒落は正義:そういえば彼女と夜飲んだことはないな。今度が楽しみだよ』

 よし、こいつとは飲まない方針で行こう。

 それに、たとえバカンスで日本に来たとしても私の家の近くに宿を取ることはないだろうし、うん、大丈夫!

 そう思っていた私は二週間後、心の底から後悔することになる。




 それは二週間後のことだった。

『Frommバナナは友だち:突然だが、アメリカくんと会えない』

『Fromm友だちできました:僕もです。バナナさん、どこですか』

 は? なんだこの文章。

 時刻は夕方6時過ぎ。同じ文章が8回にわたって掲載されている。

『Frommバナナは友だち:俺は動いていないぞ、2階だ』

『Fromm友だちできました:僕もです』

 あれ。2人ってもしかして一緒の国にいるのか?

『Fromm友だちできました:blueいますか』

 Blueとは私のことだ。他のみんなにはblueと表示されているから。それが私のチャットネームだからだ。

『Fromm私:いますよ。どうしました?』

『Fromm友だちできました:申し訳ないのですが、助けて下さい』

『Fromm私:え、なにごと?』

『Frommバナナは友だち:その手があったか! Blue悪いが今すぐ●●●空港まで来てくれ!』

 ・・・・・・は?

 いや、まさか。そんな!?

『Fromm私:まさか、日本にいるの?』

『Fromm友だちできました:はい、バナナさんと会えなくて困っています。僕たちの顔を知っているのは君だけなんだ!』

『Fromm私:お互いの連絡先交換していないの?』

『Frommバナナは友だち:忘れていた』

 いや、忘れないでよ!?

『Fromm友だちできました:なんとかなるかなって』

 ネット以外ではコミュ症のあんたたちが何いってんの!?

『Fromm私:今から行ったら2時間はかかるから、とりあえず国外線フロアを出て4階のコミュニケーションフロアで適当に待ってて!』

 私は慌てて部屋を飛び出した。特別快速列車に乗って1時間半で空港に付く。このさい割高とか言ってられない事態だ。そして二人は驚くことに四つ分の席を開けて物凄い近くに座って待っていた。

 なにこいつら、私必要ないじゃん? え、なによ、わざと?

 彼等は私を見つけると同時に手を上げ、そしてとても驚いた顔でお互いを見つめていた。

 何フラグですか。

 その後三人で予約してあったホテルを探し部屋を確認後、適当に繁華街の居酒屋でご飯を食べてコンビニに寄ってホテルに戻った。

 彼等はとても静かで、そんな二人を連れた女は嫌でも目立った。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ