徒然チャット3
『Fromm私:仕事終わりのビールってどうしてこう美味しいのかしら』
変人メンバーが勢ぞろいしたことで、私達はルールを決めた。
その日一日の出来事を呟くと全員で決めたのだ。
というのも、ここ数カ月の間にいつのまにかメンバーが定着してしまい、当たり前のように多国籍状態のため、生存確認もかねて誰かがどうでも良いことを呟くのだ。
『Frommピッツァ食べたい:昼間のワインもいいよ』
『Frommお洒落は正義:同感。ビールよりはワインだな。でも最近SAKEにハマったよ』
こいつらは・・・
『Fromm友だち欲しいアメリカ人:僕は飲まないからよくわからない』
そういえばコーヒー以外何を飲むんだろう、彼は。牛乳とか?
『Fromm友だち欲しいアメリカ人:みんな、そんなに飲むの?』
『Frommお洒落は正義:MOTTAINAI!』
『Frommバナナは友だち:黙れ。使い方おかしいだろう。アメリカくん、酒は無理をして飲むものではないがビールは正義だ』
あんたの使い方もなかなかだよ。
『Frommお洒落は正義:えー。そこはワインでしょ』
『Fromm私:あ。おつまみに美味しいハムとかチーズほしい』
『Frommお洒落は正義:素敵なおにーさんが送ってあげよう。LOVEを込めて』
『Fromm私:LOVEは要らないけど品物は頂くわ。ブルーチーズ以外でお願いします』
『Frommピッツァ食べたい:美味しいピッツァを食べにくれば』
遠いよ。二年の間に二回も海外を巡って疲れたよ。
ちなみに私立大学図書館の間では勉強という名目で旅費を出してくれることがあるので、その制度を最大限利用した結果、帰国後報告書の山に涙を流したことは記憶に新しい。
『Fromm私:どうせなら皆で京都観光しようよ』
『Frommバナナは友だち:それいいな。今度のバカンスは日本にしよう』
『Frommピッツァ食べたい:全員で泊まれるとこあるかな?』
『Fromm私:一月ぐらいいるんならマンションタイプのホテルでルームシェアすれば?』
野郎4人のルームシェア・・・地獄だわ、絶対行かない。
『Frommお洒落は正義:いや、男だけでルームシェアは嫌』
『Frommピッツァ食べたい:うん、嫌だ』
あ、断られた。
『Frommバナナは友だち:俺は構わないが、そんなにスペースあるのか?』
うーん?
『Fromm友だち欲しいアメリカ人:僕は別にかまわないけれど、騒がしいと本が読めない』
確かに・・・
『Frommバナナは友だち:それなら俺と一緒にどうだろうか?』
『Fromm友だち欲しいアメリカ人:いいのかい?』
この二人が相部屋・・・沈黙が痛そうだ。
『Frommバナナは友だち:こちらで色々物件を探してみよう』
『Fromm友だち欲しいアメリカ人:うれしいよ、ありがとう』
あ、友だち欲しい彼に友だちが出来たっぽい。いいね、うん、いいよ。
ちょっと安心した。
でも実は、バナナの彼は女性より男性の方が好きだと、友達を求めている彼に教えることができない自分が情けなかった。普段は紳士だけど実は女嫌いとか、どんなキャラ設定だよ・・・バナナの人の将来が少し心配になった。
彼が恋人が出来ないことを嘆いている友人には悪いが、こちらも面倒事を背負いたくないので、勝手にやれという気持ちでいっぱいだ。
とりあえず、友だち欲しいからってついでに恋人を作らないことを願おう・・・
私はひどくない。ひどくない・・・はずだ。