プロローグ
プロローグは1話にしたかったので長めです。
次からの投稿は3000文字前後になりますのでよろしくお願いします。
俺の名前は岩泉 洋 (いわいずみ よう)25歳のエリート自宅警備員。何がエリートなのかは聞かないで欲しい。身長体重容姿は平均的で最終学歴も一応大学卒の凡才だ。つい1年前までは職についていたのだが元々コミュニケーションをとる事が得意なほうじゃなく就職した会社で人付き合いを拗らせて孤立してしまってそれが原因でやめて今にいたる。もちろん会社を辞めてしまったことは田舎にいる両親や兄妹には内緒である。今は職を探してハローワークに行って自宅に戻る途中だ。
「あー・・・今日もこれだって言う仕事がなかったなー・・・・。いっそこのままどこか遠へ行きたいな・・・。どっかに大金でも落ちてないもんかなー。」
と呟きながらハローワークからの帰り道を歩いていたそのとき突然物凄い突風が真正面から吹いてきた。
「・・・っく!俺の人生のように現実でも俺の行く道は逆風しか吹かないのかよ・・。」
とぼやきながら突風から身を守るように横を向いて耐えていると頬に何かがぶつかったと同時に突風も止まった。風がやんだ事で自分の頬にぶつかったものを頬から取り見てみるとそれは1~43までの数字を6個選ぶタイプの宝くじを買うための用紙だった。ご丁寧に数字の部分も塗りつぶされていた。
「宝くじの記入用紙か~・・・数字も塗りつぶされているし誰かが買おうとしたときにでもさっきの突風で飛ばされたんだろうなー。」
と塗りつぶされている記入用紙を眺めながら帰り道を歩いていると丁度良くチャンスセンターが目に入った。俺は足を止めて考えた。
「これも何かのお告げかもしれないしこれで買ってみようか。当たったらラッキーって事で。1枚200円だしそれぐらいは何とかなる。」
と言ってチャンスセンターにそれを持っていって1口宝くじを購入した。丁度明日が抽選日と言う事で売り場のおばさんに「当たるといいですね」と言われて「そうですね。当たってほしいものです」と応えてからそのまま1人で暮らしているアパートに戻っていった。
2日後。
今日も日課のハローワークに行ってから家に戻ると言ういつものローテーションをこなしてからアパートに戻ってすることもなかったので眠ってしまった。目が覚めると部屋はうす暗くなっていた。
「おおう。寝すぎた。今何時だ?」
とテーブルの上に置かれているデジタル置時計を見ると16:27分と表示されていた。
「もうすぐ17時か。晩御飯の買出しにでも行くか。」
とスーパーに買出しに出て行った。買出しを終えて部屋に戻ってから晩御飯の準備をしてからここに引越
しをしてから断りきれなかった新聞を手に取り一昨日購入したクジの当選番号を確認作業をした。
「当たってる訳はないだろうけど一応確認しておこう・・・・。えっと俺の数字はっと・・・1・3・11・23・31・43っとなんだろこの素数しかない感じ。これじゃあ当たるわけないよな~。まあ念のため・・・。」
と半ば諦めたように新聞をめくりながら当選番号が書かれているページを探す。
「へぇ~・・・・あの女優さんあの性格で結婚できたんだ~。何年持つだろう。っとあったあった。えーっと・・・1・3・11・23・31・43か~。ははっ。何だこの素数羅列。こんなの誰も買わないだろう・・・・・よ?」
と1分前くらいに聞いたような台詞に俺は持っているクジを見てみる。
「えーっと・・・1・3・11・23・31・43」
と再び新聞の当選番号を見る。
「どれどれ・・・1・3・11・23・31・43」
再び俺は持っているクジを確認する。
「1・3・11・23・31・43」
更に新聞を見る
「1・3・11・23・31・43」
(; ゜ ロ゜)ナン!( ; ロ゜)゜ デス!!( ; ロ)゜ ゜トー!!!
とあまりの出来事で俺はその場で気絶をしてしまった。
次の日。俺は目を覚ました。
「知っている天井だ。」
とゆっくり身体を起こして今何時かを確認のために置時計を見ると午前9時を過ぎたところだった。確認を終えた所で昨日の事が夢ではないかと思いもう一度新聞を確認してみた。そして気絶をした時に手放してしまったであろうクジを拾って改めて照らし合わせてみる。
「一致している。やっぱり夢じゃなかったんだ。」
と心を落ち着かせるように深呼吸をした。
「ふぅ~。よし!今から銀行に行こう。そうだそうしよう。」
と膳は急げと言わんばかりに昨日のままの服装で銀行に走りクジを交換した。交換できる銀行の口座を持っていなかったのでその場で作りそこに入金してもらう事にしてもらって銀行を後にした。入金されるのは1週間以内にということだった。金額はやはり俺しかいなく前回からの持ち越し金額も合わさり4億が振り込まれる事になった。俺はとりあえずアパートに戻っている。
「やべえ。まだ入金されていないのに顔のにやけが止まらない。いまから何に使おうか考えてみよう。」
と4億入ってからの事を考えてみた。
「とりあえず1億は親に渡すとして残り3億。服を買う・・・・いらねえな。着れれば何でもいいし。海外旅行に行く・・・・ねえな。言葉わからないし今何処に行っても危ない感じがする。」
そう。TVでよくテロだの報復だのというニュースを良く見かけている。
「っていうか俺飛行機に乗れない。あんな鉄の塊が空を飛ぶなんて考えられない。国内はその気になれば今でもいけるから論外・・・車を買う・・・・これも乗れれば中古でもいいわ。株を買う・・・・おでこに黒子のある人の様にはなりたくねえからやめておこう。となると後は家を買う位しかねえな。夢をつかんだのに夢のない選択しか出来ないのが残念すぎる。」
とぼやきながらしばらくつけていなかったパソコンを起動させて何かいいものがないかネットサーフィンをする事にした。しばらくネット上をさまよっているとふと気になるサイトを見つけた。
『余ったお金で別世界に行ってみませんか?』と書かれてあるサイトだった。こういった感じの話は大好きな俺は迷わずそのサイトを覗いてみることにした。
「えーっとなになに・・・・1000万円からいける別世界。地球以外でもう1つの人生をお金で買いませんか?詳しくは資料請求にてお申し込みしてください。」
と書かれてあり下の方に資料請求のタグがあった。俺は資料請求をクリックして住所と名前を記入して資料請求した。
「とりあえず勢いで請求してみたけど何かやばい奴だったらどうしようか・・・とりあえずまってみるか。」
とその日はそのままでおわった。
資料請求をしてから5日が過ぎた。この5日間は特に何も起きる事はなく俺はぐうたらとした生活を送っていた。今日確認の電話が入り4億が振り込まれたのだった。俺は早速両親に電話をして「宝くじが当たったからお金を振り込むね。それで旅行でも好きな事に使ってよ。」という事を言って1億ほど親の口座に振り込んでおいた。入金を確認したのか母親から助かるわー。というメールが入っていた。銀行から戻るとアパートの俺の部屋の前宅配業者の人が立っていたので慌てて対応した。受け取ったものはダンボールで宛名などはなかった。ダンボールは大きさの割りに重さがなく中に何も入っていない感じだった。
「とりあえず開けて見よう。」
とダンボールの口に張られているテープを剥がして開いた瞬間まばゆい光を放ち一面真っ白な世界になった。
「なっ!何が起きたんだ?」
と俺は驚いて辺りを見渡す。さっきまで自分の部屋にいたはずなのにあたり一面真っ白な空間になっていた。呆然としていると背後から声が聞こえてきた。振り返るとそこには白いキトンを纏った金髪の美女が立っていた。
「ようこそ。岩泉 洋様。私はアウロラと申します。この度資料請求していただきまことにありがとうございます。」
と微笑みながら頭を下げてくる。俺も釣られて頭を下げた。
「今回は私が管理しているアビスについての説明をさせていただきますね。こちらをご覧ください。」
とアウロラが右手を振るとスクリーンが表示されそこに見たこともない風景が映し出された。右手を動かすたびにスクリーンの画面が切り替わりその都度説明をしてくれる。簡単に説明をすると魔法があり魔物と呼ばれる生物がいる王道のファンタジー世界のようだ。
「と以上がアビスの世界となっております。ここまでで何かわからない事はありましたか?一応こちらを渡しておきます。」
とアウロラがパンフレットを渡してきたので受け取った。
「それでは次はこちらで扱っている商品(スキル等)についての説明に移りますね。こちらをご覧ください。」
とアウロラが1冊のパンフレットを渡してきた。それを受け取り開いてみると多種多様な設定条件やスキル・魔法などアビスで必要となる物のリストと説明。それと値段が記入されていた。
「こちらはアビスに行く事になる場合に必要とされている物のリストとなっております。こちらで言うとラーメンのトッピングと同じものと考えてください。もちろん何もトッピング無しで行ったとしても努力次第で身に付くものもありますのでご安心ください。LVのほうも選択できますその際には負担額も増えていきます。最後になりますが1度アビスにお送りいたしますとこっちには戻る事が出来なくなりますので良く考えてから決断してくださいね。もちろん例外はありますけれどね。その例外は最後のページに書かれてありますのでお読みください。」
と微笑むオウロラ。俺はその言葉の通り最後のページを見ることにした。最後のページに書かれてあるものは古代魔法文字と忘却魔法と言うものだった。この2つはセットでの販売のようだった。古代魔法文字を使用して忘却魔法の1つである転移を使うことにより戻ってこれるようになるとパンフレットには記入されていた。このセットだけはLVを選ぶ事が出来ないらしく地道に上げていかないと転移は使えないと書かれていた。ここで俺は転移がどれくらいのLVで使えるようになるのか聞いてみることにした。
「どれくらいで転移が使えるようになるんでしょうか?」
「それは個人差があるので一概には言えません。といってもかなり昔に忘れ去られているので今となっては使える人がいませんのでお教えする事ができません。申し訳ありません。」
と頭を下げるアウロラ。
「そうなんですね。わかりました。」
そういって俺は古代魔法文字と忘却魔法の説明を読んでいく。この2つは魔法文字を物に魔力で書いてからその書いたものに魔力を流して使用するという物だった。詠唱をして発動できる魔法と違ってかなり面倒くさい事もあって忘れ去られたのだろう。LV1だと使える魔法文字も限られているために対した事はできないみたいだった。
「アビスには今から行くんでしょうか?じっくり選んでみたいんですけど。それにお金の用意が出来ていませんし・・・。」
と俺が言うとアウロラは微笑みながら。
「いいえ。そんな事はありませんよ。じっくり選んでもらって構いません。それとお金のほうはこの器具にお金の入っているカードをスキャンしてもらえれば大丈夫になっていますので大丈夫です。それではじっくり選んでみてください。あっ!忘れるところでした。こちらをどうぞ。」
とアウロラから珠のようなものを渡された。
「これは何ですか?」
「これは私を呼ぶための道具になります。使用方法はこの珠を握り締めるだけで大丈夫ですので選び終わったら使ってください。それでは私はこれで失礼します。」
というとまた強い光が発生して目を瞑った。再び目を開けると一面白い空間から自分の部屋に戻っていた。
「まさか本当に別世界に行くことが出来るなんて思っても見なかったな。わくわくしてきたな。」
と呟きながら改めて確認をしながら貰ったパンフレットを眺めて必要なものをピックアップしていく事にした。
「改めて確認を兼ねてアビスについて学んでいこう。まずは世界観についてかな。」
と貰ったパンフレットを読み直していく。パンフレットに載っている街並みは地球の中世くらいの文化LVのようだった。水準もおそらくその辺りの水準なんだろう。ここまでは地球で言えば海外の田舎って雰囲気で問題はなさそうだ。次は住んでいる種族。これはラノベと呼ばれる小説に出てくるような種族がいるようだ。肉体の強さなどは種族によって差があるらしいがLVと言うものが存在していてそれ次第では差がなくなったり凌駕できたりもする。肉体のLVだけではなくスキル等にもLVがあり最大LVが10まである。魔物と言う存在を倒すことによって上がったりするまさにゲームのような世界だった。
「見れば見るほどに不思議な世界だよな。ゲームなら死んだりしたら「おお。死んでしまうとは情けない」とかいって教会で復活とかするんだろうけど流石にそれはないんだろうな。十分に注意して行かないとな。次はスキルだな。」
とスキルが書いてあるパンフレットを捲る。
「えーっとまずは日常系スキルからだな。全アビス使用言語理解・筆記・料理・計算・木工 etc…ふむ。これは基本的に言語と筆記以外は買わなくても何とかなるかな?値段は言語・筆記500円って安いだろう。まあこれは買いだな。次は戦闘系スキルか。大剣・長剣・短剣・刀・短刀・長槍・短槍・槌・杖・斧・片手斧etc…これが武器系か。魔法系は火・水・風・土・氷・雷・光・闇か。各種LV1で10万でLVが上がるごとに倍になるみたいだな。LV10に一気にするには5120万か。そこそこいい値段するな。次は常時発動するスキルか。これにはLVがなくて効果範囲で値段が変わるようだな。範囲は1m~100kmで任意で他の人にも効果を出す事が出来るのか。1mだと1000円で最大値の100kmで1000万になるのか。あるのは全成長率2~3倍・習得速度2~3倍の2つか値段は成長率は2倍750万。3倍で1500万で習得のほうは2倍は500万と3倍が1000万だな。成長率のほうが若干たかいな。」
とスキルのほうを見ていく。
「次は補助系のスキルか。これはアイテムボックス・鑑定・偽装・変化・魔力察知か。アイテムボックスは特大・大・中・小で値段が違うね。上から300万・150万・100万・50万か更に倍でボックス内の時間停止が付くのか。鑑定と偽装は魔法とかと同じで10万からだな。この変化って言うのは説明を見ると魔物にしか使えないみたいだけど何だろうね?値段も10万からだし買ってもいいかな?最後はアレだな。古代魔法文字と忘却魔法。これは必須だよね。時間がかかっても転移できるのは大きいし。その分値段も2億とか別格すぎる。」
ととりあえず全て目を通して必要と思われる物を選んでいく。選んだのは次のスキルだ。古代魔法文字と忘却魔法・アイテムボックス・特大・鑑定LV1・偽装LV1・変化LV1・魔力察知LV1・成長・習得3倍・100km・光魔法LV1・長剣LV1・言語・筆記・木工に決めた。魔法と武器等は買わなくても覚える事が出来るかも知れないと思ってだ。保険として長剣と光を買うことに決めてはいる。これだけでもざっと2億5000万の出費だから結構な買い物だろう。5000万程度残しておけば帰ってきたときに路頭にまよわないですむだろうと言う考えからだ。
「さあとりあえず候補も決まったことだし今日はこれから食料やら色々買い込みにいこう。その前にネットで中世の暮らしぶりを調べてから行くのもありだな。」
とネットで調べてから出かけ買い込みを終わらせてその日は終わったのだった。
読んでいただきありがとうございました。