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龍の灯火  作者: 森 翼
7/13

忠誠心

水精霊は紅蓮の剛翼相手に押していた。流石は六精霊である。龍神王の次の次に権力があるだけはある。紅蓮の剛翼が弱いわけではなく、水精霊が強すぎるだけだ。それに相性も悪い。

「もう終わりか?紅蓮の剛翼の名が泣くな。」

「くっ、黙れ。」

「では終焉だ。氷柱。」

水精霊が氷柱と言った途端、先が鋭い氷柱が幾千と現れ、それが紅蓮の剛翼の身体を貫く。

「ぐぅぁーっ。」

「さぁ、もう降参して龍神らしく龍神王様のもとに仕えろ。」

「龍神王には仕えられない。なぜならな…」

紅蓮の剛翼の身体が変化し始める。そして微笑みながら優しい声で、

「俺はなにがあろうと龍妃様に全てを捧げ、忠誠を誓ったからだ。その忠誠心は自分自身の身をも犠牲にする。だから…」

水精霊は油断なく構え、相手を見る。

「龍妃様の命令に従う。例え何が俺を阻もうとも。」

そして紅蓮の剛翼は龍化した。

「やめるんだ。龍神が龍化すると莫大なエネルギーを得られるが体力を物凄く消耗するぞ。」

この戦いの中での唯一の好意的な笑いで答える。

「構わない。我が主がそれを望むならば。」

ウガァォァォー、と、低い唸り声を響かせて、炎を吐く。しかし、水の防御の結界を扱える水精霊には届かなかった。

「無駄だ、紅蓮の剛翼。私に炎は効かない。おまえ程度ならな。」

しかし、炎を吐きつづけて、体力の限界が来て、元の姿に戻りその場に倒れた。悔いのない仕事をしたような笑顔を残して…。




紅蓮の剛翼がかけた精波が解けて、高川は自由に動けるようになった。が、しかし、動けなかった。無惨に倒れた父親と、焼けた有と守野を見て…。

水精霊はシャウトとライズに回復の精波を使い、ライズに話し掛ける。

「仕事はこなした。」

「感謝します。」

「なら…、」

ライズが大声で水精霊の言葉を遮り、敵対する言葉を発する。

「でも…、貴様は許さない。例え何があろうともな。」

「いい加減にしろ。」

シャウトが仲裁にはいる。

「・・・申し訳ありません。」

そしてライズは黙り込んだ。

「水精霊、感謝する。」

「いえ、皇子を守るのは私の仕事ですから。」

「ありがとう。」

「では、これで私は失礼します。」

そう言って、水精霊は異空間から去って行った。


「紅蓮の剛翼、」

倒れている紅蓮の剛翼に向かって、ライズは語りかける。「きっと、きっと、もう一度やり直せますよ。」

「そ…うか…い、でも…、少し休まないと…、俺は…、」

「ゆっくり考えろ、紅蓮の剛翼。」

「そうだな…。」

「とりあえず家で休んでもらいます。」

「あぁ、」

そう言って、紅蓮の剛翼はゆっくりと目をつぶった。



一方シャウトは…。

「咲、なにも心配はいらないよ。」

「うん。」

咲の長い直毛が有に絡み付く。

「泣きたい時は泣いていいんだよ。」

そう言うと、咲は有に抱き付いて、泣き叫ぶ。

「お父さんが、お父さんが…、なんで…、」

「俺はいろんな龍神を見てきた。そういう龍神もいるさ。」

「有君だってボロボロだし、お父さんは、なんでひどい事をするの…?」

「それは、意志の強さだよ。きっと咲もわかる時がくるよ。」

うん、と、頷きその場に崩れた。




その頃ハスナは、

「ドルドームが発生している。一体何が…?」

もう戦いは終わっている事を知らなかった。

ここで整理しておきたいと思います。シャウト:結城有,,,ハスナ:結城叶,,,ライズ:守野光,,,と、なっています。

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