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「席替えドキドキ大作戦!ファインプレーはだぁーれだ?」

 ・・・えっと、俺たちに何をしろ、と?

 紙の四隅をマグネットで止め、腕を組み教室を歩き回る先生。

「いいか、俺がいくら頼んでも冷酷なお前らは頑張らないと思って、こんなプランを考えておいた。この球技大会の後、席替えを行う。ただし、ただの席替えじゃない。これからルールを説明するから、よーく聞いとけよ。」

 そして先生の説明が始まった。

「まず、俺の独断によってこのクラス全員の球技大会貢献ランキングを作る。そして、ランキング上位の者から好きな席を選んで座っていくわけだ。しかーし、これは席替えドキドキ大作戦だ。ドキドキしなけりゃ意味がない。だからこのルールにアレンジを加える。まず、女子がランキングに従って席を決める。次に男子がその座席表を見てランキング通りに席を選ぶ。全部決まったらご対面だ。女子のみんなは、ここで『えー』とか『うひゃ』とかなるはずだ。『うひゃ』な人はいいが、隣の席が『えー』だった女子は、かわいそうなので席の交換を認める。ただし、条件がある。隣の『えー』な男子のランキングが自分より低いこと。それから、交換する相手の女子のランキングが自分より低いこと。以上だ。みんなわかったと思うが、この席替えは貢献ランキングが全てを左右する。つまり、良い席も悪い席もお前らの努力次第ということだ。くれぐれも男子諸君、球技大会でかっこいい姿を女子の目に焼き付けておいた方がいいぞ。『えー』とか思われないようにな!」

 先生は言うだけ言って、笑いながら教室を出て行った。

 なんだこれ、これが教師のやることか?

 俺はもう呆れを通り越し、感心の域に達していた。

 

 この後、俺たちが目の色を変えて練習を始めたことは言うまでもない。

 そして、担任のあだ名がフッシンに決まった。

 伏見だからではない。不審者のフッシンだ。満場一致でこの案が通った。

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