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だいぶ短くなりました。
区切りが悪かったので仕方なく。
さて、マラソンのスタートから10分程経過した。もう半袖短パンの寒そうな体操服の姿はどこにも見えなくなっていた。
コースはもうすぐ田んぼ道に差し掛かろうとしている。
今走っている大通りをそれて細い砂利道の方へ進むと、気が遠くなるほど延々と続いている田園地帯が待ち構えているのだ。
マラソンコースの9割がこの田んぼ道であると言っても過言ではない。
夏や秋だったら良かったのだが、今は冬真っ最中。辺り一面泥沼で、殺風景にも程がある。みんなはここでじわじわとやる気や体力やその他もろもろの精神的安定を奪われていくのだ。
俺はそんな田んぼ道へと続く砂利道を一瞥し、そのまま真っ直ぐに大通りを突き進んだ。
息を切らせ、満身創痍になって茶色の景気を走り続ける憎たらしい級友達を頭にちらつかせながら。
この足取りに迷いはない。
今日はここが本当のスタートライン。ここから地獄が始まるのだ。
マラソンコースを抜け出した俺の足は、さっきの3倍のスピードで無理矢理動き出していた。