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 不可解なことがある。

 俺の隣には藤野がいて、高宮の隣には、激しいバトルの末、結局女子内ランキング二位が座ることになった。

 まあ、そこまではいい。当然の成り行きだ。

 しかし、下克上ルールの発案者である神宮司影の席、そこはお見合い席のままだった。影の隣を狙う女子もいたのだが、場所が場所だけにそれ程の人気はないようだった。

 そう、彼は自分から提案した下克上をしなかったのだ。

 なぜ?自分の席を変えるためにあんなルールを作ったんじゃなかったのか?

 お見合い席に座ることを勝手に決められたのが嫌だったんじゃなかったのか?

 そうでないとしたら、どうして下克上を発案したりしたんだろう。

 それが彼にどんな影響を与えるっていうんだ。


 その答えは、意外なことにあっちの方からやって来た。

 席替え後の昼休み、珍しく高宮からサッカーに誘われなかったから、俺は返却期限を恐ろしく過ぎてしまった本を持って図書室に来ていた。

 こんな昼休みは久しぶりだ。最近は高宮に引っ張られてクラスメイト達とサッカーボールを追いかけてばかりだった。

 今日は声一つかけてこなかった高宮。さすがに腹を立てたんだろうか。

 窓の側へ移動して外を眺める。グラウンドを走り回り、今まさにシュートを決めた高宮をすぐに目で捉えることができた。

 いつものように光を発散させながら輝いている太陽。コロナで覆われていなくたって何も変わりはしない。

 ・・・外から見る分には。

「あ、こんなところにいたんだ。」

 いきなりの声にはっとして振り返ると、そこには本棚に寄りかかった影がいた。

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