表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/48


 多数決により影の提案は通った。八割の男子が賛成したのだ。

 もちろん、悔しい思いをした奴が多かったのがその理由なのだが、何より彼の話した提案はおもしろかった。

 俺の考えるところによると、このおもしろさは、影が話しているから生まれるものらしい。

 こちらの考えを実に上手くくみ取り、それに合わせて口調を微妙に変化させる。淀みのない滑らかな説明に潜む揺らがない自信。

 神宮司影。並の中学生じゃない。将来はやり手のセールスマンかプロの詐欺師になれそうだ。


「切磋琢磨、下克上九人の三倍で27回。プラス一で28、と。」

 フッシンがネームペンで俺の手の甲に28と書く。くじ引きに参加する人間は、公正を守るために用意されたフッシンという審判によって、手にくじ引きの回数を書かれるのだ。

 それにしても・・・なぜネームペンを使うんだ。これ完全に消えるまで一週間はかかるぞ。それもこんなにでかでかと・・・。

 俺は、自分の手の甲を見た人間が「あの28には何の意味があるんだろう」と頭を悩ませている場面を想像し、溜息をついた。

 その時、全員の手の甲に数字を書き終えたフッシンが言った。

「それじゃー、下克上を始める。参加する奴は箱の周りに集まれー。」

 準備は整ったようだ。

 俺はニヤリと微笑んだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ