タイトル：（仮）夢が冷め過ぎて凍り付いた男の恐怖（元未公開作品）
初めまして、天川裕司です。
ここではシリーズでやってます『夢時代』と『思記』の原稿を投稿して居ります。
また、YouTubeドラマ用に仕上げたシナリオ等も別枠で投稿して行きます。
どうぞよろしくお願い致します。
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
お暇な時にでもぜひどうぞ♬
【アメーバブログ】
https://blog.ameba.jp/ucs/top.do
【男山教会ホームページ】
https://otokoyamakyoukai.jimdofree.com/
【YouTube】（星のカケラ）
https://www.youtube.com/@%E6%98%9F%E3%81%AE%E3%82%AB%E3%82%B1%E3%83%A9-v5x/videos
【ノート】
https://note.com/unique_panda3782
【YouTubeドラマにつきまして】
無課金でやっておりますので、これで精一杯…と言うところもあり、
お見苦しい点はすみません。 なので音声も無しです（BGMのみ）。
基本的に【ライトノベル感覚のイメージストーリー】です。
創造力・空想力・独創力を思いっきり働かせて見て頂けると嬉しいです(^^♪
出来れば心の声で聴いて頂けると幸いです♬
でもこの条件から出来るだけ面白く工夫してみようと思ってますので、
どうぞよろしくお願いします(^^♪
タイトル：（仮）夢が冷め過ぎて凍り付いた男の恐怖
1行要約：
夢が悪夢の現実に変えられた男の末路
▼登場人物
●永年寝太郎：男性。45歳。生真面目。これまで浮気をした事が無い。幸せな家庭を持っているが、1度くらい若い女と浮気したいという願望を持つ。普通のサラリーマン。
●永年良子：女性。44歳。寝太郎の妻。器量が悪い。太っている。気立てはとても良い。良妻賢母。家庭的で優しい。夫の事をとても想っている。
●永年達夫：男児。5歳。寝太郎の長男。
●永年静香：女児。7歳。寝太郎の長女。
●明里透子：女性。享年25歳。生前に根っからのプレイボーイに遊ばれ、性病を移された上、自殺する。男に恨みを持って死んだ。グラマラスで美人。
●定目田 恋：女性。30代。美人。恋愛コンサルタントを営む。寝太郎の「浮気したい」という欲望から生まれた生霊。
●マスター：バー「沈海」のマスター。男性。40代。まるきり無口。
●新田：女性。40代。10年後に永年家に住む別の家族の妻。
▼場所設定
●永年の自宅：小さな一戸建てのイメージで。ややボロい感じ。
●丸ツボ商社：寝太郎が働いている。普通の商社のイメージで。
●夢町ホテル：一般的なラブホテルのイメージで。夢町通りにある。
●バー「沈海」：薄暗いバー。定目田 恋の行き付け。
NAは永年寝太郎でよろしくお願いいたします。
オープニング～
魔女子ちゃん：ねぇぷちデビルくん！ぷちデビルくんってさぁ、浮気とかした事ある～？
ぷちデビルくん：浮気だぁ？ンな俗物がやるようなこと俺がするワケねーだろ！
魔女子ちゃん：あそっかぁ、ぷちデビルくんってまだ1度も女の子とまともに付き合った事無かったんだよね？
ぷちデビルくん：な…馬鹿にすんじゃねぇよ！俺だって女の10人や20人、ちゃんといるってんだよ！
魔女子ちゃん：あー確かアンタのデスクの上に並べられた女の子のフィギュアだっけ？
ぷちデビルくん：バラすなぁ！
魔女子ちゃん：まぁまぁ♪今回はね、とっても真面目な或る旦那さんにまつわるホラー譚なんだ。その人の家庭は暖か～い家庭で奥さんも優しいんだけど、でも1回くらい破目外して浮気してみたい…なんて気持ちも密かにあったの。
魔女子ちゃん：その奥さんてのが歳のせいか、ちょっと器量が崩れて来ちゃってね。余計に浮気願望が高まっちゃうんだ。
ぷちデビルくん：フン、まぁ人間界にはよくある話だな。
魔女子ちゃん：である日、1つのきっかけでその浮気が叶っちゃうんだけどね、その後がかなり悲惨な事になっちゃうのよ。ホラーと言うかちょっとミステリアスな感じのお話だから、そのつもりでじっくり見てみてね…
（↑朗読動画の場合は無視して下さい↑）
メインシナリオ～
（メインシナリオのみ＝4528字）
ト書き〈暖かい家庭の団欒〉
NA）
俺の名前は永年寝太郎（45歳）。
優しい妻と2人の子供に恵まれ。生活は充実している。
でも最近、少しだけ心に不満が募る…
良子）「はいあなた。お弁当」
寝太郎）「や、有難う」
良子）「ここんトコお仕事忙しいようだけど、ムリしないでね」
寝太郎）「ああ♪じゃ行って来るよ」
良子）「いってらっしゃい」
ト書き〈会社〉
寝太郎）「はぁ…。何でこんな気分になっちゃうんだろ。妻は優しいし、いつも俺の事を気遣ってくれるし、子供も可愛いし、文句なんて無い筈なのに」
寝太郎）「ふぅ…。でも、妻も年取っちゃったなぁ…」
NA）
人は誰でも年を取れば美を失って行く。
これは男も女も同じだろう。
妻の場合はその辺りの劣化が特にひどい。
おまけにかなり太った。
妻を見ても全然ときめかなくなった自分が、俺の心に居座っている…
寝太郎）「こんな事じゃいけない…！俺がしっかりしないでどーする！」
NA）
最近はこんな調子の連続だった。
ト書き〈会社帰り〉
NA）
今までの生真面目な性格が、最近になって俺の心を大きく揺さぶる。
寝太郎）「…でも1度くらい破目を外してみたい。せっかくの人生なのに、このまま終えてしまって良いものか…」
ト書き〈バー「沈海」の前〉
NA）
仕事帰り、俺は見慣れないバーがあるのに気付いた。
寝太郎）「あれ？こんな所にバーなんてあったっけ？」
NA）
この日、俺は少しでも気分を高揚させようと、バーに立ち寄った。
ト書き〈入店〉
入店音）「カランカラン♪」
NA）
中は薄暗く、人気はほとんど無い。
マスターだけがカウンターの中でグラスを拭いている。
でもそのマスター、客が来たと言うのに何の挨拶も無い。
寝太郎）「…いやに静かなトコだな。客が来たのに挨拶も無しか…」
NA）
少し陰気だったので出ようとした時、1人の女性が声を掛けて来た。
恋）「今晩は」
寝太郎）「ん？」
NA）
見ると、奇麗な人だった。
恋）「もし良かったら、ご一緒しませんか？あたしも1人なんです」
NA）
見れば見るほど美しい。
それから俺はその女性と暫く一緒に飲んだ。
ト書き〈悩みを打ち明ける〉
恋）「なるほど。寝太郎さん、そう言うときめきが今欲しいんですね」
寝太郎）「そうなんです。いきなり会ってこんな事言うのも何ですけど、最近どうも女房見ていても、心がまるでときめかないって言うか。もう少し人生エンジョイしたいって言うか…」
恋）「つまり今の奥さんよりも、若い女の子と付き合いたいと…？」
寝太郎）「あ…いや…そうはっきり言われちゃうと…。ハハ…まいったな…」
NA）
その女性の名前は定目田 恋。
彼女は恋愛に興味があるようだ。
俺がポツリと妻に対する不満を言った途端、急に乗り気で話をして来た。
やたら聞き上手であり、俺は心の不満や欲望を引き出される感じがした。
ト書き〈透子を紹介する〉
恋）「わかりました。では寝太郎さんに、女性を紹介してあげましょう」
寝太郎）「え？いきなりそんな…。あなた一体どういう方なんですか？」
恋）「申し遅れました。私こう言う者です」
NA）
ニコッと微笑み、彼女は名刺を差し出した。
寝太郎）「恋愛コンサルタント『夢の定まり会』会長…？」
恋）「あなたのように真面目に働ながらも、『人生これでいいのか』なんて悩んでる方々の為に、理想的な出逢いをセッティングさせて頂きます」
寝太郎）「で…でもいきなり紹介って言うのはちょっと…」
恋）「ええ、じっくりお考えになられてからで結構ですよ。その名刺は差し上げますから、もしご決心が付きましたらお電話下さい。もし要らないようでしたらその名刺、破り捨てて結構です」
NA）
それから暫く談笑し、その日は帰った。
ト書き〈その夜、自宅にて〉
達夫）「ねぇパパ！ほら見て、今日テストで80点取ったんだよ♪」
寝太郎）「おぉ～凄いな！達夫はパパとママに似て頭が良いんだなぁ」
静香）「ねぇパパ！ホラあたしも！今日作文で花マル貰ったよ♪」
寝太郎）「やぁ静香も凄いなぁ♪静香は文才があるのかもなぁ」
良子）「ふふ、2人とも良かったわねぇ」
達夫・静香）「うん！」
ト書き〈子供が寝てから、リビングで〉
良子）「はいあなた、お茶が入ったわよ」
寝太郎）「有難う」
良子）「今日もお疲れ様」
寝太郎）「…なぁ良子、今度の日曜日、子供たち連れてどっかピクニックでも行くか。お前と一緒にどっか行くって事も最近無かったし…」
良子）「有難うあなた。でもそんなにムリしなくていいのよ。あなたは毎日お仕事頑張ってくれてるんだから、ピクニックなんて行ける時でいいわよ」
良子）「あたしは、あなたが健康でいてくれさえすれば、それで十分幸せよ」
寝太郎）「…お前」
ト書き〈翌日の仕事帰り、バーの前〉
NA）
翌日の仕事帰り。
俺はまたバーの前で立ち止まった。
寝太郎）「ダメだ！ウチに帰ろう！」
NA）
魔が差したように「立ち寄りたい」と思ったが、やはり俺は帰ろうとした。
しかしその時…
ト書き〈向こうから恋が来る〉
恋）「あら？寝太郎さん」
寝太郎）「こ…恋さん」
NA）
帰ろうと歩き出した直後、目の前に彼女が現れたのだ。
彼女を見た途端、俺の理性が少し緩んだ。
結局彼女とバーに入った。
寝太郎）「あ、あの、昨日紹介するって言ってたその女性なんですけど…、その人ってどんな人なんですか？」
NA）
俺は何かに憑かれたように体が熱くなり、つい訊いた。
恋）「彼女ならもう来てますよ」
寝太郎）「え？」
恋）「ほら、あなたの隣りに…」
透子）「初めまして、おじさま♬」
寝太郎）「うぁ！」
NA）
俺はびっくりした。
恋）「彼女は明里透子さんです。25歳だけど彼女は年上好みで、あなたのような方がタイプだって言ってます。ね、透子ちゃん？」
透子）「ええ♪あたし、おじさまみたいな人ともしお付き合い出来るなら、本気で結婚も考えます！あたしみたいな子、タイプじゃないですか？」
寝太郎）「え…ほ、本当に…」
NA）
俺の心は大きく揺れた。
男なら誰だってこんな状況に巡り合えば心が揺れる。
1度なら…1度くらいなら、俺だってこんな事をしても許されるだろう…。
そう思い、気が付くと、透子の手を握っていた。
それから自分を勢い付けようと酒を注文した。
寝太郎）「へっへっへ！1回くらいこういうお楽しみがあったってイイだろう！なぁ透子ォ！はっはっは」
NA）
それまでの生真面目な殻をすっかり脱ぎ去り、透子一色に染まった。
この透子という女も見れば見るほどグラマラス。
その体から発散する妙な色気が俺の心にまとわり付いた。
でもこの時、俺を窘めるように彼女が言った。
恋）「寝太郎さん。1つだけ確認したいのですが。もしいま透子さんとそう言う関係になれば、あなたはもう元の生活に戻る事は出来ません。それでも良ければ、透子さんと一緒に好きな場所へ行って、夢の世界をご堪能下さい」
恋）「でも、奥さんや子供を大事に思う上でご家庭を守りたいたなら、今すぐお帰り下さい。私は強制しません。透子さんも同じです。どうされますか？」
寝太郎）「何だってぇ？こんな所まで来て何を言ってんれすかぁ～」
NA）
酔いながらも、俺は不思議と冷静に考える事が出来た。
今までの家庭を取るか、それとも行きずりの透子とこのまま駆け落ちし、夢の世界へ埋没するか…その両天秤がはっきり見えた。
瞬間だが、俺はかなり悩んだ。
そして…
寝太郎）「透子ちゃぁあぁん♪」
NA）
俺は目の前の透子に抱き着いた。
抵抗しない透子の体を抱いて、勢いで店を出た。
バーから近くの夢町通りへ行き、そこにある「夢町ホテル」に透子と入った。
「1度くらい許される…男なら誰でもやってる…」
そんな常識が、その時の俺を勢い付けた…
ト書き〈ホテルにて〉
NA）
しかし不思議な事に、ホテルへ入った瞬間、物凄い睡魔がやって来た。
寝太郎）「な…なぁんだぁ…？」
NA）
俺はすぐに眠った。
何もしないまま寝続けた。
そして…
ト書き〈10年後〉
透子）「おいアンタ！いつまで寝てんのよ！とっとと起きろよこの馬鹿！」
NA）
俺は透子の罵声で目が覚めた。
寝太郎）「ン？…ハレ？こ…ここはぁ…？」
透子）「なに寝ぼけた事言ってんだよこのクソジジイが！」
寝太郎）「え…えぇ…？」
NA）
目の前の透子は鬼のような形相をしていた。
それまでの愛らしさはひとかけらも無い。
寝太郎）「き…キミは…？」
透子）「アタシの事ずっとほったらかしにして寝続けといて、よくそんな呑気垂れてボーッとした事言えるわねぇ！ま、ヤル事ぁやっといたから、もう別にアンタなんかどうだっていいけどね。あついでに、アンタに病気移しといてやったから♪まぁ今後は精々苦しむ事ね♪」
透子）「あそれとォ、ここのホテル代。10年分ツケにしといて貰ったからそれもちゃんと払いなよ！じゃあね～」
寝太郎）「へ…？」
NA）
そう言うと透子は出て行った。
ぼーっとした目で備え付けの鏡を見てみると、そこには…
ト書き〈透子が口紅で落書き〉
『ようこそ！体が朽ち果てる恐怖の世界へ！』
NA）
おそらく透子が遺したのだろう。
口紅の文字でそう書かれていた。
更に鏡に映った俺の顔は、以前に比べてかなり老けていた。
ト書き〈ホテルを出て大急ぎで自宅へ〉
寝太郎）「お、おかしい！何だこれは…！」
NA）
俺はそれから服を着て、大急ぎで部屋の窓から外へ出た。
口紅の文字も、ホテル代の事も一旦忘れた。
帰る途中つい習慣で、売店で新聞を買った。
そこには…
寝太郎）「えぇ…？2030年？！」
NA）
新聞の日付は2030年。知らない内に10年経っていた。
周りを見ると、何となく環境が違って見えた。
俺は又走り、急いで自宅へ戻った。
ト書き〈表札が変わり家族はいない〉
寝太郎）「た…ただいまぁ！今帰ったぞォ！」
NA）
俺はこれまでの自分の過ちをかなぐり捨てるように大声で叫んだ。
しかし出て来たのは…
新田）「何よアンタ！どちらさん！？」
寝太郎）「い…いや私はここの亭主だ！あ…あんたこそ一体誰だ！？」
新田）「はぁ？！私はここの住人よ！」
NA）
全く見知らぬ別人が出て来た。
新田）「永年さんなんてここいら界隈にゃいないわよ！あたしゃもうここに9年も住んでんのよ！？変な言い掛かり付けると警察呼ぶわよ！」
ト書き〈追い出される〉
寝太郎）「い…一体…どうなってるんだ…！こ…こんな事って…」
NA）
俺はそれから自分の家を探し回ったがどこにも無かった。
俺の体は性病に苛まれていき、数か月後、歩く事も覚束なくなった。
更にホテル代5千万もの借金を負わされていた。
取り立て屋がそろそろ俺の体を切り刻んで売ろうとしている。
俺はもう完全に絶望の淵にあり、ただ人生を卒業する日を待つ身となった。
ト書き〈寝太郎の様子を遠くから眺める〉
恋）「私は寝太郎の欲望から生まれた生霊。あのとき奥さんと子供達が待つ家に帰っていれば、こんな悲惨な目に遭う事も無かったのに。ただ1度の過ちが、その後の人生を定めてしまう事もあるものよ」
恋）「明里透子は25歳でこの世を去った女の生霊。生前、根っからのプレイボーイに遊ばれて、性病を移された上、自殺までした哀れな女」
恋）「彼女は男への怨念を募らせて死んだ。私はその彼女の霊を引き寄せて、寝太郎の心を試すキッカケに使った。彼女の思いを遂げる事も同時に汲んで」
恋）「夢が冷めた後は虚しいものね。今度見る夢は、永遠の夢であるように…」
エンディング～
魔女子ちゃん：はぁ～、結局、寝太郎は破滅の人生を選んじゃったって事かぁ。でもこのストーリーではこんな感じで破滅に終わっちゃったけど、実は世の中、同じような事しててもこんな破滅には至らないケースもあるんだろうね。
ぷちデビルくん：ンダな。人間の世界にゃ欲望がやっぱ渦巻いてるから、結構、みんな暗黙の了解でそこら辺の罪の意識なんてーのには蓋をしてるんじゃねぇか？
魔女子ちゃん：だね。でもあんなに良い奥さんと可愛い子供がいたってのに、やっぱ浮気しちゃったらダメだよね！自業自得って言うか。
ぷちデビルくん：まぁ魔が差すってのは、そういう幸せを省みずに思い切った行動に出るモンだから、しょーがねぇんじゃね？
魔女子ちゃん：でも良い事と悪い事の区別はちゃんとしとかなきゃね。
ぷちデビルくん：それが出来ねぇのが人間なのさ。大人になれば子供の時より善悪の区別が無くなるって言うしな。
魔女子ちゃん：大人になったからこそ、逆に善悪の区別しっかり付けなきゃいけないんじゃないの。
（↑朗読動画の場合は無視して下さい↑）
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
お暇な時にでもぜひどうぞ♬
