表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/36

第一章 第一節 王都の決断

第1章が始まります。

ここから読んでいただける方は、本当にありがとうございます!


物語の始まりなので、説明が多いかと思いますが、

お付き合いいただけると嬉しいです。

それでは封印戦記、始まります٩( ᐛ )و

 ―王都アルディナス―


 この地には、千年の歴史が刻まれている。大陸の中心にそびえる城は、幾多の戦火を超えてなお美しく、白亜の壁は朝日に照らされて淡く輝いていた。


 王城アルディナス・謁見の間


 静寂と荘厳さが支配するその空間の中心、王国の女王にして神聖騎士団総帥、イザベル・アルディナスが白金の王座に座していた。


 その身に纏う衣装は神聖騎士団の総帥としての威光を放ち、背筋を一分の隙もなく伸ばす姿は、ただの王ではない“覚悟”をにじませていた。


 「よく集まってくれました」


 イザベルの声が響くと、膝をつく三つの影が一斉に顔を上げた。


 神聖騎士団副団長レオンハルト・ルシアード。

 黄金の髪に鋭い双眸を持ち、無駄のない所作と冷静な判断力で騎士たちの信頼を得る男。


 戦士の国ヴォルカニアの傭兵グレン・ストレイヴ。

 赤い髪と野性味を帯びた鋭い視線を持ち、粗野ながら実力は折り紙付き。


 そして、二人の間に立つのは女王の息子にして、感応者の素質を持つ青年アシュラン・アルディナス。

 銀の髪に王家の血の証を宿し、まだ若きながらも静かな闘志を滲ませていた。


 「東方のオルデナ遺跡にて、封印の異常が確認されました」


 イザベルの言葉に、三人の表情が一瞬で引き締まる。


 「……封印が?」とアシュラン。


 「ただの経年劣化では?」とグレンが呟く。


 しかしレオンハルトはすぐに問いかけた。


 「各国への報告は?」


 「まだです」イザベルは毅然と答える。「現時点で報せれば、不用意な混乱を招きかねません」


 「ふうん……随分慎重だな、女王様」ガレンが肘をつきながら苦笑した。


 「慎重であるべきです。これは……予兆かもしれませんから」


 女王の言葉は重い。


 古来より、大陸に散らばる六つの封印は“魔王”の復活を防ぐための要石だった。だがその均衡が崩れるということは、単なる魔物の発生では済まない。


 「アッシュ」


 イザベルが、実の息子に視線を向けた。


 「これはあなたにとっても、大きな試練となるでしょう」


 アシュランはゆっくりと頷いた。


 「……分かっています。俺にできることを、やってみせます」


 感応者、それは“気配”を読み取り、わずかな異変すら察知する特殊な能力を持つ存在。アシュランはその稀有な力を、過去に幾度も発揮してきた。


 「封印の異常、そして魔物の出現……。すべてが偶然でないのなら、行動を起こすべき時です」


 レオンハルトが口を開く。

 「……現地に向かい、事実を確かめ、必要ならば武力行使も辞さない」


 「オッケー! どうせ戦いになるなら、俺達の出番ってわけだな!」と、グレンが豪快に笑う。


 イザベルはそんな三人を見渡し、厳しさの中にある柔らかさで語りかけた。


 「アッシュ、レオンハルト、グレン……王国は、あなたたちに未来を託します」



 ***


 王都の石畳を三人が歩いていく。


 アシュランの肩にはまだあどけなさが残るが、その瞳には迷いがなかった。


 「母上……いえ、女王は……俺に“なに”を求めているんだろう」


 「答えは現地にある。それが騎士の道だ」レオンハルトが短く返す。


 「つーか、ちょっとは気楽にいこうぜ」グレンが頭の後ろで手を組みながら笑った。「何が出てきても、俺が全部ぶっ飛ばしてやるからさ」


 三者三様の歩調が、一つの目的へと向かって進んでいく。


 まだ見ぬ封印の異変。

 そして、その背後に潜む“暗黒の影”。


 だが、彼らはまだ知らない。


 その地で待つ“謎の少女”と出会うことを。

 そして、それが世界の均衡を揺るがす戦いの始まりであることを。


 《封印戦記》、ここに開幕。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ