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ブレーメンの聖剣 第2章 慟哭(どうこく) 下 (上下2巻)  作者: マグネシウム・リン


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あとがき

あとがき


 さて皆様、この本を手にとってくださりありがとうございます。長らくのお付き合い、ありがとうございました。とうとう「ブレーメン」シリーズも2章を終えることができました。


 感動感涙雨あられ


 僕の活動は、Twitterを離れてBlueskyと「小説家になろう」のみとなりましたが(ときどきpixivにも挿絵を上げてます一応)たくさんの方に読んでいただいて嬉しい限りです。SFジャンルってあまり人気がないですから(泣)みんな異世界に転生したい人ばかりなので。



 2章のテーマは「自己アイデンティティの確立」でした。要は自分らしさを見つけるということです。結構、子供時代って自分らしさがないんですよね。親の生き写しだったり学校では没個性が求められたり、と。で大学生ぐらいでやっと自分らしさを見つけられても社会人になるととたんに没個性、会社の一員になることが求められてしまいます。そんなつまんない人生の日本人に送りたい作品です。


 と、難しいことを書きましたが僕個人では頑張ってライトノベル風に仕上げたつもりです。。。。ラノベ、読んでないんですよねあまり。でもサクッといいテンポで読めるようにと頑張りました。頑張ってルビ、書きました(笑 前作の第1章はガッツリミリタリー戦争モノ、戦記モノでしたが、今回の第2章は笑いあり、涙あり、ロボ、学園、ラブロマンスと(若干の下ネタとグロと)けっこうラノベの王道をいったのではないかと。2000年代のラノベですけど。


 反省点は、いささか駆け足になったこと。上巻下巻でword上のページ数(文字数じゃなくて)を長くならないよう設定していたのですが、これでちょうど500pくらい。回想で済ませていたシーンを盛り込めばもう1.5倍ぐらい長くなったと思います。でもどうでしょうね。現状でも読むのに4,5時間ぐらいかかるので、web小説で長くなりすぎると飽きられちゃうかな、とか思ったり。無事に完結できてよかったです。



 では以下、創作秘話などです。ネタバレあるので、気になる方は読まないでね♪




 まず、物語の着想から。これ自体は第1章と同時期に、つまり10年以上前からありました。高校生の時「マクロスFフロンティア」にドハマリしてて、「変形する戦車で戦うストーリー」を考えました。ただ、どう小説に落とし込むかで悩んで、設定だけ書いて終わっていました。15mのロボ、その戦いや操作の仔細を小説で書くなんて。。。。今回も最初は結構悩んでました。ロボものは漫画ならよくありますけど、文字だとどうしても説明が冗長になってしまうんです。


 物語の最初の「主人公が偶然、意に沿わない形でロボに乗り込む」という表現は一種のお約束。初代ガンダムからマクロスまで、よくあるやつです。主人公に異様な適性があるわけなんですが、それをどう自然に物語に組み込むかが悩みどころでした。今回は「本来ブレーメン用に作られた外骨格装備を継承・発展させた」兵器として可変戦闘車(ジャガー)が登場します。なので、主人公も難なく扱えたわけです。そしてヒト型兵器の意味づけとしては「すばしっこい巨大な敵と戦うため」としました。マクロスも同じですね。巨人ゼントラーディと戦うためにバルキリーが開発されました。


 一方、兵器とは「必要に応じて発展する」ものと思っています。技術があるから作るのではなく、敵(戦い)があるから作られる。この物語でミサイル兵器は登場しません。それに前作(500年前)から空を飛ぶ乗り物は進化がなく、飛行船のような艦船を使っています。それは、この世界観において「国」が存在せず、国家間の戦争がないので兵器も発展しなかった、という理由があります。前作第1章ではレシプロエンジンの飛行機も登場しましたが「飛行機械は速度には勝るが、強度が低い、搭載量が少ない、燃料消費が多い、滑走路が必要」という理由で発展しませんでした。お金。これ大事。



 主人公がしきりに「国家(ネーション)って何? 州じゃないの」と言うんですが、実はそれです。わざわざルビを振っているのも、作中で“国”という概念がないからです。実は、国家や国民というものは条約や法律によって定義づけられるもので、自然発生しません(その点は自然発生した日本という国は特殊です)。

 物語開始より1000年前から対テウヘル、対ブレーメンとしてヒトの共同体が存在するため、意図せず惑星の統一政府ができてしまっていました。そのせいで「国」の概念が存在せず、そこに一石を投じたのが物語終盤の将軍フジ・カゼと国家(ネーション)だったわけです。


 次は、ストーリーの小ネタにいきましょう。


 まず言語。僕の専門でもあるのですが、連邦共通文字の『文字35種類の子音と18種類の母音と半母音、鼻母音から作られる』ってパッと見じゃ意味分かんないですよね。日本語の子音は15種類、母音が5種類、撥音ン、促音ッ だそうです(東京外語大学 「言葉の概説」より)。それよりだいぶ多い感じですね。僕は今、わけあって外国に住んでるんですが、この国の文字はもっと多いです(笑 子音は35種類どころじゃないのでわけわかんないですよ。作中でアーシャが筆記に苦労していて(前作第1章でもリンが手紙を書くときにスペルを尋ねていますね)、言語によってはtが3つ、sが2つ、母音aが3つに声調アクセント記号もつく、とか耳で聞くだけじゃ間違うこともあるんです。日本語的にいえば、鼻血──はなじorはなぢ みたいな。声調アクセントも難しくて、作中で「馬に乗る(キーマー)」と「馬糞キーマー」とありましたが、ほんと、アクセントで意味が変わるのでややこしい。ちなみにこれは僕の実体験です(馬糞野郎)



 つぎにオマージュ。物語中盤から前作主人公ニケが亡霊のように登場しますが、これはもちろんスターウォーズから。ソラが「どうして嘘をついていたんですか!」と下巻の中盤で言いますが、これもエピソード6のオビ=ワンとルークの会話から。他にもスターウォーズネタはあって、物語終盤のフジ・カゼとの対決は、エピソード3のオビワンとグリーヴァス将軍の対決から着想を得ています。4本腕と刃、そして機械と生身の体です。


 キャラクター設定。設定を書くとき結構な割合でCVキャラクターボイスを考えています。声=性格が出るので会話パートを書きやすいんですよね。上で書いたニケ翁はCV森川智之さん……中年のオビ=ワンの吹き替えをしてる人ですね。主人公ソラは伊瀬茉莉也さん(「メイドインアビス」のレグ役)、アーシャは小倉唯さん(ブルアカのシロコ。性格もあの感じで)、アヤカは花澤香菜さんのハスキーボイスver(「空挺ドラゴンズ」のヴァナベルなど)、ヨシギは津田健次郎さん、カミュは釘宮理恵さん(「うたわれるもの」のカミュ役……そのまま使わせてもらいました)。将軍フジ=カゼ、第1章の研究所所長は飛田展男さん(「ヘルシング」の少佐役)、前作第1章のアンセンウス(テウヘルの穏健派将校)は中田譲治さんです。「ヒトの子よ。そう恥じることはない。無知とは恥ではい。知ろうとしないことが恥なのだから」←すぐCV中田を想像できるでしょう?(笑) 


 こうして声を想像して書くと楽しいんですよね。僕の頭の中でキャラが本当に生きているような、そんな感じ。で、キャラ同士が勝手に喋ってくれるのでテンポよく書きやすいです。そのせいでバッドエンドは辛いんですよねぇぇ好きなんですけど。



 キャラクター設定で、外見も重要です。挿絵を自分で描いてますので。いわゆるキャラデザですが、たとえばフェイフェイはディオナ(原神)、アヤカはエウルア(原神)……原神が多いという。ルナは秋山優花里ガルパンもありましたね。挿絵は小説に不要じゃないか、と思う人も多いと思うのですが、案外、この絵から描写を逆輸入できることも多いです。おすすめ。


 一方で、カールスバーグ隊長(作中で「変」と指摘された名前の由来は、ビールの銘柄です)とテムさんのモデルですが……それぞれブル中野プロレスラーとウェスリー・スナイプスです。まず強くてでかい女性、というのはサイバーパンク2077(ゲーム・アニメ双方)から考えて、ビジュアルではやはり女子プロレスラーだな、と。テムさんのほうは、ずっとサングラスをかけて知的で、でもはずすと案外可愛らしい瞳、という設定のままです。こういうビジュアルのキャラがいると物語も一気におもしろくなりますねぇ。おすすめです。


 というわけでいかがだったでしょうか、第2章。小説の感想はBlueskyにでも自由に書きに来てください。そして物語はまだまだ続きます。続いては第3章がスタートします。これは高校生の時、小説の新人賞に出して「既存作品に被りすぎてる、落選」とされた話を大幅加筆、修正したものです(笑)いや田舎の高校生が見れる既存作品なんて限られてるってのに。


 そしてなんと、次回は女性主人公! そしてなんとこのマグネシウム・リンの作品で「異世界転生」します(笑)お楽しみに。

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