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 遠足準備③

結局、ろくに話し合いが出来ないまま、6時間目のロングホームルームが終わってしまった。


(マズイな……)


予想以上に、篠原さんが班に馴染(なじ)めていない。


篠原さんと3人の間を取り持とうと頑張ってみたものの思ったようにいかず、それどころか、夏樹とは険悪すぎて大変なことになっている。


(マジでどうしよう……)


そんな1人悩んでいた僕の元に、帰りのホームルームが終わるとすぐ、篠原さんがやって来た。


「少し話してもいいかしら」


「……わかった」


僕の返事を聞くと、篠原さんは注目を浴びる教室から出て行こうとし、僕もその後ろについて行き、人気ひとけのない屋上に続く階段のところまでやって来た。



「ごめんなさい」


篠原さんは、到着するとすぐに謝ってきた。状況的に、中学生の頃、告白を断り続けられてきたことを思い出したが、そんなことは頭の隅に追いやって篠原さんの話の続きを聞いた。


「私は今週末にある遠足を()()わ。学級委員である貴方と班の方々に、これ以上迷惑をかけるわけにはいけないもの……」


「……」


僕はすぐには何も言うことができなかった。


確かに、篠原さんが休んでくれるのなら、僕はこれ以上悩まないでいいし、遠足も4人で楽しむことができる。それでも……


「あの時、手を挙げてくれたことについては、本当に感謝しているわ。それでも、これ以上私と関わらない方がいいわよ」


……こんなにも人のことを思える優しい子が、損をしていい理由にはならない。


言うことを全て言い終わり、今にも帰ろうとする篠原さんに声をかける。


「篠原さんには遠足に行ってもらう」


篠原さんは驚いたような顔をしながら聞き返してきた。


「なんで?私の話、ちゃんと聞いてた?他の子にも迷惑をかけることになるのよ」


「それでもだ!それでも、篠原さんみたいな優しい人が損してもいい訳じゃない。篠原さんは伝わりにくいだけなんだ。絶対にみんなと仲良くなれる。篠原さんのことを()()だった僕が保証する」


少し大きな声を出してしまった僕に、篠原さんもびっくりしてしまった様だった。


そして……


「ほ、本当に?私が行っても……いいの?」


そんな篠原さんの問いかけに、僕は自信を持って答えた。


「もちろん!」

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