57話 -ボス蟻-
「ヒェッ」
これどんだけいるんだ?
パッと見ただけでもうヤバイぞ?
「広すぎ……ない?」
その空間の広さは、そうだな、何軒か家が建てられるほどの広さだ。
それだけ広い空間に、大量のクソデカ蟻が、敷き詰められている。
「広いだけじゃないわ。あのボスもおかしい。」
「そうだね。あの大きさは流石に見たことないかな。」
「シュンですら見たことないレベル?!」
それだけでもうヤバさがわかる。
なんせあのボス蟻、僕たちを何人か縦に並べてようやく、と言った感じだ。
幅?そんなのは知らんね。
「というかやべ!もう近づいてきてるよ?!早く動き止めて!」
お願いしますよ!?ユキさんやい!
「あんまり効果は期待しないでね?!流石にこの量はしんどいわ。」
ユキさん?!
ただまあ、それもそうか。
と納得はした、だがそれで勝てるかは不明だ。シュンの活躍に期待だな。
「アイスグラウンド!」
ユキが唱えると同時に、足場が瞬く間に凍り始めた。
「アイスロック!」
後ろからファイの声と同時に、氷の礫が飛んでいった。
「ファイさんって氷魔法使えたんですか?!」
「妹に負けてらんないからね!さっきまでの戦闘でレベルあがったから、初級氷魔法とったわよ!」
なるほど。
ユキやファイがビッグアントの動きを止めている隙にシュンはバタバタと倒していっていた。
え?僕は何をしているのかって?
そりゃあ、まあ。
地道に動きの止まった蟻にナイフ刺してるだけよ。
なんせDEXが1だからね。
ゆっくりやるしかないんですわ。
後ろからの視線が痛い気もするけど気にしない気にしない。
これだって大事な仕事なんだからなぁ!
とまあ、僕たちは順調に蟻達の数を減らしていた。
だがそんなのを、親がみすみす見逃すはずがなかったのだ。
ドン!と、大きな音を鳴らす。
それは、ボス蟻の前足をぶつけた音だ。
「ん?なんかあの足だけおかしくない?」
「どう考えても鋭いね。カマキリになりたいのかな?」
そんなことはないだろう、とシュンのセリフを心の中で否定しながら考える。
「まあ、流石はボスって感じなのかな。自分だけ強い武器を携えてるって感じか。」
自分も同意見、と。
さて、いよいよ本格的な戦闘の始まりだな!




