表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

「本当にあった怖い話」シリーズ

【安全のために伏字】 ○○○○○○

作者: 詩月 七夜

 インターネットの進化により、世界中で毎日膨大な数の情報が流れている現代。


 情報の急流は人類の発展にも加速をかけ、日常生活においてかけがえのない地位にまで登りつめた。

 実際、読者の皆さんもその恩恵に深く預かっていることだろう。

 かく言う私自身もそうだ。

 実際、駄筆ではあるが、こうして数々の作品を書き記し(注目度はさておき)世界中の人々へ発信できる。

 その一点のみに絞っても、ひと昔前では考えが及ばないほど、ネットは進化したのである。


 さて「進化」というと耳触りのいい言葉だが、負の側面があることも無視出来ない。

 以前から行われているネットを使用した差別的な批判や糾弾はもとより、最近は人を死に追い詰める程の罵詈雑言が今日も誰かを傷付けている。

 そこには良心という最後の砦があるだけで、それも匿名性という甘い蜜の前ではもろくも崩れ去ることが多い。

 極論を言えば「人の命」より自分が振りかざす勝手な正義…敢えて言おう「自己欺瞞(じこぎまん)」の方を重く考える風潮があるのだ。

 ネットにより、人の心は果たして「進化」したのか?

 個人的には首を傾げざるを得ない。


「人の命」を軽視したこの風潮により、日々流れていく情報の波の中には、とんでもない代物が混ざっていることがある。

 それはまごうことなき悪意が垂れ流した危険な情報であり、安易に人の目に晒すことで、それを試した人を死へと追いやる罠のような情報だ。

 これから語る「○○○○○○」もそうした罠の一つだろう。

 ※名称は私自身の良心の呵責(かしゃく)から伏字にさせていただいた。


 ここまで読んだ方へ一つお断りしておく。

 説得力が無いかもしれないが、私自身はこれから語る話を悪意を持ってを書いてはいない。

 あくまでも「ネットの中にある情報の中には、明らかな殺意を持ったものが混ざっている」という注意を促すために筆を執った。

 故にここに書いたこと以上の詳細については、何も語ることはないのであらかじめご了承願いたい。


 さて「○○○○○○」についてだが、私がこれを知った経緯は言うまでもなくネット上だった。

 何気なく検索したあるキーワードに、とあるサイトが偶然引っ掛かったのだ。

 軽い興味で開いてみたそのサイトには一つ目を引く情報があった。

 それが「○○○○○○」だ。

「○○○○○○」がいかなる筋から発信されたものなのかは不明だ。

 そのサイトの作り手が考えたのか。

 それとも、さらなる情報筋から得たものなのか。

 ともかく「○○○○○○」は、一種の「かくれんぼ」だった。


 やり方は、以下の通りである。


 ①四人以上の人間で参加する。


 ②「○○○○○○」の情報が載った特定の掲示板サイトにアクセスする。その際、真夜中の24時ちょうどにログインをし、掲示板上に実名で参加する旨を書き込まなければならない。

 ※架空のユーザー名は無効となる。いずれも本名でなければならない。偽名を使うと参加は出来ず「○○○○○○」の効果は表れない。


 ③ログインし、本名で参加を書き込みをした際、一番最後に書き込みをした者が「鬼」の最初のターゲットになる。


 ④「鬼」は日の出から翌日の24時までに最初のターゲットを捕まえに来る。それがどのような形をとるか分からないが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 ⑤翌日の深夜24時に最初のターゲットが生き延び「○○○○○○」の掲示板に生き延びたことを書き込む。それでターゲットからは解放される。


 ⑥「鬼」のターゲットは二番手(初日に最後から二番目に書き込みをした人)に切り替わる(最初のターゲットの書き込みがなければ、そのターゲットは「鬼」に捕まった(=死)とカウントされる)。


 ⑦以降、最後のターゲットが捕まるか、生き延びるかまで「○○○○○○」は続く。


 以上が、大まかなルールだ(色々と他柄の影響が怖いので詳細は割愛している)。

 そうして、最後まで参加者が生き残れば「参加者の勝ち」

 しかし、全員が捕まれば(=死んだら)「鬼の勝ち」


 そして、特筆すべきなのは参加者相互で行われる「隠れ場」制度だ。


 これは参加者同士が「○○○○○○」のサイト内で行われるデスゲームである。

 例えばAという最初のターゲットが「鬼」に追い詰められ、窮地に立った場合、三度だけ他の人間を「隠れ場」…すなわちターゲットのすげ替えができる。

 仮にAが「鬼」に追い詰められ、参加者Bへと「隠れ場(ターゲット)」変更を可能にするためには、○○を○○○さなければならない(過激かつ危険な内容なので伏字にする)。

 勿論、Bも他の人間を「隠れ場」に設定できる。

 が、繰り返すがこれは一度だけしか使えない奥の手だ。

 無事に「鬼」から身を隠して逃げ延び、万が一に備えておくことも重要である。

 何はともあれ、このシステムのお陰で、参加者同士は互いに疑心暗鬼になるのは間違いない。


 さて、ここまで読んだ方は気になる点があるだろう。


「○○○○○○」が行われるサイトは実在するのか?

 ゲームマスターは「鬼」なのか?

「鬼」はどうやって「参加者の実名の虚実」や「居所」を把握するのか?

 参加者で本当に死亡した者はいるのか?


 そして…「鬼」は果たして人間なのか?


 信じる・信じないは各位の判断に任せよう。

 ここは「恐怖体験」のサイトではなく「小説投稿サイト」である。

 また、証拠の提示や体験の共有も不可能だ。

 故に、あくまでも語るに留め「ネットの情報の中には危険なモノが潜んでいる」という啓発だけは残そうと思う。


 代わりにと言っては何だが、最後に私から一つだけ、あることを書き残しておく。


 私が見た(くだん)のサイトに書き込まれたものは、名前名前以外、全員の書き込みは途絶えており、以降、何の書き込みもされていなかった。

 もしかしたら、ほとんどが偽名だったのかも知れない。


 だが、もし本名であったなら。


 恐らく全員が「鬼」に…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 肝心なところが伏字になっているのが、想像をかき立てられますね。危険だからこそ試してみたくなる……人間の心理でしょうか。
[一言] ネットって怖い……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ