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落ちこぼれ王女は封印されし機械人形と共に救国する  作者: ゼクスユイ
第3章 機械人形と再会

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EPISODE69 ASSOCIATION、そして再会

 アイリスとレイは光のトンネルを歩いていた。トンネルの壁には様々な風景―人が戦争をしている映像、人が傷ついた大地を取り戻そうと懸命に努力している映像、そして、文明を捨てたことで原始的な生活に逆戻りしている映像が流れるように映し出され、この場に歴史学者がいれば、その価値に目を見開いて足を止めていただろう。


「今、私たちのやるべきことは」


「走ることだけだよね」


 2人は周りの情報に惑わされずにトンネルの中を駆け抜けていく。そして、トンネルの先から白い日係に包まれ、視界がホワイトアウトする。




 2人が目を開けると、そこにはひび割れた世界が映し出されていた。予想到着地点からずれ、次元崩壊、その寸前に二人は飛んでしまったのだ。目の前には過去の自分がすでにいないことから、自分たちが飛ばされた直後と言ったところだろうか。


「予定とは違うけど、一気に行くわよ。レイ、リミッター解除!」


「レイブラスター!!」


 歪みの中心部へと向かう赤い光。だが、ひび割れの速度は緩むことなく、世界を蝕んでいく。その様子をナナは呆然と眺めていた。かつてどこかで見たことのあるような光景に頭を悩ませていた。

 だが、彼女たちの2度目の奮闘もむなしく、ひび割れはさらに広がる。まだ次元崩壊に飲み込まれていない兵士たちが世界の終焉を悟り、もう終わりだと呟き始める。


「終わりなんてない。限界を決めるのは自分自身よ!」


「まだボクたちにやれることはあるよね」


「「だから、(ボク)たちはまだ諦めない!」」


(この言葉を私はどこかで――)


 ナナはドクターサイケによって封印された記憶を掘り起こそうとする。エラー、エラー。度重なるエラー表示の壁を突き進み、隠されていた情報へと向かっていく。そして、彼女は情報の奔流に飲み込まれていく。




 それはいつからだろうか。封印装置が長年にわたる劣化により不具合を起こし、彼女は半分覚醒状態で起きていた。だが、それでも彼女は眠り続けようとしていた。来るべきその日まで。


 ゴゴゴゴゴゴゴ……


 その地響きは扉が開いたという証。この場所に入れるのはS-FORCEのメンバーたち。当然だが、人間の寿命はたかだか100年程度。半ば覚醒してから、少なくともそれ以上は経過していることから自分のみ知っているメンバーがやってくることはない。ただ一人の例外を除いて。


(封印解除。再起動までの残り時間は…………)


 そして、追われていた少女は封印装置の前にたどり着き、そこに描かれた番号を読み上げていると、警備用のマシンドールが少女に追いつく。


「助けて!GX……ナナーー!!」


(間に合え!)


 そして、迫りくる警備用のマシンドールが振りかざした瞬間、セブンスセブンはとっさにGブレードで斬りはらった。当たるかどうかさえも分からない賭けではあったが、その価値は十分にあった。何が起こったのか分からない少女を他所に自分のコンディションを確かめる。


「セブンスセブン、完全起動。疑似人格プログラムに異常なし。装着武装、その大半のロストを確認。戦闘行為に支障なし」


 プロトアサルトくらいはGブレードらと同じように処分する振りをして残してくれたらいいのではと思いながら、セブンスセブンはGブレードを構える。


「ゴーレムなの?」


「……いいえ、マシンドールです。私の術者(マスター)


 データを消去された可能性が高い彼女ならともかくS-FORCEの一員である自分を見れば攻撃をしけないはずだが、警備ロボの電子頭脳は既にいかれているらしい。そういえば、名前を名乗っていないことに気づく。当然、彼女が自分を呼ぶべき名はアレしかないだろう。


「私の名はセブンスセブン。ナナとお呼びください、マスター」


 かくしてセブンスセブンは自分と出会う前のアイリスにナナと名乗るのであった。




 記憶のデータを全て読み取ったナナは、先ほどの無力感から一転して目の前のひび割れの中心部を睨みつける。


「アイリス、私のリミッター解除を」


「!? ナナ、もしかして記憶が……」


「ええ、すべて思い出しました。ですが、今は喜んでいる場合ではありません。BEYOND THE TIME、FINAL PHASEはいかなる場合よりも最優先ですよ」


「わかっているわ。ナナ、リミッター解除ォーー!!」


「重力アンカー固定。ターゲット、特異点捕捉……Gブラスター、発射!!」


 もう一つの赤い光がひび割れの中心部へと向かっていく。2つのD4兵器によってひび割れはようやく収まるが、それでも押し返す分にはまだ足りない。


「バーストモードを使います!」


「ナナ、エーテルブースターの受信機は?」


「ありませんが、エナジーウィングで代用します」


「分かったわ。私たちの思いを一つに!」


「リミッター解除のその先へ、未来をつかむために!」


「「バーストモード!」」


 衛星砲攻防戦の折よりも激しく燃えている姿はかつてコパール王国に舞い降りた炎の化身。遠い時空を乗り越えて再び出会った二人に迷うことなど何もない。


「「バーストブレイザー・リミットブレイク!!」」


 先ほどの何倍もある炎に包まれた赤い光がひび割れに向かっていく。それに負けじとレイも己の限界を超えようとする。さらにひび割れの向こう側からセブンスセブンを応援する宇月たちの声も聞こえてくる。まだ向こうで戦っている人が居るのなら、まだだと気合いをさらに入れる。


「「「いっけええええええええええ!!」」」


 3人の思いが重なったとき、ナナとレイが青く光り始め、D4兵器の出力がさらに増していく。かつてのS-FORCEの設備があったとしても測定不可能な領域まで向上したエネルギーをリミッター解除による身体強化で無理やり支える。いうのであればリミッター解除を手に入れたことにより進化したバーストモード、エヴォリューション・バーストモードだ。

 過去と未来からのD4兵器の使用により、ひび割れがゆっくりと閉じていき、しまいには何事もなかったかのように元の寒々とした平原へと戻っていく。安心したせいか、それともバーストモードの反動によるものかどっと疲れが押し寄せふらついたアイリスをナナが支える。


「大丈夫ですか」


「大丈夫よ、ナナ……おかえりなさい」


「ええ、ただいま」

これにて第3章完

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