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生徒会選挙2

遅れて済みません。

これからは時間がとれるので書いていきたいです。

 

 部屋に戻ると凛花ちゃんがベッドの上で体育座りして物思いにふけっていた。表情は暗くなんだか声をかけれない状況だけど、ベッドの上を占拠されては寝ることが出来ない。

 だから声をかけよう。ただ、話しのネタが思い浮かばない。

 ふと、手にした納豆に目がいく。仕方ない。納豆で話しを広げるか。


「凛花ちゃん納豆好き?」


 納豆を差し出して凛花ちゃんに聞いた。自分で言っておいて無理のある話しの切り出し方だと思った。

 だって仕方ないじゃないか。ネタが思い浮かばないんだ。直ぐに会話が出来るリア充とは俺は本質的に違う。


「はは……」


 顔が引きつり乾いた笑みがこぼれる。

 見た目は可憐な超A級美少女な外見なのに中身はちっとも冴えない時代と変わってはいなかった。


「なんで今聞く?」


 凛花ちゃんが顔を上げ真顔で答えた。ちょっ怖っそこは笑うところだよ。


「えっまーちょっと凛花ちゃんが落ち込んでたから明るくしたいと思ってさ」

「ふーんそっか、ありがとう光ちゃん」


 凛花ちゃんから笑顔が戻ったから俺はベッドの上に上がった。ちなみにベッドに上がる際にパンツが見えないようにスカートを手で押さえた。

 なにげない女の子の仕草を無意識にして俺は自分でドキドキした。それでもじもじしていると凛花ちゃんが白い目で俺を見ていた。


「光ちゃんなんで顔赤くしてるの?」

「あっそう?まあっ色々あるんだよ」

「光ちゃん……」

「えっきゃっひっやっくっくすぐったい凛花ちゃん駄目だ!」


 突然わき腹をくすぐられ身体がのけぞるほどの刺激が走った。

 自分の身体をくすぐってもなんともないのに、他人にくすぐられるとこうも耐えられないほどくすぐったいのか?感度って奴はよく出来ていると思う。


「ちょっちょっあひゃっ凛花ちゃん止めっ!」

「もうっ光ちゃんがちゃんと答えないからえ私にお仕置きされているんだからね!」

「あひゃっ分かったごめんなさい」


 本当これ以上くすぐりされたらオシッコちびるよ。


「分かった。このくらいにしてあげる。けど」


 凛花ちゃんはお腹をさすった。


「んっお腹痛いの?」

「その逆。お腹減った」

「ああっそうか、凛花ちゃんまだ夕食食べてなかったんだ」

「まさか私の夕食に納豆持ってきたの?」

「あっそれはそのつもりじゃないんだ。今から食堂に行く?」

「今から?」


 凛花ちゃん言われ時計を確認すると夜の9時を過ぎていて食堂は終了している時間だ。

 食堂が駄目となるとコンビニに行きたいところだけど、そう簡単に外食の許可は下りない。なら売店だ。実は大浴場の中に従業員用の売店があって営業時間は11時までやっている。

 利益は少ないはずなのに遅くまで営業してくれてありがたいことです。


「凛花ちゃん一緒に売店に行ってパン買おうよ」


 俺はベッドから出て立ち上がって凛花ちゃんに手を差し伸べて言った。


「パン……ツ?」


 違うっ凛花ちゃんそれは食えない。まあ、冗談言えるようになって元気になってよかったよ。


 俺は凛花ちゃんと手を繋いで売店まで向かった。売店に着くと凛花ちゃんはイチゴジャムパンと牛乳を購入した。こんなんで足りるかと心配したけど凛花ちゃんは少食なのだ。

 少食だからこそスリムな身体が維持出来るのだとよしと思った。


 俺も付き合いでアンパンを買った。凛花ちゃんと一緒に食べるつもりだ。また、歯を磨かないとな。


「凛花ちゃんどこで食べる?」

「部室で食べたい」

「部室かあ……いいよ。行こう」


 こうして俺達は夜の校舎に向かった。校舎に着くと正面玄関だけ灯りが付いていて廊下は真っ暗で気味が悪い。凛花と一緒でなければ絶対中には入らない。

 廊下の電気を付けた。先生達には事前に言ってあるから自由に夜の校舎の中に出入りすることが出来るんだ。


 部室の鍵を開けて凛花ちゃんの手を引っ張って入った。仮に俺が男だったら(心は男だが)アウトだが、女の子同士でも十分に怪しかった。(オイオイ……)


「寒いねー凛花ちゃん?」


 両脇をさすりながら聞くと。


「身を寄せ合うと温かいよ光ちゃん」

「……それはイカン!」


 冬山で遭難した男女じゃないんだから抱き合うのは危険だ。だから俺はマッチを手に取った。

 最近部室に設置された石油ストーブだ。マッチを手にしたのは自分でマッチを擦って直接ストーブに火を点火させる古いやり方。

 今日日の石油ストーブはスイッチ一つで自動で点火してくれる便利な奴だ。しかし、部室のストーブは旧時代的な手動式だった。


「ちょっと待っていてな凛花ちゃん」

「待って私がやる」

「えっ凛花ちゃん出来るの?」

「もうっそんなの簡単だよ」


 凛花ちゃんは手慣れた手つきでマッチを擦ってストーブを点火させた。


「やけに手慣れているね?」

「うんっここしばらく毎晩部室に行ってストーブの火を点けているから」

「えっなんのこと?」

「そうだね。光ちゃんが眠りについている深夜にコッソリ抜け出してるからね」


 凛花ちゃんが夜中に部室に行っているなんて全く気付かなかった。でもなんで?

 すると凛花ちゃんは部室の壁に貼られた温度計を指差した。


「んっ温度計?」

「今の気温は10度でしょう。これ以上気温が下がるとサボちゃん達が可愛そうでしょう?」

「サボちゃん?」


 凛花ちゃんは部室に所狭しと置かれたサボテン達の元に寄って、しゃがんで微笑んだ。

 そうか。サボちゃんってサボテンのことか。


「サボテンって寒さに弱いんでしょ?」

「うん。東京でも冬の外に置くのは厳しいかな」

「でしょう。入部してからなにも知らない私だって植物のこと勉強したんだ。で、サボテンは5度以下になると弱るって知ったんだ」

「なるほどそれで夜中に抜け出して部室のストーブ点けて部屋を温めたんだね?」

「うん。ちょっと過保護かな?」

「いや、別にいいと思うよ。それにしても凛花ちゃんは優しいなぁ」


 俺も凛花ちゃんの隣でしゃがんでサボテン達を眺めた。ふと見ると以前凛花ちゃんが植え替えたサボテンが一回り大きくなっていた。

 要するに生き生きしている状態だ。


「もしかして凛花ちゃんはグリーンハンドかもね」

「んっグリーンハンド?」


 凛花ちゃんは首を傾げて不思議そうに聞いた。


「グリーンハンドってのは植物を育てるのが上手くいく人のことだよ。そうそう逆に植物を枯れさせてしまう人のことをブラウンハンドと呼ばれているよ」

「そうなんだ。ふふっなんか嬉しいな」


 そう微笑んで凛花ちゃんは俺の身体に寄り添った。


「…………」


 ちょっと不味いって勘違いするだろ……。深夜の部室で女の子同士身を寄せ合う危険な状況だ。

 胸がドキドキする。キ、キスぐらいしてもいいよな?


 いやいや、それだけは踏み止まれ自分。キスなんかしたら友達ではいられなくなる。我慢だ。


「ふうっ……とりあえずパン食べよ」


 立ち上がってさりげなく凛花ちゃんから離れた。

 ふうっもしも身体が男だったら理性が崩壊してたな。


「…………」


 何故そこで黙る……。


「光ちゃんの意気地なしっ!」

「ひやっ!?」


 わき腹をつねられた。だから、わき腹は弱いって凛花ちゃん。


「美味しいね光ちゃん♡」

「うん。そうだね凛花ちゃん」


 サボテンを鑑賞しながら椅子に座って凛花ちゃんとパンを食べた。牛乳を飲み干し温度計を見た。


「25度か、これならストーブを切ってもドアを締め切れば朝まで温度を10度でキープ出来そう」


 5度以下になってもサボテンは室内なら枯れはしないが、寒いと可哀想だから部室を温めた理由。全くもって過保護な育て方だと思うが、可愛らしい(そうでもない種類もいるが……)サボテンを見るとつい優しくなってしまう。

 全く困ったものだ。


 だって仕方ないじゃないか、凛花ちゃんもサボテンも可愛いからね♡

 俺はストーブを消して立ち上がった。


「さて、部屋に戻るよ凛花ちゃん」


 凛花ちゃんに手を差し伸べた。


「うんっ光ちゃん。あのさ、これからも二人でサボテンを守っていこうね?」

「ああ、守るさ」


 そう。どんなことがあっても凛花ちゃん()を守るよ。


 それから俺と凛花ちゃんは明日のために遅い就寝についた。


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