表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/65

ミニスカート論争

遅い正月ネタですが。

 

 元旦の朝、俺と凛花ちゃんは校舎の前で副部長が来るのを待っていた。本当は直接神社の鳥居の前でといきたいところだったけど、俺は色んな奴に狙われている可能性があったから、安全な校舎で待ち合わせなんだ。

 副部長(男子)を誘ったのはもちろんボディガード代わりなんだ。なんと言っても正体は青王子だから頼もしい。


「寒くない凛花ちゃん?」

「ううん……大丈夫、それより光ちゃんだって……」


 俺は校舎前の階段に座って肩を抱いて寒さに震えていた。上はマフラーしてるからいいけど、下がスースーするんだ。下はミニスカートを履いている。制服もミニだけど、いつ履いても慣れねぇなぁ……。

 一方隣で、澄まし顔で座るミニスカートの凛花ちゃんは大丈夫なの?


 チョンッ!


「ひっやぁぁっ!!」


 冷たい指で太ももを触られたから冷んやりしてビックリしたよ。本当に……凛花ちゃんなにしてくれるの?

 まあ、真冬にミニスカート履いてる俺が悪いんですけどね、正直言うとスカートを履いたのは俺の意志ではない。


 ことの発端は今日の朝のことだ。外出用の服を選んでいたら何故かパンツとロングスカートがなかったんだ。おかしいなぁと思って凛花ちゃんに聞いたら、朝洗濯したって言うんだ。


 元旦に洗濯っておかしくない?


 それじゃ初詣に行けないよと抗議したら凛花ちゃんは、待ってましたとばかりに新品のミニスカートを手渡したんだ。なんでもそれはクリスマスの日に白王子から密かにプレゼントされた物らしいんだ。

 いわゆるクリスマスプレゼントだ。いや、全然嬉しくない。むしろ迷惑だ。


 そんな訳でまんまと俺は二人の策略にハマってミニスカートを履かざる得なかったんだ。冬にミニスカートを履くJKを見て正気の沙汰ではないと思っていたけどまさかなぁ、自身が履くことになろうとはね。


 もうっ恥ずかしいし寒いっいつまで待たせんだ副部長!


「悪い待った?」

「あっ副部長。あけましておめでとうございますみ」

「おめでとう光輝君」

「……」


 省略するな!

 とは言え限界ギリギリのところで副部長が来て声をかけた。マフラーに厚手のジャンバーにジーパンと重装備であったかそうだな。

 しかし、副部長の陰からチラチラとうかがう怪しい人物がいる。


「中島なんて格好してるの羨ましい」


 呼んでもいない針無先輩が顔出し俺に言った。しかも、元旦から嫉妬かよ……。


「……別に女の子ならミニスカートくらい普通ですよ」


 俺は立ち上がるとギリギリまでミニスカートの裾を伸ばして、口を尖らせて言った。


「馬鹿ねっミニスカート履く女なんざ今時ビッチくらいよ!」

「なっ俺だけならいざ知らず凛花ちゃんだってミニスカート履いてるんですよ針無先輩っいくらなんでも失礼です。誤って下さい」

「なによっ文句あんの中島っ!?」

「んっきゃっ!!」


 顔を真っ赤にした針無先輩が俺の肩を掴んで言い寄った。マジギレした先輩にびびった俺は不覚にも可愛い悲鳴を上げた。

 くそっ……ミニスカートはとんだトラブルファッションだな。


「まあまあ、お二人共せっかくの元日に喧嘩は良くないよ」

「良くない!」


 見かねた二人になだめらた。はあっ助かった。にしても、凛花ちゃんの一声可愛すぎる。


「とにかく皆さん。じっとしていても風邪引くだけだから神社に行きましょう」

「ああ、分かったよ」


 歩き始めると針無先輩が何故か俺の後ろについて歩いた。オカマとは言えなにされる分からない怖さがあるな。


「ちょっと中島っ白のパンツ見えるわよ」

「ちょっちょっと先輩っスカートの中覗かないで下さいよっ!」


 俺は慌てて振り向きスカートを両手でガードした。


「見てないわよ」


 白々しくそっぽ向いて言い放った。だったらなんで今日履いてるパンツの色当てた?

 俺はなるべく針無先輩と距離を置いて歩いた。本当先輩の嫉妬心は怖い。いつか刺されやしないかとヒヤヒヤするよ。


 外に出ると路肩に黒塗りの三台のベンツが止まっていて、俺達が来るのを待っていたのか、真ん中のベンツの後部ドアが開いた。

 副部長はさっさと俺の前に立って警戒した。本当頼りになるよ王子様。


「あらぁあけましておめでとう」


 現れたのは高価そうな晴れ着を着てキツネのマフラーを首に巻いた新咲何某だ。相変わらず人を見下すような目つきは不愉快だ。


「あ、あけまし……て、おめでとう……」

「あらぁ元気ないわね?どうしたの?あっそうですか、せっかくの元旦に晴れ着着れなくてたからですわね?んっ貧乏でレンタルするお金もなかったのかしら?」

「くっ……」


 立て続けに嫌味な質問しやがって、別に金がなくて私服で初詣するんじゃねぇんだ。俺は正月に着物を着る風習に馴染めないだけだよ。このヤロ!

 あーもう最悪だ。元旦早々新咲の顔を見たくなかったんだ。さっさと無視して神社に向かいたい。


「俺達は好きでこのファッションを選んでるんです」

「ふーん、ちょっと人気者になったからってミニスカート履いて調子にのってるんだ?」

「なっそんな訳ないだろっ!?」


 新咲に見当違いのことを言われカッとなった俺は詰め寄ろうとしたら凛花ちゃんに手を掴まれ踏みとどまった。ありがとう凛花ちゃん。


「まったくそうよねぇ」


 んっ針無先輩それはどちらに対する同意する意見?


「ミニスカート履いて男の気を引こうとしてるのよ」


 俺のことかっ!?

 だったら新咲派につけよ針無先輩。


「ふふっ貴方気が合いそうね。それより今から初売りに行きますの?」

「んっ違う。初詣だぞ!」

「あら、残念。せっかく貧乏人にこのあたくしの高級福袋のバク買いをお見せしようとしたのに……」

「……」


 ミエのために大金使うなら直接くれよ。


「よろしい。予定変更よ。今からわたくしも皆さんと一緒に初詣に行きますわよ。どこ行きますの明治神宮?」

「……いや、近くの龍神神社だ」

「あらっそんな小さな神社ありましたっけ?」


 目をわざとらしく見開いて新咲は言った。本当嫌な女。マジついて来るな!

 しかし、新咲は10名の黒服を引き連れ(人数多いっつうの!)後ろからついて来る。引き返そうにも黒服達が横一列になって歩くから前を進むしかなかった。全く周りに迷惑かけんなよ!


 と言う訳で俺達は新咲と一緒に初詣に行くことになった。


 新年の願いごとはなにするって?


 凛花ちゃんと楽しい学園生活だけど、ついでに新咲との円が切れますようにお願いするかなぁ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ