誤解を解きたい
白王子とのキスを凛花ちゃんに目撃された俺は何故かビンタを食らったんだ。だって恋人同士ならともかくまだ友達なんだよ?
俺は訳も分からず凛花ちゃんを追いかける始末。これではまるで恋愛漫画の展開。そして俺は誤解を解くためにヒロインを追いかける優柔不断な主人公だ。
外見は華のある超一級の美少女なのに、女の子を追いかける側に立つ情けない役回りなんだ。
まあ、男から見たらギャップ萌えと言われるかも知れいけどね。
「はぁはぁ、クッソ!女の子の身体になってから明らかに体力が落ちてるな……」
俺は洋館の敷地の中で消えた凛花ちゃんを探し回った。
だけど、どこ探しても見つからないので部屋に戻ったと思って洋館に向かった。
部屋に戻ったら凛花ちゃんはいなかった。
「おかしいなぁ……どこに行ったのだろう?まさか学園の外に出た?」
こんな夜中に女の子が一人で出歩いたら危ないよ。日本は確かに治安はいいけど、それでも心配なんだ。
んっ探す俺も女の子だって?ほっとけ!まだ心は男だ勇気があるから大丈夫。
俺は校門の前に近づくと、
ピーピーピーピー
警戒音が鳴った。どうやら許可なく門に近づくと警告される仕組みらしい。
となると、凛花ちゃんはまだ学園の敷地内にいることになる
「まいったなぁ凛花ちゃんどこに行ったぁ?部屋にもいないし、後心当たりは……」
ふと思いだした。凛花ちゃんと初めて会話した場所の光景。
「でもなぁ中に入れるかなぁ?とりあえず行ってみよう」
校舎玄関口に行ったら施錠はしてなくて自由に出入り出来るみたいだ。うーん この学校って外からの侵入には厳重な警備だけど、敷地内はそんなに厳しくない。
確かに洋館周囲の警備は厳重だけど、学校自体は全然ゆるいね。いいのか入りますよ。
警戒音がならないか恐る恐る校内に入るとなにも起きなかった。安心するのも束の間、俺は重大なミスに気がついた。
「真っ暗で見えないなぁ、どうしよう」
明かりがついてないので廊下は真っ暗闇。照明のスイッチは壁に付いてたけど、勝手に付けたら怒られるかな?
ああ、辞めとこう。俺はスカートのポケットに手を入れた。取り出したのはスマートフォン。
「スマホの光を頼りに進むしかあるまい」
俺は勇気を出し暗闇の廊下を歩いた。幸い目的の教室は一階なので、階段を登らなくて済んだ。
暗闇の階段は足を踏み外す恐れが有るから、お化けよりもそっちの方が怖いからね。
目的の教室は真っ直ぐ歩くだけでたどり着いた。
ドアに手をかけ開けよとしたら鍵がかかっていた。
「あれっ確か内側からしか鍵はかけられないはずだけど?」
前後のドアは鍵がかかっていた。となると、確かに中に誰かいる。俺が思いあたる人物は一人しかいなかった。
ドンドンドン!
「凛花ちゃん中にいるんだろ?開けて!」
俺は前のドアを叩きながら呼びかけた。
すると、鍵を開ける音がしてドアが開いた。
ガラガラ……
「アレ……」
後ろのドアが開いた。
俺前のドア叩いたんですけど、もしかして凛花ちゃんワザとやった?または、天然か?
「光輝君なにしてるの?」
凛花ちゃんは後ろのドアから頭だけ出して聞いた。
それはコッチのセリフだ。
「あっ凛花ちゃん!」
俺は急いで後ろのドアに向かうと、
ピシャリ!ガチャッ
ドアを閉めよった!しかも鍵までかけてエライ拒否反応を見せた。困ったなぁだけど、ここで引き下がる訳にはいかないよ。
ドンドンッ!
「ごめんっ凛花ちゃん開けて!」
「いいのっ帰って!」
「そうはいかない。こんな時間にいたら風邪引くよふあっくしゅんっ!」
急いで風呂から上がって髪をろくに拭かなかった俺の方が先に風邪引きそうだ。
ガラガラ……
あらっ心配したのか凛花ちゃんがドアを開けてくれた。
「風邪引くよ中に入って」
「いいの?」
「うん」
部室は真っ暗だった。凛花ちゃんが言うには電気をつけると先生にバレて怒られるからと言った。
そうかぁパーティーは終わったけど先生達まだ職員室にいるかもね?
んっ凛花ちゃんの手が俺の右手に触れた。
ちょっと待ってそっその展開は不味いよ!俺達女の子同士でしょう?
白王子にされたけどコレだよ、ああ、ドキドキが止まらない。
心の準備は出来てるよ。俺は瞳を閉じた。
まあ、暗くて顔も見えないけどね。
「光輝くん風邪引くからお風呂入ろ」
「えっおっお風呂っ?」
あーそっちかー!期待してたんだけどなぁ百合キス。だけど次は女の子と初めてのお風呂になるな。だけど幼女は除く。
でもなんか引っかかる。だって俺は誤解を解くために凛花ちゃんを追いかけてたんだよ。
なんだかいつの間か仲直りしちゃったよ。
「あのう〜凛花ちゃん怒ってないの?」
「はいっ?確かに怒ってるよ」
やっぱり怒ってるんだ。なんでかなぁ聞きたいけど答えが怖くて聞けません。単なる友達だよって言われたらと思うとね。
「行こっ」
「う、うんっあっ凛花ちゃん洗面道具持った?」
「あっまだだよ」
「そっかじゃあ部屋に戻ろ」
「分かりました」
俺は凛花ちゃんと手を繋いで部屋に戻った。
ああ、もやもやするけどコレで良かったのかな?




