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クリスマスパーティー1

 

 飾り付けも終わってひと段落してまだ時間があったので、凛花ちゃんと一緒にこれから住む部屋を見に行った。

 場所は校舎裏の洋館の三階客間。


「ちょっと広いなぁ」


 イメージしていた広さは四畳半くらいだったんだけど、その三倍の広さだった。にもかかわらずベットが一つってどう言うこと?

  俺は思わず凛花ちゃんの顔を見た。


「 …………凛花ちゃんもしかして誰かに言った?」


 俺は一つだけのベットを指差し聞いた。


「んっ? なんのこと?」

「えっいや、なんのことってさぁこんだけ広いのにベットが一つっておかしいじゃん? 前にもベットは一つでいいって言ってたし、もしかして凛花ちゃんが希望だしたのかな?」

「言ってない。まさか、疑ぐってるの光輝君? うえぇぇん」

「ちょっと待って! そんなつもりじゃ!」


 涙ぐむ凛花ちゃん。あわわっ別に泣くことないでしょ? 俺は子供をあやすようにあやした。

 

「ぐすっベット一つで良いよね?」

「…………分かりました」


 また泣かれたんじゃ困るから了承したけどさ、凛花ちゃんはちょっとずる賢くなってない? まあ、わざとじゃなく天然だといいんだけどね。


 俺は窓から景色を見た。都内なのに辺り一面森林が広がっていた。うんっ景色は最高だな。


「凛花ちゃんこの部屋気に入った?」

「うん」

「そっか、じゃっそろそろパーティー会場に戻ろ」

「うん」


 さっきから「うん」としか返事しないけど、最小限のエネルギー消費したくないのかな? まあ、凛花ちゃんの場合喋ること自体が特殊能力だからね。


 会場に戻るとテーブルには大皿に盛られたオードブルが沢山置かれていた。えーと、定番の骨付きチキンに唐揚げ、フライドチキン、フライドポテトにオニオン、グラタン、寿司、ケーキなどなどバイキング並みに用意されていた。


「凄い豪華だなぁ …………」

「当然です。これらの費用は全てクイーン様が出して下さったのですよ」

「えっ?」


 不意に話かけられたので振り返ると白王子がいた。


「そうなんだ。ありがたいです」

「オウ、マドモアゼルックイーン様は慈悲深いですからねぇ当然のことした訳です」

「はあ …………」


 相変わらず白王子のノリについていけない俺がいる。白王子を筆頭に5王子様達は個性派揃いなんだけど、皆良い人達だと思います。

 ただ、まだ黒王子と会話したことないんだよね。寡黙と言うか人を寄せ付けない雰囲気でちょっと恐いし。


「マドモアゼルッこの()はどなたかい?」

「あっ凛花ちゃんです。俺と親しくなったせいで悪意のある何者かに狙われるようになったんで、今日から洋館の部屋を借りて一緒に住むことになりました」

「オーケー歓迎するよ、でも凛花ちゃんとても可憐で可愛いね?」


 白王子が腰をかがめ凛花ちゃんのアゴをクイッと持ち上げた。おいっ待てっあの時俺のキスを奪った手口じゃないか?


「ちょっと待て白王子っ凛花ちゃんはっ!」

「ふふっ冗談です。取りませんよ凛花ちゃん(このこ)のファーストキス」


 白王子はいたずらっぽく笑って持ち上げたアゴから手を離した。


「ふざけんなっ!? 俺のファーストキス奪っておいて!!」

「ワオ!」


 白王子がわざとらしく両手を上げて驚く素ぶりをした。


「えっちょっとおいっ白王子なんで驚く?」


 くいくい


「えっ?」


 下を向いた凛花ちゃんが俺のブレザーのすそを、無言で引っ張っていた。そして背中の肉をギュッとつねった!


「痛っ!?」

「光輝くんは白王子様とキスしたんですか?」


 凛花ちゃんが顔を上げた。ほっぺは赤くなって瞳には大粒の涙をためていた。

 くっ言ったからには嘘はつけない。


「あ、そ、そうだね …………」


 正直に言った。


「ひどいっ!!」


 凛花ちゃんは首を横に振って涙を飛ばした。


「待って!」


 背中を向け、離れようとする凛花ちゃんの手首を俺は掴んだ。


「離してっ!」

「待って誤解だよっ俺はその気がないのに白王子に強引にキスされたんだっ! キスされたのは一回だけだし、その後もなにもないよ!」

「 …………本当に?」

「本当だって、別に白王子に恋愛感情なんてこれっぽっちもないよ」

「オーマイガッ!?」


 白王子は右手で目を塞ぎ叫んだ。アンタのせいなんだからちょっと黙っていてくれないか?


「分かりました。でも、酷いですね彼は」


 凛花ちゃんは涙を拭いて微笑みながら言った。ふうっなんとか誤解を解いたけど、ん? 凛花ちゃんとはまだ友達の関係だよね? なんでかなーご機嫌ななめになるの?

 まるで恋人の反応っ!?


 だよなぁ今のは明らかに修羅場一歩手前だった。


「あ、あのっ凛花ちゃんが怒るのはどう言うこと?」

「…………光輝君鈍い …………」


 えっえー? 凛花ちゃんはそう言って首をプイとそらした。あちゃー嫌われたかなぁ、あ、でも、俺に気があるのかなぁ?

 ふときがつくと視線を感じた。それも、一人や二人じゃない複数の視線だ。視線を感じた先を振り返るとパーティーの参加者達全員が見ていた。


「…………い、今のやりとりを見られた …………?」


 パチパチ …………


 目をうるませた委員長だけが拍手した。ちょっとやめてくれ。


「百合って良いわぁ …………」


 アンタ百合好きか?

 

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