そんなことを聞いてはいないよ
シュウはシルに問いかけ時間を稼ぎながら魔力調和で召喚魔術に仕込まれた鎖を気付かれずに断ち切った
「シル、貴方達の目的は何ですか」
「それは我が国の王に」
「わかった」
「案内致します付いて来てください」
そう言うとシルは顔色一つ変えず宮殿を案内した
〜神器の間〜
シルに案内されて王が待っていると言う神器の間に着いた
「あんたがこの国の王か?」
「いかにも、我が...」
国王が名前を名乗ろうとした時に被せてシュウは言った
「あんたのことなんかどうでもいい...
この状況を説明しろ...ただでさえ気がたっている
状況によってはお前を殺す...そして魔族よりも先にこの世界を破壊する」
「戯言を、貴方は隷属の鎖に捕らえられている
そんなこと出来るわけ無いわ」
シュウはシルを嘲笑う様に見て言った
「召喚魔術にかけられた隷属の鎖は断ち切った、信じられなければ命令してみろ王に平伏せとな」
「平伏しなさい、シュウ」
そうシルが言ったがそれに縛られるどころかシルや王はシルの命令をシュウニ対して自然と行った、いや行なわされたのだ
それも術に対して誰一人違和感を持たずに
そしてシルが悟った
(私達は呼んではいけない者を呼んでしまった、それこそたった一人で人類、魔族、獣人族に対抗できる第4の勢力でその中でもズバ抜けて次元が違う存在を...)
シルは一種の絶望と似た何かを感じながら
「シュウ様、数多く無礼を働き申し訳ありません、もし許せなければ我が身はこの国に忠誠を誓うのをやめ身も心も貴方に差し出します...」
「顔を上げろ貴様など今は興味ない
おい王、あんたの名前を教えろ」
「貴方様の記憶に止め...」
「あぁそうだなお前の肩書きはどうでもいい
俺はあんたと対等な関係で友としての名を聞きたい
シルお前は先程俺の物になると言ったな、なら俺の友を支えろ
そしてこの国とは別に俺が国を建てる時は宰相として力を貸して俺に支えろ
そのくらいはいいだろ?
俺は別に力で従わせたい訳じゃない俺はただ俺の護りたい物の為にこの力を使う異論はあるか?あるなら友として聞いてやる」
笑いかけながらシュウは言った
「ならば友として名を言う、我はルーカス
ルーカスと呼べ
シルは友としてではなく王としての態度を取った我の謝罪として其方に授ける
異論はないなシルよ」
「仰せのままに」
「話はまとまったこっからは仕事の話だ勇者として尋ねる
先ず俺の敵は魔族使命が魔王の討伐でいいのか?」
「あぁ合っているとも」
「こっからは友として聞く
和解の道は無いのか...俺の大事な人が魔族の勇者になった俺はいくら勇者の義務放棄だと言われてもいいだが俺はあいつの味方でいるつもりだ例え全てを敵に回しても」
「なるほどのぉ...しかし我らは魔族と既に何度も争いあい止めるには憎しみが膨れ上がりすぎている」
シュウは笑いながら言った
「そんなことを聞いてはいないよ、ただ和解の話が出たら和解出来るか聞いてるんだ」
「よかろう王として友として誓おう我は魔族と和解交渉ができるなら必ず結ぶことを」
「ありがとうルーカス、俺はこの運命に終止符を打つ」