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気が付けば 草原に一人 なんじゃこりゃ

前回までのあらすじ

スマホにあった異世界転移アプリを起動し、異世界に転移するための操作を一刻も早く転移したいという一心からすべてランダム設定にした佐藤悟。


気が付けば草原に一人佇んでいたのだった

「えっと・・・え?」


 訳が分からなかった。俺は今の今まで家でスマホを操作していたはずだ。それは覚えている。


 かなり集中していて周りを見ていなかったが、間違いない。家のちゃぶ台の前に座って操作をしていた。うん、間違いない。


 で、気が付くと地平線がはるか遠くに見える草原に一人いた。よし、訳が分からないということは分かった。一歩前進だ!どこに前進をしたのかはわからないが、俺という人類にとってこれは大いなる一歩であることは間違いない!


「ふぅ、少し落ち着こう。かなり理解不能なことが起きて動揺している。クールになれ・・・」


 独り言が多いのがここで役に立ったな。やっぱり口に出したほうが実行しやすい。


 まずは現状の確認からだ。


 現在地:どっかの草原

 所有物:なし

 近くに民家など人のいそうな場所:なし

 水の確保ができそうな場所:なし

 食料の調達できそうな場所:なし


 ん?軽く詰んでないか今の状況って。・・・どうしよう・・・すっごく不安になってきた。


 ブ~ブ~ブ~ブ~ブ~ブ~


「どわっ!何だなんだNANDA!ってスマホ?持ってたのか俺」


 気が付かなかった。持ってたんだスマホ。いや持ってて当たり前なんだけどもさっきまで操作していたんだし。


 ん~なんかスマホがでかい。俺の手が小さくなったのか?そんな馬鹿な。


『異世界転移が成功しました。おめでとうございます。異世界転移が成功したことにより異世界転移アプリは異世界生活アプリへアップグレードされます』


 異世界生活アプリ、つまりこの異世界で生活するための補助的な役割をしてくれるってことかな?起動してみるか


『異世界生活アプリへようこそ!このアプリは異世界生活をするうえで必要な機能を備えています。メニューを選択してください』


 やっぱり。ちょっと望みが出てきたな。うん、ステータス確認やアイテムボックスなんかが色々とメニュー内にあるな。これで何とかなるかな?まずは何はともあれアイテムボックスの中身を確認しなければ。何にもないと思うけど。


 非常食×30

 水80リットル(容器入り)

 厚手のマント×1

 ナイフ×1

 片手鍋×1

 塩1キロ

 材木2本


「いよっしゃぁ!!これで当面は何とかなりそうだ。しかし、至れり尽くせりだな」


 俺は内心ほっとしていた。飯もなく水もない状況であったならさすがに1日と持たなかっただろう。とりあえずどんなに不味かろうとも飯と水さえあればなんとかなる。


「さてと、次はステータスの確認と行きますかねぇ」


 異世界生活アプリで俺は現在のステータスを開く。


「って、なんじゃこりゃ!?」


 ステータス画面には驚きの数字が並んでいた。はっきり言って訳が分からない。これが表示されている数値だ。


 JOB:大魔導士

 LV:1

 AGE:5

 STR:20

 VIT:18

 MAG:32

 SPD:15

 INT:1000000

 LUC:10000000000000000000

 MAXHP:100

 MAXMP:30


 おかしい。絶対におかしい。この世界でSTR:20だとかMAG:32だとかが高いか低いかはわからないが、INT:1000000だとかLUC:10000000000000000000が馬鹿みたいに高すぎるっていうのはわかる。


 しかもJOBが大魔導士って最初っからこんなJOB持ちってかなりのチートなんじゃないのか?


 やったぜ!チート主人公だ!・・・いやいや、そもそも魔法の使い方がわからなければ宝の持ち腐れだ。異世界生活アプリになんか役立つ機能があればいいけど。後で探してみよう。


 そして、AGE:5ってことは今現在俺は5歳児になっているってことか。


「どうりでスマホがでっかく見えるわけだ。」


 ・・・俺は股間をまさぐってみた。おおうマイジュニアが正真正銘のジュニアに成り下がってしまった。まだそんなに使ってもいないのに。ジュニアーーーーーーーー!!!


 っ下ネタを言ってる場合じゃない。とりあえず現状の把握は済んだ。さてこれからどうするべきか。選択肢は二つだ。


 ①人のいそうな場所に進む

 ②気の向くままにあてのない旅を続ける


 当然のことながら②は却下だ。今の俺は5歳児。生存能力が皆無と言っていいほどの弱者だ。そんじょそこらの野良犬にですら負ける自信がある。ガキンチョなんてそんなもんだ。


 かといって①についても問題がある。どこへ行けばいいんだ?


 アプリに地図は・・・有った!万能だなこのアプリ。


「近くの町は、北西方向に120㎞か。遠いな」


 食料と水はあるから徒歩で向かうとしますかね。移動手段が徒歩しかないから当たり前なんだけどね。まぁ重い荷物持たなくていいってのは楽でいいが、車かバイクが欲しいところだな。


 さて、移動する前にこのアプリで一番疑問に思っているメニューを実行してみよう。


 疑似人格設定。訳の分からないことが立て続けに起こっていて感覚がマヒしそうだが、これだけは本当に訳が分からない。疑似人格設定?スマホに人格を設定するってことか?どうなるんだ?しゃべるのか?


 だが実際たった一人で延々と独り言を言っているのは苦痛以外の何物でもないから、しゃべる相手が欲しかったんだが、とうとう末期症状にどっぷり浸かってしまうってことだよなこれをやると。


「ええいままよ!何が起きてもいい!旅は道連れというしな!」


 疑似人格設定を実行する。


 え?スマホが浮かんだ?何で?どうして?


「呼ばれて飛び出てこ~んにちは~」


 頭の悪そうなしゃべり方をしたスマホを見て、俺は頭が痛くなってきた。どうしろっていうんだよ。やっぱりやめときゃ良かったかな?

もう一人メインキャラが増えました。


しばらくはこの2人での旅路が続きます。

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