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1STORY
春。
桜舞い散るこの季節。
真新しい制服を見にまとい、桜並木に足を進める。
新しい制服、新しい学校、新しい通学路、全てに心を踊らされていた。
俺が憧れて入学したのは、文武両道ともいわれる飾陵高校。
全国有数の大学合格者を出す学力レベル。
スポーツでは、多くの部はインターハイ常連校。
俺、成宮凛太朗は、そんな有名高校になんとかこの春合格した。
有名高校ならどこでも良かったわけじゃない。
どうしてもこの飾陵高校に通いたかった。
ここで、憧れの人と弓道がしたかったんだ。
「やっと……ここまでこれた……これで、同じ舞台に立てるんだ。」
多くの生徒が行き交う中、校門で足を止め、胸をホッと撫で下ろした。
少し緊張する。
自分を落ち着かせる為、小さく深呼吸をした。
俺は、この飾陵高校で弓道をするため、必死に、死に物狂いで勉強し、やっとの思いで合格を勝ち取った。
そして、今日。
入学式。
これから、俺の憧れのこの学校で、夢の弓道ライフが幕が上がった。