第2話 適正検査
翌朝、4人は校長のツェリンと面談を行った。昨日も会っているが、今日が本番ということらしい。
「3人には適正検査を受けてもらいますね。それからカビウさんは能力検査と安全検査をね」
「適性検査?」
「安全検査?」
「当学園では、生徒の長所を伸ばすことをモットーとしています。短所は著しく他の者に弊害とならない限り矯正はしません。そのために、皆がどんな適正を持っているのか検査するのです。カビウさんの能力検査と安全検査は当学園に危険性があるか害意があるかなどですね。当学園の生徒の安全のために協力をお願いしますね」
4人に自己申告書が渡された。自分がどの程度自分の能力を自覚しているか量るためらしい。カビウの場合は、思想や保護者としての心構えなど事細かな申告を要求されていた。
「能力といってもなあ。コシルワンテさんに言われたことくらしか思いつかないよ」とは彗星の言である。順も頷いている。
「わたしは~」
「魔獣を2個抱いていますって書けば」
「そうか。名前はいらないかな?」と言いながら、カーちゃんとウタリを抱いていますと書いていた。
カビウは一通りの検査を受け、ツェリンと面談を行っていた。
「典型的な超能力族ね。これといった危険な思想は持ってないし、種族差別指数がかなり低いわね。期待できるわ」
「種族差別指数?」
「この世界は、3つの種族から構成されていることは知っているでしょ?」
「もちろんです」
「多くの人たちは互いに他種族に偏見を持っていることが多いこともね」
「はい」
「あなたは、この偏見が少ないということよ。でも、それは経験が少ないせいもあるかもしれないけど、当学園の学びの出発地点としては期待大よ。これから経験を積んで、もっと種族差別指数を下げるように努力してくださいね」
「学びって、わたしも学ぶんですか?」
「もちろんよ。何しに来たの?」
「それは...」
彗星、順、水姫は一緒に面談を受けた。
「彗星君は、テレポート能力と危機察知能力に適性があるわね。それとエネルギー放出系にも反応が出ているわ」
「エネルギー放出系?」
「何が出るのかまではまだわからないわ。ということで、彗星君は時空系一般、テレポート訓練、感知系一般、危機察知訓練の初等クラスの授業に出てね。それとエネルギー放出系の幼少クラスの授業にもね」
「初等クラスはわかるけど、幼少クラスってどゆこと?」
「順君はアシスト能力と暗示能力ね。コンボ能力もあるわね。でも、アシスト能力と暗示能力がどのようにコンボ能力と関係あるかまではわからないわ。ということで、順君は、アシスト一般、アシスト訓練、精神感応一般、暗示訓練の初等クラスの授業に出てね。それとアシスト全般、コンボ実習の中等クラスの授業にも出てね」
「水姫ちゃんは、召喚と調伏ね。魔獣は2匹ともかなり強力だから召喚全般、調伏全般、使役実習の中等クラスの授業に出てね。すぐに高等クラスに上がれるかもしれないわよ」
「それと、みんな初等クラスのディスカッションにも参加してね」
「校長先生!」
「ツェリン先生と呼んで頂戴ね」
「はい。じゃあツェリン先生。1つ質問があるんですけど。僕が初等クラスで順が中等クラス、水姫がすぐにも高等クラスなのは能力の問題もあるから異論はありませんが、この学園の最高クラスはどこまでなんですか?」
「高等クラスまでよ。高等クラスの授業を終えると卒業試験があって卒業できると別なところで勉強できるのよ。そうそう、卒業試験の代わりに推薦制度もあるわ。それから、彗星君にはディスカッションのときのリーダーをやってもらうわ」
「リーダー?」
「そうよ。リーダーの授業はないし、高等クラスの実習訓練はチームで行うことが多いからね。これからのために学んでいってね」
「どうして、リーダーの授業はないんですか?」
「う~ん。教えることがないというか、難しいというか、資質やメンバー次第というか、とにかくないのよ」
ディスカッションは週に1回で、先生は一人つくが完全にオブザーバーのようである。そして、テーマは生徒が決めるようである。
その日の午後にさっそく、ディスカッションが行われるよでうある。




