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そして今に至る訳だ。
どういう事かと言うと意識を取り戻した私は訓練所の保健室にいてどうやら丸1日寝ていたらしい。
目が覚めたらマイヤ先輩達に泣かれたり、怒られたり大変だった。
シードル王子には最悪の事態が起きたことを報告して、予想以上の最悪な事態に何も言葉がでなかった、
どうみても知識に関してはこちらの分が悪く、今は考えても答えが出ないので今できる事から解決していくことにした。
そして私は再び眠りにつき次に目覚めたら、その場にいた王からの使いと言う人に突然国外追放とか言われて魔獣の森に飛ばされてしまった。
魔石を使った魔法が禁止されてるとか封印の森で暴れたとか色々罪状はあるらしい。
が、ようは危険人物に命を狙われてるやつを置いておいたら国まで亡ぶから出て行けという事らしい。
目が覚めたばっかりでいきなり出てけはほんとひどいと思う。
この魔獣の森には何ヶ所かに各国共通の小屋がある。
とりあえずそこに向かって今後の事を考えようとは思うが、どう考えても未来が見えない、
バッドエンド回避で頑張ったのに乙女ゲームとは違う展開でバッドエンド?
ありえないし、甘い展開なしのハードモードな死後の世界とかどうなってるんだ!!
叫びたいのを我慢しつつ黙々と歩く。
スノウはいつもの事だけどティムからの反応が全くないが、しっかり私の手を握って先導してくれる姿に安堵する。
ティムとスノウがいてくれて本当に良かったと思う。
「主よ。あそこだ」
突然のティムの声に視線を動かすと集落が見えた。
集落?そういえばティムが場所はわかると言うから任せてきたけど、ここはどこだろう?
目的としていた小屋とは違う。
「ティム?」
「うむ。詳しい事はついてから説明しよう。
アクアも待っておるぞ?」
「ええ?」
訳も分からずティムに引っ張られて集落に入ると確かにアクアがいる。
どう見てもレナートの契約精霊のアクアだ。
何でここに?
「おっそい!!何処をほっつき歩いてたのよ。
あたし達より先に飛ばされたのに遅すぎるわ」
輿に手を当てて文句を言う12歳位の少女姿のアクアの言葉に驚きを隠せない。
「仕方なかろう。適当に飛ばされた場所がここから遠かったのだから。
お主達は近場まで転送したのだろう?」
ティムが反論し、アクアと口論を始める。
何時もの事だけどどういう事?
疑問符だらけの私に声がかかる。
「忘れ物だ。とりあえず必要と思う者はマイヤ先輩達に詰めてもらった」
「レナート?」
声の方を向くと私の鞄と剣を持ったレナートが立っている。
一体どうなっているの!?




