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死後の世界は乙女ゲームって聞いたのに・・・  作者: 花水仙
1章 乙女ゲームはどこに?
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<ティム、例の魔法をやろうと思うの。

 スノウは援護をお願い>


ティムが反対しそうな気配があったが、無視して突進し光魔法を発動させる。


天使エンジェル鉄槌ハンマー


光属性の中級レベルの攻撃魔法で本来ならダメージと麻痺の効果のある魔法だが、今はダメージが目的ではなく相手の動きを鈍くさせるのが目的だから、麻痺の効果メインでダメージは期待していない。

発動後もにメインとなる魔法の準備にはいる為に隠し持っていた風の魔石を手に取る。


氷竜巻アイスストーム


基本属性同士の上位の複合魔法は今現在は存在しない。

それはその組み合わせでの精霊との契約ができないからだ。

ならば、精霊の代わりに魔石を使えばどうだろうかと考えてこっそり特訓してた私のとっておきだ。

といってもまだ完成と言う訳ではなく、色々改善点もある魔法なのだが、現状を打破する為の手段としてこれしかおもいつかなかった。

風魔法で起こした竜巻に氷の雨を降らせる魔法。

私の攻撃を簡単に躱せると油断してた彼等は私の接近を簡単に許したからこそ余計に効果はあるはずだ。


余談だが、魔法の名前はこれでも必死に考えた。

我ながらネーミングセンスが悪いなとは思うがこれしか思いつかなかったのだ。


<なんとかいったけど、ダメージは与えられたと思う?>


かなりの魔力を使い、正直座り込みたいのを我慢して弱まる風を見つめるがティムとスノウの応答はない。

やはり、致命傷までとはいかなかったか。

これで効果ないと私の手はもうないんだけどなと弱まっていく風を見ていると突然魔法弾の雨が降り注いできた。

完全に油断していた私は反応が遅れ魔法弾を受けてしまったが、最初の時に比べると威力が弱まっていて致命傷にはならずにすんだ。


「くくくくく。ふははは。まさか魔石を使っての基本属性同士の複合魔法とはな。

 これだから記憶持ちは面白いよね。

 残念だな。アデリーナお前を仲間にしたかったのだが。

 ならないと言うならば次は必ずどんな手を使っても殺しに行く。

 覚悟して待っていろ」


治まった風に服をボロボロにさせながらも毅然と2人は立っていた。

ガヴリイルは楽しそうに笑いながらそう告げると風と共に姿を消した。


「冗談。もう2度と来るな」


そう呟き、私はその場に座り込む。


「アディ!!」


声がする方に視線を向けるとレナートが走ってくる姿が見える。

どうやら傀儡化は無事に解けたようだ。

良かったと思う間もなく私はそこで意識を手放してしまった。


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